)” の例文
夜雨やうあきさむうしてねむりらず残燈ざんとう明滅めいめつひとり思うの時には、或は死霊しりょう生霊いきりょう無数の暗鬼あんきを出現して眼中に分明なることもあるべし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
呉起ごきここおいて、さんとほつし、つひ其妻そのつまころし、もつせいくみせざるをあきらかにす。つひもつしやうとなす。しやうとしてせいめ、おほいこれやぶる。
中原ちゅうげん、また鹿をうて、筆を投げすてて戎軒じゅうけんを事とす。縦横のはかりごとらざれども、慷慨こうがいの志はお存せり。つえいて天子にえっし、馬を駆って関門をず。
(新字新仮名) / 富田常雄(著)
たけなわニシテ詩ヲ賦シ筆ヲ下スコト縦横、大篇たちドコロニル。駿発しゅんぱつ一座ヲ驚ス。子寿指シテ余ニ告ゲテ曰クコレ房州ノ鱸子彦之ろしげんしナリト。予心ひそかニコレヲ奇トス。乃チともニ交ヲ訂ス。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
またこの言をなす。世間ただ好みて情をはなち欲を極むるを追い求むるあり、最もこれ一生上妙の快楽なり。宜しく共に隠身の薬を求むべし。事もしかく果たさば、この願い必ずらん。
一たび筆をふるふ時は千言立ちどころにると云ふ。又書名あり。筆法遒勁いうけい、風韻蕭散と称せらる。その内外の二祖、な当時の魁儒くわいじゆたるにり、希哲の文、典訓を貫綜くわんそうし、古今を茹涵じよかんす。
八宝飯 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
従来もとよりかの家は二三吉備の鴨別かもわけすゑにて家系すぢめも正しければ、君が家に二四ちなみ給ふは二五はた吉祥よきさがなるべし。此の事のらんは二六老が願ふ所なり。二七大人うし心いかにおぼさんやといふ。
造営るをつげ、その供養の日、導師をつとめたる紫袈裟の破戒法師(玄昉)は、たちまち虚空の中に捉へ去られ、その首、のちに興福寺の唐院に墜ちたりと、世の人伝へて広嗣が霊の祟となす。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
季康子政を孔子に問いて曰く、無道あしきを殺して有道よき(成)さば何如いかん
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
堅忍不撓ノ心ハ諸事ヲ為スモノノ決シテ欠クベカラザル者ニシテ繁密錯雑ナル我植学ニ在テモ資ヲ此ニ取ラザルハ一トシテ之ナキナリ故ヲ以テ阻心ヲ去テ耐心ヲ存スルモノハ其功ヲス易々タルナリ
改刻れる高橋氏の碑文
高橋箒庵氏の書道観 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
染めてせ 五色ごしき
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
鉄道の工事まさにらんとす、交通の便大に開くべきなり。さもあらばあれ、詩歌の唐津は、白雲と湖のにほひとのうちに埋れて、いかに大雅の士をまつことの久しきかをわれは知らざるなり。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)