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莫
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な
ふりがな文庫
“
莫
(
な
)” の例文
ツマリ「文学士春の屋おぼろ」のために
崛起
(
くっき
)
したので、坪内君
莫
(
な
)
かっせばあるいは小説を書く気には一生ならなかったかも知れぬ。
明治の文学の開拓者:――坪内逍遥――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
ソレ書生タルモノ平時互ニ相誇ルニアルイハ博覧考証ヲ以テシアルイハ詩若シクハ文章ヲ以テシ皆自ラ
謂
(
いえ
)
ラク天下
己
(
おのれ
)
ニ
若
(
し
)
クモノハ
莫
(
な
)
シト。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ロオザは弟の手術を讚め、マリアも亦その恩惠を
稱
(
たゝ
)
へたり。マリアの云ふやう。目しひなりし時の心の
取像
(
しゆざう
)
ばかり
奇
(
く
)
しきは
莫
(
な
)
し。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「凡そ国家は、人民の奏合するものにして国家の事は、人民の事ならざるは
莫
(
な
)
く、国家の盛衰治乱は、人民の安危憂楽に関せざるは莫し。」
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
子貢曰く、その礼を見れば
而
(
すなわ
)
ちその政を知り、その楽を聞けば
而
(
すなわ
)
ちその徳を知る。百世の後より百世の王を
等
(
とう
)
するに、これに
能
(
よ
)
く違うこと
莫
(
な
)
し。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
▼ もっと見る
大凡
(
おおよそ
)
物はその好む所に
聚
(
あつま
)
る、彼の
艱難
(
かんなん
)
の如きも、また
焉
(
いずく
)
んぞ彼が自ら好んでこれを致したるに非ざる
莫
(
な
)
きを知らんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
鉤摭
(
こうせき
)
して説を成し、上古に
合
(
がっ
)
するを務め、先儒を
毀訾
(
きし
)
し、
以謂
(
おもえ
)
らく我に及ぶ
莫
(
な
)
き
也
(
なり
)
と、更に異議を為して、以て学者を惑わす。是を
訓詁
(
くんこ
)
の
蠹
(
と
)
という。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
孔子は「人飲食せざるは
莫
(
な
)
し、
能
(
よ
)
く味を知るもの
鮮
(
すくな
)
きなり」と言っているが、確かに、その通りだと思うのである。
料理も創作である
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
厚かましいお願だが、彼等の孤弱を憐れんで、今後とも
道塗
(
だうと
)
に
飢凍
(
きとう
)
することのないやうにはからつて戴けるならば、自分にとつて、恩
倖
(
かう
)
、之に過ぎたるは
莫
(
な
)
い。
山月記
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
〔譯〕人心の
靈
(
れい
)
、
太陽
(
たいやう
)
の如く然り。但だ
克伐
(
こくばつ
)
怨欲
(
えんよく
)
、
雲霧
(
うんむ
)
四塞
(
しそく
)
せば、此の
靈
(
れい
)
烏
(
いづ
)
くに在る。故に意を
誠
(
まこと
)
にする工夫は、
雲霧
(
うんむ
)
を
掃
(
はら
)
うて白日を
仰
(
あふ
)
ぐより先きなるは
莫
(
な
)
し。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
或
(
あるひ
)
は
曰
(
いは
)
く、『
儋
(
たん
)
は
即
(
すなは
)
ち
老子
(
らうし
)
なり』と。
或
(
あるひ
)
は
曰
(
いは
)
く、『
非也
(
ひなり
)
』と。
世
(
よ
)
、
其
(
そ
)
の
然
(
しか
)
るや
否
(
いな
)
やを
知
(
し
)
る
莫
(
な
)
し。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
衞の
霊公陣
(
れいこうじん
)
を孔子に問う。孔子対えて曰く、
俎豆
(
そとう
)
の事は則ち嘗て之を聞けり。軍旅の事は未だ之を学ばざるなりと。明日遂に
行
(
さ
)
る。
陳
(
ちん
)
に在りて糧を絶つ。従者病みて能く
興
(
た
)
つ
莫
(
な
)
し。
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
支那の初唐時代での有名な詩の「葡萄ノ美酒夜光ノ杯、飲マント欲シテ琵琶馬上ニ催ス、酔テ沙場ニ臥ス君笑フコト
莫
(
な
)
カレ、古来征戦幾人カ回ヘル」はよく人口に
膾炙
(
かいしゃ
)
した七絶である。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
幕府と阿部家とに献ずるものは、
薬袋
(
やくたい
)
に題する屠字の右肩に朱点を施して
糅雑
(
じうざつ
)
すること
莫
(
な
)
からしめた。調合
畢
(
をは
)
れば、柏軒が門人等を神田大横町の蕎麦店今宮へ
率
(
ゐ
)
て往き、蕎麦を振舞つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
思ふに前記の諸篇の如き、布局法あり、行筆本あり、変化至つて
規矩
(
きく
)
を離れざる、能く久遠に
垂
(
た
)
るべき
所以
(
ゆゑん
)
ならん。予常に思ふ、芸術の境に未成品ある
莫
(
な
)
しと。紅葉亦然らざらんや。(二月三日)
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
転変
(
てんぺん
)
の
激
(
はげし
)
きは
莫
(
な
)
しと
某老人
(
ぼうらうじん
)
の
申候
(
まうしそろ
)
其訳
(
そのわけ
)
は
外充内空
(
ぐわいじうないくう
)
の
商略
(
せふりやく
)
にたのみて、
成敗
(
せいはい
)
の
一挙
(
いつきよ
)
に
決
(
けつ
)
せんと
欲
(
ほつ
)
し
候
(
そろ
)
人の、
其家構
(
そのいへかま
)
へに
於
(
おい
)
て、
町構
(
まちかま
)
へに
於
(
おい
)
て、
同処
(
どうしよ
)
を
利
(
り
)
と
致候
(
いたしそろ
)
よりの
事
(
こと
)
にて、今も
店頭
(
てんとう
)
に
堆
(
うつたか
)
きは
資産
(
しさん
)
に
非
(
あら
)
ず
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
而
(
しこう
)
して英国革命の演劇は、実にこの二人の役者に
由
(
よ
)
りて演ぜられたり。松陰の事むしろこの
類
(
たぐい
)
なる
莫
(
な
)
からんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
厚かましいお願だが、彼等の孤弱を
憐
(
あわ
)
れんで、今後とも
道塗
(
どうと
)
に
飢凍
(
きとう
)
することのないように計らって戴けるならば、自分にとって、
恩倖
(
おんこう
)
、これに過ぎたるは
莫
(
な
)
い。
山月記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
とは言っても、孔子の言った如く、「人飲食せざるは
莫
(
な
)
し、
能
(
よ
)
く味を知るもの
鮮
(
すくな
)
きなり」は事実である。
味を知るもの鮮し
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
「愈ゝ王室の安泰を保全し、其鞏固を得べきことは、
定律
(
ていりつ
)
政治に若くは
莫
(
な
)
く、王室を危難に陥れ、王位の鞏固を失ひ易きことは、専制政体より甚だしきは莫し。」
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
是
(
ここ
)
ヲ
以
(
も
)
テ
能
(
よ
)
クソノ機宜ヲ詳ニシソノ形勢ヲ
悉
(
ことごと
)
クス。然レバ則海防ノ策コノ篇ヨリ善キハ
莫
(
な
)
シ。予乃チ抄シテコレヲ
梓
(
し
)
ニ付シ題シテ『聖武記採要』トイヒ以テ世ニ問フ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
アントニオよ、
妾
(
わらは
)
を殺せ、妾を殺せ、只だ妾を棄てゝな去りそと、夫人は叫べり。其
臉
(
かほ
)
、其
眸
(
まなじり
)
、其
瞻視
(
せんし
)
、其
形相
(
ぎやうさう
)
、一として情慾に非ざるもの
莫
(
な
)
く、
而
(
しか
)
も猶美しかりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
然
(
しか
)
れども
其
(
そ
)
の文章
亦
(
また
)
おのずから佳、前人評して曰く、
醇龐博朗
(
じゅんほうばくろう
)
[#「醇龐博朗」は底本では「醇※博朗」]、
沛乎
(
はいこ
)
として
余
(
あまり
)
有り、
勃乎
(
ぼっこ
)
として
禦
(
ふせ
)
ぐ
莫
(
な
)
しと。又曰く、
醇深雄邁
(
じゅんしんゆうまい
)
と。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
(一三)
關令
(
くわんれい
)
尹喜
(
ゐんき
)
曰
(
いは
)
く、『
子
(
し
)
將
(
まさ
)
に
隱
(
かく
)
れんとす、
彊
(
し
)
ひて
我
(
わ
)
が
爲
(
た
)
めに
書
(
しよ
)
を
著
(
あら
)
はせ』と。
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
老子
(
らうし
)
廼
(
すなは
)
ち
書上下篇
(
しよしやうかへん
)
を
著
(
あら
)
はし、
道徳
(
だうとく
)
の
意
(
い
)
を
言
(
い
)
ふこと五千
餘言
(
よげん
)
にして
去
(
さ
)
れり。
其
(
そ
)
の
終
(
をは
)
る
所
(
ところ
)
を
知
(
し
)
る
莫
(
な
)
し。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
然
(
しか
)
りといえども識者の眼識は境遇の外に超逸す。
熊沢蕃山
(
くまざわばんざん
)
の如き、その一人なる
莫
(
な
)
からんや。彼は
跛
(
びっこ
)
の
駝鳥
(
だちょう
)
なれども、なお万里の
平沙
(
へいさ
)
を
奔
(
はし
)
らんとする雄気あり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
なるほど
韓駒
(
かんく
)
の詩の、「言ふ
莫
(
な
)
かれ
衲子
(
なふし
)
の
籃
(
らん
)
に底無しと、江南の骨董を盛り取つて帰る」
骨董
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
シカモ手ヲ握ツテ傾倒スルモ
崖岸
(
がいがん
)
ニ立タズ、
晨夕盤桓
(
しんせきばんかん
)
シテ
謬
(
あやま
)
ツテ知己ヲ以テ許サルヽ者我ガ家里誠県ノ如キハ
莫
(
な
)
シ。誠県
資稟
(
しひん
)
明敏、容儀閑雅ナリ。
少
(
わか
)
クシテ斎藤拙堂翁ニ従ツテ古文ヲ学ブ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ところが、「人飲食せざるは
莫
(
な
)
し、
能
(
よ
)
く味を知るもの
鮮
(
すくな
)
きなり」
道は次第に狭し
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
左右皆泣キ、
能
(
よ
)
ク仰ギ
視
(
み
)
ルモノ
莫
(
な
)
シ……。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
なるほど
韓駒
(
かんく
)
の詩の、「言う
莫
(
な
)
かれ
衲子
(
のうし
)
の
籃
(
らん
)
に底無しと、
江南
(
こうなん
)
の骨董を
盛
(
も
)
り取って帰る」
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
弥陀の像有り浄土の図ある者は、
礼敬
(
らいきょう
)
せざるなく、道俗男女、極楽に志す有り、往生を願う有る者は、
結縁
(
けちえん
)
せざる
莫
(
な
)
し、と云って居るから、四十以後、道心日に募りて
已
(
や
)
み難く
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“莫”の解説
莫(ばく)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
莫
漢検準1級
部首:⾋
10画
“莫”を含む語句
寂莫
莫斯科
遮莫
莫逆
莫連女
莫大
莫迦々々
莫大小
莫迦野郎
莫蓮女
大莫連
莫迦
莫迦莫迦
落莫
莫連者
莫迦者
莫連
莫迦気
索莫
大莫迦
...