トップ
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名
>
な
ふりがな文庫
“
名
(
な
)” の例文
佐吉
(
さきち
)
は、そのそばに
駈
(
か
)
け
寄
(
よ
)
ってみますと、かごの
中
(
なか
)
には、
名
(
な
)
も
知
(
し
)
らないような
小鳥
(
ことり
)
がはいっていて、それがいい
声
(
ごえ
)
でないていました。
酔っぱらい星
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『
荘子
(
そうじ
)
』に「名は
実
(
じつ
)
の
賓
(
ひん
)
なり」とあるごとく、
実
(
じつ
)
は
主
(
しゅ
)
にして
名
(
な
)
は
客
(
かく
)
である。言葉も同じく考えの
賓
(
ひん
)
、思想の
客
(
かく
)
なりといいうると思う。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
父親
(
ちちおや
)
は
相当
(
そうとう
)
高
(
たか
)
い
地位
(
ちい
)
の
大宮人
(
おおみやびと
)
で、
名
(
な
)
は
狭間信之
(
はざまのぶゆき
)
、
母親
(
ははおや
)
の
名
(
な
)
はたしか
光代
(
みつよ
)
、そして
雛子
(
ひなこ
)
は
夫婦
(
ふうふ
)
の
仲
(
なか
)
の
一粒種
(
ひとつぶだね
)
のいとし
児
(
こ
)
だったのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
會
(
くわい
)
の
名
(
な
)
は——
會費
(
くわいひ
)
が
九圓九十九錢
(
きうゑんきうじふきうせん
)
なるに
起因
(
きいん
)
する。
震災後
(
しんさいご
)
、
多年
(
たねん
)
中絶
(
ちうぜつ
)
して
居
(
ゐ
)
たのが、
頃日
(
このごろ
)
區劃整理
(
くくわくせいり
)
に
及
(
およ
)
ばず、
工事
(
こうじ
)
なしに
復興
(
ふくこう
)
した。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
坊ちゃん政——それは私にいつの間にか付けられた
通
(
とお
)
り
名
(
な
)
だった。もちろんかねて
顔馴染
(
かおなじみ
)
の二刑事が覚えているのも
詮
(
せん
)
ないことだろう。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
(七九)
閭巷
(
りよかう
)
の
人
(
ひと
)
、
行
(
おこなひ
)
を
砥
(
と
)
ぎ
名
(
な
)
を
立
(
た
)
てんと
欲
(
ほつ
)
する
者
(
もの
)
は、
(八〇)
青雲
(
せいうん
)
の
士
(
し
)
に
附
(
つ
)
くに
非
(
あら
)
ずんば、
惡
(
いづく
)
んぞ
能
(
よ
)
く(名ヲ)
後世
(
こうせい
)
に
施
(
し
)
かん
哉
(
や
)
。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
「
何
(
なん
)
といういくじのないやつだ。じゃあためしにおれの
名
(
な
)
を
当
(
あ
)
ててみろ。うまく
言
(
い
)
い
当
(
あ
)
てたら、かんべんしてやらないものでもない。」
鬼六
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「おまえは、
目
(
め
)
がみえぬのか。これをみなさい。なんとかいてある。
奥平大膳大夫
(
おくだいらだいぜんのだいぶ
)
と、とのさまのお
名
(
な
)
まえがかいてあるではないか。」
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
柳橋
(
やなぎばし
)
に柳なきは既に
柳北
(
りゅうほく
)
先生『
柳橋新誌
(
りゅうきょうしんし
)
』に「橋以
レ
柳為
レ
名而不
レ
植
二
一株之柳
一
〔
橋
(
はし
)
は
柳
(
やなぎ
)
を
以
(
もっ
)
て
名
(
な
)
と
為
(
な
)
すに、
一株
(
いっしゅ
)
の
柳
(
やなぎ
)
も
植
(
う
)
えず〕」
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今更
(
いまさら
)
ながら
長吉
(
ちようきち
)
の
亂暴
(
らんぼう
)
に
驚
(
おどろ
)
けども
濟
(
す
)
みたる
事
(
こと
)
なれば
咎
(
とが
)
めだてするも
詮
(
せん
)
なく、
我
(
わ
)
が
名
(
な
)
を
借
(
か
)
りられしばかりつく/″\
迷惑
(
めいわく
)
に
思
(
おも
)
はれて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『
痴人
(
ばか
)
め!』
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
焦心
(
ぢれ
)
ッたさうに
御自身
(
ごじしん
)
の
頭
(
あたま
)
を
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
して
申
(
まを
)
されました、それから
愛
(
あい
)
ちやんに
振向
(
ふりむ
)
いて、『
何
(
なん
)
と
申
(
まを
)
す
名
(
な
)
ぢや?
子供
(
こども
)
』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
他日
(
たじつ
)
我
(
わ
)
が
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
が、
帝國軍艦旗
(
ていこくぐんかんき
)
を
飜
(
ひるがへ
)
して、
千艇※艦
(
せんていばんかん
)
の
間
(
あひだ
)
に
立
(
た
)
つの
時
(
とき
)
、
願
(
ねがは
)
くば
其
(
その
)
名
(
な
)
の
如
(
ごと
)
く、
神速
(
しんそく
)
に、
且
(
か
)
つ
猛烈
(
まうれつ
)
ならん
事
(
こと
)
を
望
(
のぞ
)
むのです。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
尊王攘夷の大趣意において
豈
(
あ
)
に
間然
(
かんぜん
)
する所あらんや。その表面よりすれば言正しく
名
(
な
)
順
(
したが
)
い、その裏面よりすれば、
禍
(
わざわい
)
未測に陥らんとす。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
つづいて
欧鵬
(
おうほう
)
、つづいて
陶宗旺
(
とうそうおう
)
と、各〻が口を揃えて
名
(
な
)
のりつらねた。そして最後に——ややおくれて飛んで来た二
挺
(
ちょう
)
斧
(
おの
)
を持った男も
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
最後
(
さいご
)
に
会
(
あ
)
ったのはたしか
四五月頃
(
しごがつごろ
)
でしたか、
新橋演舞場
(
しんばしえんぶじょう
)
の
廊下
(
ろうか
)
で
誰
(
たれ
)
か
後
(
うしろ
)
から
僕
(
ぼく
)
の
名
(
な
)
を
呼
(
よ
)
ぶのでふり
返
(
かえ
)
って
見
(
み
)
ても
暫
(
しばら
)
く
誰
(
たれ
)
だか
分
(
わか
)
らなかった。
夏目先生と滝田さん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
鐘
(
かね
)
のどこかに、その
鐘師
(
かねし
)
の
名
(
な
)
が
彫
(
ほ
)
りつけてあるそうな、と
婆
(
ばあ
)
さんはいった。これは
木之助
(
きのすけ
)
爺
(
じい
)
さんの
話
(
はなし
)
よりよほどほんとうらしい。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
われ/\は
最初
(
さいしよ
)
の
弱
(
よわ
)
い
部分
(
ぶぶん
)
を
初期微動
(
しよきびどう
)
と
名
(
な
)
づけ、
中頃
(
なかごろ
)
の
強
(
つよ
)
い
部分
(
ぶぶん
)
を
主要動
(
しゆようどう
)
或
(
あるひ
)
は
主要部
(
しゆようぶ
)
、
終
(
をは
)
りの
弱
(
よわ
)
い
部分
(
ぶぶん
)
を
終期部
(
しゆうきぶ
)
と
名
(
な
)
づけてゐる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
馬
(
うま
)
に
乘
(
の
)
るか、
籠
(
かご
)
に
乘
(
の
)
るか、さもなければ
歩
(
ある
)
いて
旅
(
たび
)
をした
以前
(
いぜん
)
の
木曾街道
(
きそかいだう
)
の
時分
(
じぶん
)
には、
父
(
とう
)
さんの
生
(
うま
)
れた
神坂村
(
みさかむら
)
も
驛
(
えき
)
の
名
(
な
)
を
馬籠
(
まごめ
)
と
言
(
い
)
ひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
仙人
(
せんにん
)
張三丰
(
ちょうさんぼう
)
を
索
(
もと
)
めんとすというを
其
(
その
)
名
(
な
)
とすと
雖
(
いえど
)
も、
山谷
(
さんこく
)
に仙を
索
(
もと
)
めしむるが如き、永楽帝の
聰明
(
そうめい
)
勇決にして
豈
(
あに
)
真に
其
(
その
)
事
(
こと
)
あらんや。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
先
(
ま
)
づ
検疫船
(
けんえきせん
)
が
来
(
き
)
て
検疫医
(
けんえきい
)
が
乗
(
の
)
り
込
(
こ
)
む。一
等
(
とう
)
船客
(
せんかく
)
一
同
(
どう
)
大食堂
(
だいしよくだう
)
に
呼
(
よ
)
び
集
(
あつ
)
められて、
事務長
(
じむちやう
)
が
変
(
へん
)
な
所
(
ところ
)
にアクセントをつけて
船客
(
せんかく
)
の
名
(
な
)
を
読
(
よ
)
み
上
(
あ
)
げる。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
又
(
また
)
なんじら
我
(
わ
)
が
名
(
な
)
のために
凡
(
すべ
)
ての
人
(
ひと
)
に
憎
(
にく
)
まれん。されど
終
(
おわり
)
まで
耐
(
た
)
え
忍
(
しの
)
ぶものは
救
(
すく
)
わるべし。この
町
(
まち
)
にて、
責
(
せ
)
めらるる
時
(
とき
)
は、かの
町
(
まち
)
に
逃
(
のが
)
れよ。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ロミオ や、
俺
(
おれ
)
の
名
(
な
)
を
呼
(
よ
)
ぶは
戀人
(
こひゞと
)
ぢゃ。あゝ、
戀人
(
こひゞと
)
の
夜
(
よる
)
の
聲音
(
こわね
)
は、
白銀
(
しろがね
)
の
鈴
(
すゞ
)
のやうにやさしうて、
聞
(
き
)
けば
聞
(
き
)
くほどなつかしい!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
校長として
令名
(
れいめい
)
を
馳
(
は
)
せ、一音楽家にして上院の終身議員となり、功成り
名
(
な
)
遂
(
と
)
げて一九〇四年五月一日六十三歳をもって没した。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
ラランのやつに
欺
(
だま
)
されたと
気
(
き
)
づいても、
可哀
(
かあい
)
さうなペンペはその
抉
(
えぐ
)
られた
両方
(
りやうほう
)
の
眼
(
め
)
から
血
(
ち
)
を
滴
(
したた
)
らすばかりだつた。もうラランの
名
(
な
)
も
呼
(
よ
)
ばない。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
勿論
(
もちろん
)
、
個個
(
ここ
)
に
遊
(
あそ
)
び
樂
(
たの
)
しんでゐた
人達
(
ひとたち
)
は
外
(
ほか
)
にもあつたらうが、
少
(
すくな
)
くとも
麻雀戲
(
マアジヤンぎ
)
の
名
(
な
)
を
世間的
(
せけんてき
)
に
知
(
し
)
らせたのはどうもあすこだつたやうに
思
(
おも
)
はれる。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
この、おの/\の
位置
(
いち
)
によつて
生
(
は
)
える
樹木
(
じゆもく
)
の
種類
(
しゆるい
)
と
森林
(
しんりん
)
の
形
(
かたち
)
とが
異
(
ことな
)
つてゐるあり
樣
(
さま
)
を
名
(
な
)
づけて、『
森林帶
(
しんりんたい
)
』または『
森林植物帶
(
しんりんしよくぶつたい
)
』と
言
(
い
)
ひます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
地占者
(
ゼオマンテイ
)
等が、夜の明けざるさきに、その大吉と
名
(
な
)
づくるものの、ほどなく白む道を傳ひて、東に登るを見るころほひ 四—六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「
私
(
わたし
)
夫
(
それ
)
でも
何時
(
いつ
)
も
御祖母
(
おばゞ
)
さまなのよ。
御祖母
(
おばゞ
)
さまの
西洋
(
せいやう
)
の
名
(
な
)
がなくつちや
不可
(
いけ
)
ないわねえ。
御祖母
(
おばゞ
)
さまは
何
(
なん
)
て
云
(
い
)
ふの」と
聞
(
き
)
いたものもあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私共
(
わたしども
)
は、その
塚
(
つか
)
を
金冠塚
(
きんかんづか
)
と
名
(
な
)
づけましたが、そのわけは、この
塚
(
つか
)
の
中
(
なか
)
から、それは/\
立派
(
りつぱ
)
な
金
(
きん
)
の
冠
(
かんむり
)
が
出
(
で
)
たからであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「だれも人がいなかったから、とうとうあれを
伴
(
つ
)
れてきましたが、ほんとにばかですよ。とうとう
幼
(
おさ
)
な
名
(
な
)
をあなたに聞かしてしまいましたわ。」
五通
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
老人
(
らうじん
)
の
名
(
な
)
は
大島仁藏
(
おほしまじんざう
)
、
若者
(
わかもの
)
の
名
(
な
)
は
池上權藏
(
いけがみごんざう
)
であるといふことを
言
(
い
)
へば、
諸君
(
しよくん
)
は、
既
(
すで
)
に
大概
(
たいがい
)
の
想像
(
さうざう
)
はつくだらうと
思
(
おも
)
ひます。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
今日
(
こんにち
)
ですら
日本全土
(
にほんぜんど
)
の七十パーセントは
樹木
(
じゆもく
)
を
以
(
もつ
)
て
蔽
(
おほ
)
はれてをり、
約
(
やく
)
四十五パーセントは
森林
(
しんりん
)
と
名
(
な
)
づくべきものである。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
二人
(
ふたり
)
の
少年
(
せうねん
)
が
泊
(
とま
)
つた
家
(
いへ
)
は、
隣村
(
りんそん
)
にも
名
(
な
)
だたる
豪家
(
がうか
)
であつた。
門
(
もん
)
のわきには
大
(
おほ
)
きな
柊
(
ひいらぎ
)
の
木
(
き
)
が、
青
(
あを
)
い
空
(
そら
)
にそヽりたつてゐた。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
お
鍋
(
なべ
)
とはよく
名
(
な
)
をつけたと、おいらァつくづくあいつの、
親父
(
おやじ
)
の
智恵
(
ちえ
)
に
感心
(
かんしん
)
してるんだが、それと
違
(
ちが
)
っておせんさんは、
弁天様
(
べんてんさま
)
も
跣足
(
はだし
)
の
女
(
おんな
)
ッぷり。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
それまで そうじゅん と いっていた
一休
(
いっきゅう
)
さんは それから
名
(
な
)
を
一休
(
いっきゅう
)
と あらため、それを いっしょう かえなかったと いわれます。
一休さん
(新字新仮名)
/
五十公野清一
(著)
うつさばやの
心
(
こゝろ
)
あつく
去年
(
こぞ
)
より
武藏野
(
むさしの
)
に
名
(
な
)
はあれどにげ
水
(
みづ
)
のそこはかとなくかくろひてさのみしる
人
(
ひと
)
もなかりしを
うもれ木:01 序
(旧字旧仮名)
/
田辺竜子
(著)
「おこるにはおこるだろうが、じぶんは、なんといってもあれの
名
(
な
)
づけ
子
(
ご
)
のことだから、死神も目をつぶってくれるだろ。おもいきって、やってみろ」
死神の名づけ親(第一話)
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
君
(
きみ
)
の
嫌
(
きらひ
)
だつた
犬
(
いぬ
)
は
寢室
(
しんしつ
)
には
入
(
い
)
れないで
置
(
お
)
くから。
犬
(
いぬ
)
と
言
(
い
)
へば
君
(
きみ
)
は、
犬好
(
いぬず
)
きの
坊
(
ぼつ
)
ちやんの
名前
(
なまへ
)
に
僕
(
ぼく
)
の
名
(
な
)
を
使
(
つか
)
つたね。
「三つの宝」序に代へて
(旧字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
『
君勇
(
きみゆう
)
』とか『
秀香
(
ひでか
)
』とか、
都
(
みやこ
)
の
歌妓
(
うたひめ
)
の
名
(
な
)
を
染
(
そ
)
めた
茶色
(
ちやいろ
)
の
短
(
みじか
)
い
暖簾
(
のれん
)
が、
軒
(
のき
)
に
懸
(
か
)
け
渡
(
わた
)
されて、
緋毛氈
(
ひまうせん
)
の
床几
(
しようぎ
)
を
背後
(
うしろ
)
に、
赤前垂
(
あかまへだれ
)
の
女
(
をんな
)
が、
甲高
(
かんだか
)
い
聲
(
こゑ
)
を
絞
(
しぼ
)
つてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
けれども
大昔
(
おほむかし
)
には、うたと
名
(
な
)
づくべきものが
多
(
おほ
)
かつたので、そのうち、
一番
(
いちばん
)
後
(
あと
)
に
出來
(
でき
)
て、
一番
(
いちばん
)
完全
(
かんぜん
)
になつたものが、うたといふ
名
(
な
)
を
專
(
もつぱ
)
らにしたのであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
事
(
こと
)
に
依
(
よ
)
つたら、
主
(
しゆ
)
の
君
(
きみ
)
も、それをお
知
(
し
)
りにならうとなさらないのだらう。
時
(
とき
)
に、あの
子供
(
こども
)
たちも
名
(
な
)
が
無
(
な
)
いやうだ。
主
(
しゆ
)
の
君
(
きみ
)
は
却
(
かへ
)
つて
其方
(
そのはう
)
が
好
(
い
)
いと
仰有
(
おつしや
)
るだらう。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
それが一
枚
(
まい
)
あれば
何處
(
どこ
)
の
神社
(
じんじや
)
へ
行
(
い
)
つても
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
てゝ
居
(
ゐ
)
るものと
見
(
み
)
えて
短
(
みじか
)
い
文中
(
ぶんちう
)
に
讀上
(
よみあ
)
ぐべき
神社
(
じんじや
)
の
名
(
な
)
は
書
(
か
)
いてなくて
何郡
(
なにごほり
)
何村
(
なにむら
)
何神社
(
なにじんじや
)
といふ
文字
(
もじ
)
で
埋
(
うづ
)
めてある。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
申自身番にて新藤市之丞などと
云
(
いふ
)
六ヶ敷
(
むづかしき
)
名
(
な
)
の人は
紙屑買
(
かみくづかひ
)
にはあるべからず
夫
(
そ
)
は
大方
(
おほかた
)
浪人者
(
らうにんもの
)
の
間違
(
まちが
)
ひなる
可
(
べし
)
と云ゆゑ文右衞門は
當惑
(
たうわく
)
なせしかど
是非共
(
ぜひとも
)
尋ねて金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私
(
わたくし
)
の
考
(
かんがへ
)
では
是
(
これ
)
が
抑
(
そも/\
)
生活
(
せいくわつ
)
と
名
(
な
)
づくべきものだらうと。
又
(
また
)
有機體
(
いうきたい
)
が
下等
(
かとう
)
に
成
(
な
)
れば
成
(
な
)
る
丈
(
だ
)
け、より
少
(
すくな
)
く
物
(
もの
)
を
感
(
かん
)
ずるので
有
(
あ
)
らうと、
其故
(
それゆゑ
)
により
弱
(
よわ
)
く
刺戟
(
しげき
)
に
答
(
こた
)
へるのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ほんとうの
名
(
な
)
は
讃岐
(
さぬき
)
の
造麻呂
(
みやつこまろ
)
といふのでしたが、
毎日
(
まいにち
)
のように
野山
(
のやま
)
の
竹藪
(
たけやぶ
)
にはひつて、
竹
(
たけ
)
を
切
(
き
)
り
取
(
と
)
つて、いろ/\の
物
(
もの
)
を
造
(
つく
)
り、それを
商
(
あきな
)
ふことにしてゐましたので
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
トルストイ、ツルゲネーフ
等
(
とう
)
の
名
(
な
)
は
吾人
(
ごじん
)
久
(
ひさ
)
しく
之
(
これ
)
を
聞
(
き
)
けども、ドストイヱフスキーの
名
(
な
)
と
著書
(
ちよしよ
)
に
至
(
いた
)
りては
吾文界
(
わがぶんかい
)
に
之
(
これ
)
を
紹介
(
せうかい
)
するの
功
(
こう
)
不知庵
(
フチアン
)
に
多
(
おほ
)
しと
言
(
い
)
はざる
可
(
べ
)
からず。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
古
(
ふる
)
い
名
(
な
)
を
持
(
も
)
つ
草津
(
くさつ
)
に
隱
(
かく
)
れて、
冬籠
(
ふゆごも
)
る
身
(
み
)
にも、
遙々
(
はる/″\
)
と
高原
(
かうげん
)
の
雪
(
ゆき
)
を
分
(
わ
)
けて、うらゝかな
日
(
ひ
)
は
照
(
て
)
つてゐる。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
或
(
ある
)
ときも
無聊
(
ぶれう
)
に
苦
(
くる
)
しんでゐた
折
(
おり
)
、
誰
(
たれ
)
かを
訪問
(
ほうもん
)
しようかと
言
(
い
)
ひ
合
(
あ
)
つてゐるときS、H
氏
(
し
)
の
名
(
な
)
が
出
(
で
)
た。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
続
(
つづ
)
いて
同
(
おな
)
じく
長篇
(
ちょうへん
)
の『
小悪魔
(
しょうあくま
)
』を
発表
(
はっぴょう
)
して、一
流
(
りゅう
)
の
作家
(
さっか
)
として
名
(
な
)
をうたわれるようになった。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
ポケットへはいるほど小さいというので、ポケット小僧というあだ
名
(
な
)
をつけられていました。
怪人と少年探偵
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
名
常用漢字
小1
部首:⼝
6画
“名”を含む語句
仮名
名代
有名
異名
名香
大名
姓名
著名
名稱
名前
功名
名乗
名跡
名乘
幼名
名告
御名
名聞
名所
署名
...