)” の例文
ひとりひとりへ会釈えしゃくをして、であげるびんの毛にひじを白く、ツイと立ったかと思うと、その痛ましい足どりの影へ——
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、比企のつぼねが、名残り惜しげに、いつまでもでつけているくしの手の下から、やにわに、かんを起したように立った。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぴんと、つるをかけたように、三平は胸を上げた。脇差のこうがいをぬいて、手ばやく、四日半の乱髪みだれがみでつけ、又、襟元えりもとの衣服のしわを、袴の下へきちっと引きのばして
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
機嫌を損ねた将軍家の顔いろに恟々おどおどしながら御風呂女中が、衣服を着せ、髪をでつける。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くしの歯を濡して、伝八郎は、近頃めっきり白髪しらがのふえた髪をでつけながら
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)