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ことば
ふりがな文庫
“
語
(
ことば
)” の例文
一体、帝紀なる
語
(
ことば
)
は、正史の本紀と一つ意味のものではあるが、我が国では尠くとも、帝紀と本紀とに区別を立てゝ居た様に見える。
日本書と日本紀と
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
車夫のかく答へし後は
語
(
ことば
)
絶えて、車は
驀直
(
ましぐら
)
に走れり、紳士は
二重外套
(
にじゆうがいとう
)
の
袖
(
そで
)
を
犇
(
ひし
)
と
掻合
(
かきあは
)
せて、
獺
(
かはうそ
)
の
衿皮
(
えりかは
)
の内に耳より深く
面
(
おもて
)
を
埋
(
うづ
)
めたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
それを感じた時のむづ
痒
(
がゆ
)
いやうな一種の
戦慄
(
せんりつ
)
は、到底形容する
語
(
ことば
)
がない。私は唯、それを私自身の動作に飜訳する事が出来るだけだ。
世之助の話
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かくて第五の
語
(
ことば
)
の中の
M
(
エムメ
)
にいたり、彼等かく並べるまゝ止まりたれば、かしこにては木星
宛然
(
さながら
)
金にて飾れる銀と見えたり 九四—九六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
ロレ いや、
其
(
その
)
語
(
ことば
)
の
鋭鋒
(
きっさき
)
を
防
(
ふせ
)
ぐ
甲胄
(
よろひ
)
を
與
(
おま
)
さう。
逆境
(
ぎゃくきゃう
)
の
甘
(
あま
)
い
乳
(
ちゝ
)
ぢゃと
謂
(
い
)
ふ
哲學
(
てつがく
)
こそは
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
の
慰
(
なぐさ
)
め
草
(
ぐさ
)
ぢゃ、よしや
追放
(
つゐはう
)
の
身
(
み
)
とならうと。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
しかしてこの人なる
語
(
ことば
)
はあるいは
高尚
(
こうしょう
)
な意味に用いることもあれば、またすこぶる
野卑
(
やひ
)
なる意味を
含
(
ふく
)
ませることもある。たとえば
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
『聞いたす。』と穏かに言つて、お八重の顔を
打瞶
(
うちまも
)
つたが、何故か「東京」の
語
(
ことば
)
一つだけで、胸が
遽
(
には
)
かに動悸がして来る様な気がした。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
平次の
語
(
ことば
)
に應じて、打越金彌は二階の凉庵の部屋から、ギヤーマンの小さい瓶に入つた、油のやうな水藥を持つて來て見せました。
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
…………晃兄さんも習字があの様に善く出来て、漠文の御本も善く読める癖に、
何故
(
なぜ
)
真面目
(
まじめ
)
に成つて
夷人
(
ゐじん
)
さんの
語
(
ことば
)
が習へないのかなあ。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
旅人
(
たびびと
)
たちはしずかに
席
(
せき
)
に
戻
(
もど
)
り、
二人
(
ふたり
)
も
胸
(
むね
)
いっぱいのかなしみに
似
(
に
)
た新しい
気持
(
きも
)
ちを、何気なくちがった
語
(
ことば
)
で、そっと
談
(
はな
)
し合ったのです。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
蝸廬
(
くわろ
)
といふ語があるね、僕も書物のなかではよくこの
語
(
ことば
)
に接してはゐるが、今日は眼の前にその蝸廬といふものを見て来たよ。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
次に
陀羅尼
(
だらに
)
という
語
(
ことば
)
ですが、これもまた梵語で、翻訳すれば「
惣持
(
そうじ
)
」、
総
(
す
)
べてを持つということで、あの
鶴見
(
つるみ
)
の
惣持寺
(
そうじじ
)
の惣持です。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
それが分かっているとすれば、この
語
(
ことば
)
の説明に必然伴って来る具体的の例が、どんなものだということも分かっていなくてはならない。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
語
(
ことば
)
はしばし絶えぬ。
両人
(
ふたり
)
はうっとりとしてただ
相笑
(
あいえ
)
めるのみ。梅の
香
(
か
)
は
細々
(
さいさい
)
として
両人
(
ふたり
)
が
火桶
(
ひおけ
)
を擁して
相対
(
あいむか
)
えるあたりをめぐる。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
梓は
歯切
(
はがみ
)
をして、
衝
(
つ
)
と寄って、その
行為
(
おこない
)
を
詰
(
なじ
)
ったが、これに答えた警官の
語
(
ことば
)
は、極めて明瞭に、且つ極めて正当なものであった。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「御苦労様」と主人は冷淡に答えたが、腹の内では当人同士と云う
語
(
ことば
)
を聞いて、どう云う訳か分らんが、ちょっと心を動かしたのである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
われは血の胸に迫るを覺えて、
兩手
(
もろて
)
は力なく膝の上に垂れたり。泣かば心鎭まるべけれども涙出でず、祈らば力着くべけれども
語
(
ことば
)
出でず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
乃至
(
ないし
)
神様の
語
(
ことば
)
などを十分知り抜いてしかもそれを超越した処に、どうしても双方の気分が
喰違
(
くいちが
)
って面白くないという場合もあるのですから
離婚について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
いや、
迚
(
とて
)
も、ムッシュウ。仮りに私が大学者であって、どんな
語
(
ことば
)
を列ねたからって、あのときの恐怖を適切に云い現わすことは出来ません。
十時五十分の急行
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
その「エトリ」の
語
(
ことば
)
が、訛って「エト」となり、さらに「エタ」ともなる。讃岐の
鵜足
(
うたり
)
郡の名が訛って、ウタ郡となったと同じ訛り方です。
融和問題に関する歴史的考察
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
一寸
語
(
ことば
)
を切って、顔を前へ突き出した。耳を立てる。二階下の正門前の犇めいている物凄い群集の喚声に聴き入っているのだ。
双面獣
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
胸一杯の悲しみに
語
(
ことば
)
さへ震へ、語り了ると其儘、
齒根
(
はぐき
)
喰ひ
絞
(
しば
)
りて、
詰
(
き
)
と耐ゆる斷腸の思ひ、勇士の愁歎、
流石
(
さすが
)
にめゝしからず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
小児
(
こども
)
病気は日にまし快方。小生見舞に参り候えどもまだ一度も
語
(
ことば
)
を交せたる事なし。「草枕」の作者の児だけありて非人情極まったもの也。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
法水は、
神学
(
セオロジイ
)
との観念上の対立以外に、嘲笑を浴びたような気がしたが、ジナイーダは相手の沈黙を
流眄
(
ながしめ
)
に見て、いよいよ冷静に
語
(
ことば
)
を続ける。
聖アレキセイ寺院の惨劇
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「そうなんだが、あんなに
巧
(
うま
)
くゆくとは思っていなかった。ここで一つ君に頭を下げて置かねばならぬことがあるが……」と彼はちょっと
語
(
ことば
)
を
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
アルカージナ (『ハムレット』のセリフで)おお、ハムレット、もう何も言うてたもるな! そなたの
語
(
ことば
)
で初めて見たこの魂のむさくろしさ。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
パンと葡萄酒をばキリストの肉キリストの血と云ふ
語
(
ことば
)
を思出せば其れ程深い信仰がなくても其處に云ひ難い神祕が生ずる。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
喬介は
茲
(
ここ
)
で
語
(
ことば
)
を切ると、腰を屈めて何か鉄屑の間から拾いあげた。よく見ると鉄屑の油で穢れてはいるが、まだ新しい中味の豊富な広告マッチだ。
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
彼は定期乗車券のことで毎月彼女と親しく
語
(
ことば
)
を交すので、長い間には自然いろいろなことを聞き込んでいるのであった。
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
書を能くするものは筆を撰まずとは
動
(
やゝ
)
もすれば人の言ふところにして、下手の道具詮議とは、まことによく拙きありさまを罵り尽したる
語
(
ことば
)
にはあれど
鼠頭魚釣り
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
さうしてまた隊のなかの獨逸話の分からない人びとも、突然、それが分かるやうになり、一つびとつの
語
(
ことば
)
を感じた。「
夕
(
アーベント
)
」……「
小さかつたとき
(
クライン・ヴアル
)
……」
旗手クリストフ・リルケ抄
(旧字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
一時劇しい興奮の状態にあった頭が、少しずつ
鎮
(
しず
)
まって来ると、先生は時々近親の人たちと
語
(
ことば
)
を交しなどした。その調子は
常時
(
いつも
)
と大した変りはなかった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
◯論理整然たるビルダデの攻撃に会してヨブ答うるに
語
(
ことば
)
なく、その
悲寥
(
ひりょう
)
は絶頂に達して、
遂
(
つい
)
に友の
憐
(
あわれ
)
みを乞うに至る。これ十九章一節—二十二節である。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
アンガスと呼ばれるその青年は
珈琲
(
コーヒー
)
を飲みほして、やさしげな
眼光
(
まなざし
)
をしながら根気よく女の顔を見据えていた。女は口元でちょっと笑ってまた
語
(
ことば
)
をついだ。
見えざる人
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
この
語
(
ことば
)
は色々な意味で富之助に
甚
(
はなはだ
)
しい恐怖を與へた。どぎまぎしながら、善くも考へないで富之助が答へた。
少年の死
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
トラピスト(“Trappists”)といふ
語
(
ことば
)
は一つの修道会の名になつてゐる。元は仏蘭西のトラツプといふ地名から来た名だ。本修道院は仏蘭西にある。
トラピスト天使園の童貞
(新字旧仮名)
/
三木露風
(著)
わしは夜よりも暗く、夜よりも更に
語
(
ことば
)
なく、傍に立つて、ぢつと彼のする事を見戍つた。其間に彼は其凄惨な労働に腰をかゞめて、汗にぬれながら喘いでゐる。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
善吉は吉里からこの
語
(
ことば
)
を聞こうとは思いがけぬので、返辞もし得ないで、ただ見つめているのみである。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
これらの人をつらねて、
五〇
貨殖伝
(
くわしよくでん
)
を
書
(
しる
)
し侍るを、其のいふ所
陋
(
いや
)
しとて、のちの
博士
(
はかせ
)
筆を競うて
謗
(
そし
)
るは、ふかく
頴
(
さと
)
らざる人の
語
(
ことば
)
なり。
五一
恒
(
つね
)
の
産
(
なりはひ
)
なきは恒の心なし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
英語で人を招く意味にカムという一語を覚えれば文章に書く時でも手紙を書く時でもやはりその
語
(
ことば
)
を使えるけれども我邦では手紙にコイコイともおいでとも書けない。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
せめて石さえ存在すれば「誰か」の「何か」であるぐらいな手繰りにはなる、人の唇より
酬
(
むく
)
われた
語
(
ことば
)
に曰く、「こんな邪魔なもの
抛
(
ほう
)
り出せ」これで一切の結末がついた
梓川の上流
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
『そうです』クリラス・メルジイはしばし
面
(
おもて
)
を両手に伏せて暗然としていたが、また
語
(
ことば
)
を続けて
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
元々、東洋の法は、
仁
(
じん
)
を本とし、苛烈な罰が目あてではござらぬ。なお、
朱子
(
しゅし
)
の
語
(
ことば
)
にもある。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「良心を!」と、荘田は直ぐ受けたが、問が余りに唐突であつたため暫らくは
語
(
ことば
)
に窮した。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
これは
語
(
ことば
)
の上にもあることで、日本語の「やたらむしょう」などはその一例である、或は「強く厳しく彼を責めた」とか、或は、「優しく角立たぬように説得した」とか云う類は
余が翻訳の標準
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
生児のなお
嬰孩
(
えいがい
)
にして口も利けぬ時にも
能
(
よ
)
く眼に察し、意に迎えて、その欲するところを知り世話を焼く。少しく
語
(
ことば
)
を解し自らも口が利けるようになれば、
御伽話
(
おとぎばなし
)
でもして聴かせる。
現代の婦人に告ぐ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
何卒
(
どうか
)
此の名人を殺したく無いとの考えで取調べると、仔細を白状しませんから、これを幸いに狂人にして命を助けたいと、
語
(
ことば
)
を其の方へ向けて調べるのを、
怜悧
(
りこう
)
な恒太郎が呑込んで
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
用いてそのまゝに
謄写
(
うつ
)
しとりて
草紙
(
そうし
)
となしたるを
見侍
(
みはべ
)
るに
通篇
(
つうへん
)
俚言
(
りげん
)
俗語
(
ぞくご
)
の
語
(
ことば
)
のみを
怪談牡丹灯籠:01 序
(新字新仮名)
/
坪内逍遥
(著)
と漁夫はその
語
(
ことば
)
を聴くやすでに
魂魄
(
こんぱく
)
のあるところをおぼえず、夢のごときものわづかに醒むれば、この時彼が身はもとの浜べに、しかも
恙
(
つつが
)
なく、しかも乗れる舟は朽ちて、——朽ちて
松浦あがた
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
我国で古く屍体を始末することはハフル(葬)と云うていたが、この
語
(
ことば
)
には、二つの意味が含まれていた。即ち第一は
投
(
はふ
)
るの意(投げ棄てる事)で第二は
屠
(
ほふ
)
るの意(截り断つ事)である。
本朝変態葬礼史
(新字新仮名)
/
中山太郎
(著)
“語”の解説
語(ご)、単語(たんご)とは、一つ以上の形態素から構成される、言語の構成単位の一つである。語が集まることで句、節、文が作られる。語の先頭を語頭(ごとう)、末尾を語末(ごまつ)、その中間を語中(ごちゅう)という。
(出典:Wikipedia)
語
常用漢字
小2
部首:⾔
14画
“語”を含む語句
私語
物語
言語
囈語
耳語
語調
語彙
譫語
独語
標語
当麻語部
昔語
細語
一語
語部
獨語
語合
歓語
世語
密語
...