がた)” の例文
くらかねるも二君に仕へぬ我魂魄わがたましひ武士の本意と思へどもにあぢきなき浮世うきよかなと一人涙を流したるとはがたりの心の中思ひやられてあはれなり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ならんだぜんは、土地とち由緒ゆゐしよと、奧行おくゆきをものがたる。突張つツぱるとはづれさうなたなから飛出とびだした道具だうぐでない。くらからあらはれたうつはらしい。御馳走ごちそうは——
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と深いわけもわからぬくせに、卜斎ぼくさいわずがたりにつぶやくのへ、蛾次郎がじろう、いちいちあいづちをうって、じぶんもうでぐみのまねをしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主人あるじ里地さとちの事をもよく知りてはなしわかおきなゆゑ所の風俗ふうぞくをたづねしに、そのものがたりたるあらましをこゝにしるす。
わたくしのようなあの住人じゅうにん食物しょくもつ衣類いるいなどにつきてとおとおむかしおもがたりをいたすのはなにやらお門違かどちがいをしているようで、何分なにぶんにも興味きょうみらないでこまってしまいます……。
相手かまわず問わずがたりの勢込いきおいこんでまくしかけ、「如何いかに兄がほんが読めるからって、村会議員そんかいぎいんだからって、信者だって、に二つは無いからね、わたしは云ってやりましたのサ」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
門づけのみふしがたりがいうことに
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
むかしがたりにふけりやれ。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
立ち退のき候て何國のはてにても永く夫婦と相成申したくと夫のみ此世の願ひといのり居り※どうぞ/\御目おめもじのうへ山々やま/\御ものがたり申し上ぐべく候
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
みふしがたりのあのいとわいな。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
進みあつぱれなる山内先生の御眼力がんりき恐入たり左樣にほしさして仰らるゝ上はつゝかくすにえきなし此上は有體ありていに申べし實に斯樣かやうなりと大望たいまうを企てし一始終しじうおちなく物がたり此上は何卒なにとぞ先生の知略ちりやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)