コトバ)” の例文
若鮎は、領布をおこさむ為のコトバ、新しく造られた枕詞である。ところが、唯単に領布をおこすばかりで満足せず、その感じを終までも続けて居る。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
だから言ひ方も、感じ方も、ソノうえ、コトバ其ものさへ、郎女の語が、そつくり寺の所化輩シヨケハイには、通じよう筈がなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此は節分の夜、豆を撒いて唱えるコトバなのです。此日、村や町々の家々へ、鬼が入り込もうとするものと信じて居ました。それに対して、豆を打ちつけて追うのだと言います。
鬼を追い払う夜 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
大貴族の郎女は、人のコトバを疑ふことは教へられて居なかつた。それに、信じなければならぬもの、とせられて居た語部の物語りである。詞の端々までも、真実を感じて、聴いて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ヨミガヘつたコトバが、彼の人の記憶を、更に弾力あるものに、響き返した。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
聲でないコトバが、何時までも續いてゐる。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
聲でないコトバが、何時までも續いてゐる。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)