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さしひ
……
實は、
一寸下りて
蕎麥にしたい
處だが、かけ
一枚なんぞは
刹那主義だ、
泡沫夢幻、つるりと
消える。
俥代を
差引くと
其いづれかを
選ばねばならない
懷だから、
其處で
餡氣で。
それと
一つには
我慢して
仕事に
出れば
碌には
働けなくても一
日の
勤めを
果したことに
成るけれども、
丸で
休んで
畢へば
其の
日だけの
割當勘定が
給金から
差引かれなければ
成らぬので
彼はそれを
畏れた。