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満干
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みちひ
ふりがな文庫
“
満干
(
みちひ
)” の例文
旧字:
滿干
といって潮の
満干
(
みちひ
)
を全く感じない上流の川の水は、言わばエメラルドの色のように、あまりに軽く、余りに薄っぺらに光りすぎる。
大川の水
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
外界の刺激に応じて過敏なまでに
満干
(
みちひ
)
のできる葉子の感情は今まで浸っていた痛烈な動乱から
一皮
(
ひとかわ
)
一皮平調に
還
(
かえ
)
って、果てはその底に
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「遠くなり近くなるみの浜千鳥、
啼
(
な
)
く音に潮の
満干
(
みちひ
)
をぞ知る……といったものです。お聞きなさい、今は全く音調が変りました」
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
けれども
先刻
(
さっき
)
からお延の腹の中にどんな
潮
(
うしお
)
の
満干
(
みちひ
)
があったか、そこにまるで気のつかずにいた叔父は、平生の細心にも似ず、全く無邪気であった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
晃、晃と
呆
(
あき
)
れた
奴
(
やつ
)
めが。これ、
潮
(
うしお
)
の
満干
(
みちひ
)
、月の数……今日の今夜の
丑満
(
うしみつ
)
は過されぬ。立ちましょう、立ちましょう。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「この頃の、潮の
満干
(
みちひ
)
は、どういう時刻になっておろうか。今朝は、
引潮時
(
ひきしおどき
)
でござるか、
上
(
あ
)
げ
潮時
(
しおどき
)
でござろうか」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
風速
(
かざはや
)
の三
保
(
ほ
)
の
浦廻
(
うらみ
)
、貝島のこの高殿は、
天
(
あめ
)
なるや不二をふりさけ、清見潟
満干
(
みちひ
)
の潮に、朝日さし夕日照りそふ。
篁
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
一体、海の面はどこでも一昼夜に二度ずつ上がり下がりをするもので、それを潮の
満干
(
みちひ
)
と云います。
瀬戸内海の潮と潮流
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「潮の
満干
(
みちひ
)
を司るのはあの月だとすれば……」——毎日こういう。さて
徐
(
おもむ
)
ろに空を見上げて、まだ出ない月を探す。そして、そのへんと思うあたり、
微笑
(
ほほえみ
)
を月におくる。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
汐の
満干
(
みちひ
)
に大川の
偏奇館吟草
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
けれども長女の生れる時には、こういう痛みが、潮の
満干
(
みちひ
)
のように、何度も来たり去ったりしたように思えた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
潮の
満干
(
みちひ
)
は、太郎左衛門には、店の商売上と、直接の関係があるので、問われると、言下に
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僕が鎌倉で暮した二日の間に、こういう
潮
(
しお
)
の
満干
(
みちひ
)
はすでに二三度あった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こういってしまえば大変簡単に聞こえますが、そうした心の経過には、
潮
(
しお
)
の
満干
(
みちひ
)
と同じように、色々の
高低
(
たかびく
)
があったのです。私はKの動かない様子を見て、それにさまざまの意味を付け加えました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“満干”の意味
《名詞》
満潮と干潮、潮の満ち引き。干満。
(出典:Wiktionary)
満
常用漢字
小4
部首:⽔
12画
干
常用漢字
小6
部首:⼲
3画
“満”で始まる語句
満
満更
満足
満腔
満洲
満々
満潮
満天星
満目
満山