しほ)” の例文
つぐる鐘耳元に響き渡り寒風かんぷう肌膚はだへさすが如く一しほ待遠まちどほく思ふに就我家の事を氣遣きづかもし母樣が御目を覺され此身の居らぬを尋ねはし給はぬか然共折角せつかく是迄來りしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
折らせるが、さがし出せるものなら、何とかして無事な顏が見たい。子供は多勢あるが、あれは總領で、生れて直ぐ母親に死別れただけに不愍ふびんも一としほだ、——金づくで濟むことなら、——
以てもらうけし半四郎ゆゑ己れが實子の如くにあいし半四郎もまたよく孝養かうやうを盡しけるが其中無刀流の劔術を一しほ心を盡して教授けうじゆなすに元より神妙しんめうを得たる半四郎なれば上達する事一を聞き十を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ことに若君樣の思召おぼしめしは一としほぢや。
明れば享保九年正月三日竹本政太夫たけもとまさだいふの方にては例年の通り淨瑠璃じやうるりかたそめなりとて門弟もんてい中打集まり一しほ賑々にぎ/\しくひと出入でいりも多かりける其頃西の丸の老中安藤對馬守殿あんどうつしまのかみどのの家來に味岡あぢをか勇右衞門と云ふひとありしが政太夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)