しほ)” の例文
屹度上手なのだらうとは誰も思ふ事だが、ういふものか、菊五郎は滅多に獲物をげて帰らない。きにはいそ/\勇んでゐるがかへりにはすご/\しほれてゐる場合が多い。
何処どこぞで白桃しろもゝはなながれるのを御覧ごらんになつたら、わたしからだ谷川たにがはしづんで、ちぎれ/\になつたことゝおもへ、といつて、しほれながら、なほ親切しんせつに、みちたゞ谷川たにがはながれ沿ふてきさへすれば
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)