“悄気返”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょげかえ66.7%
しよげかへ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
半刻ばかりの後、八丁堀組屋敷で、与力よりき笹野新三郎の前に銭形の平次ともあろう者が、すっかり悄気返しょげかえって坐っておりました。
喧嘩ならば頼まれないでも、弥次に飛び出して拳を振り廻す連中が、大名の行列と気がついて、悄気返しょげかえって逃げ出しました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
のみならず兄も意地悪さうに、わたしの顔をにらめて居ります。わたしはすつかり悄気返しよげかへつた儘、そつと又奥へ帰つて来ました。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
予はそれを聞くとひとしく口をつぐみて悄気返しよげかへれば、春雨しゆんうあたかも窓外に囁き至る、瀟々せう/\の音に和し、長吁ちようう短歎たんたん絶えてまた続く、婦人の泣音きふおんあやしむに堪へたり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)