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機会
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しほ
ふりがな文庫
“
機会
(
しほ
)” の例文
旧字:
機會
渠は心が頻りに
苛々
(
いらいら
)
してるけれど、竹山の存外平気な物言ひに、取つて掛る
機会
(
しほ
)
がないのだ。一分許り話は断えた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
御下問になりだしたのを
機会
(
しほ
)
に、そつと後ろへ
下
(
さが
)
つたワクーラは、
衣嚢
(
かくし
)
へ口を寄せて小声で、⦅少しも早くここから連れ出してくれ!⦆と言つた、その途端に彼はもう
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
拳を
空
(
くう
)
にふるうて居つたが、その外の「いるまん」衆も、いろいろととりないたれば、それを
機会
(
しほ
)
に手を
束
(
つか
)
ねて、嵐も吹き出でようず空の如く、
凄
(
すさま
)
じく顔を曇らせながら
奉教人の死
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
人の揃はぬその内から、お義理立には及ぶまい。ここといふのは、一時か、二時の間でござんせう。それを
機会
(
しほ
)
に、横道へ、外れぬお心極まつたなら、六時過ぎから、御越と。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
此時三四郎の前に寐てゐた男が「うん、成程」と云つた。それでゐて慥かに寐てゐる。
独言
(
ひとりごと
)
でも何でもない。
髭
(
ひげ
)
のある人は三四郎を見てにや/\と笑つた。三四郎はそれを
機会
(
しほ
)
に
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
何と人が思つても自分は
村外
(
むらはづれ
)
にされつ切りになつては居られない。これがいゝ
機会
(
しほ
)
になつて、親様へ出入が出来るやうにもならう。これから先、人から別物扱にされないやうにならう。
夜烏
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
それは父を
傷
(
きずつ
)
けた種牛が上田の
屠牛場
(
とぎうば
)
へ送られる朝のこと。叔父も、丑松も其立会として出掛ける筈になつて居たので。昨夜の丑松の決心——あれを実行するには
是上
(
このうへ
)
も無い好い
機会
(
しほ
)
。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「何んやいな、今時分に大けな声して。……兎も角
明日
(
あした
)
のことにしたらえゝ。」と、お梶が
寝衣
(
ねまき
)
姿で寒さうに出て来たのを
機会
(
しほ
)
に、二人の雇人は、別れ/\に各の寝床へ逃げ込んで行つた。
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ある時には、その不思議を知りたいと言ふので、その町の唯一の大学生——心理学研究の大学生が、正月の休暇に帰省してゐるのを好い
機会
(
しほ
)
に、ある人達と共に慈海のゐる寺へと出かけて行つた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
もともと進まぬお外出ゆゑ、これを
機会
(
しほ
)
のお帰りか。それとも外に子細があらば、なほさら、無理にといふでもなし。どの道、
危険
(
あぶな
)
げ無い事ならと。念を押したる分れ道。見返りがちにゆく影を。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
お袖は口虎を逃れし心地、これを
機会
(
しほ
)
に父の辺りへ走り行けり。
小むすめ
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
“機会”の意味
《名詞》
機 会(きかい)
何かをするのに丁度よいとき。
(出典:Wiktionary)
機
常用漢字
小4
部首:⽊
16画
会
常用漢字
小2
部首:⼈
6画
“機会”で始まる語句
機会主義者
機会的な作品