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萎
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しほ
ふりがな文庫
“
萎
(
しほ
)” の例文
まして、畑と云ふ畑は、麻でも黍でも、皆、土いきれにぐつたりと頭をさげて、何一つ、青いなりに、
萎
(
しほ
)
れてゐないものはない。
酒虫
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何
(
なん
)
ぞほかに新しい花を召しますのなら、どうか名を
仰有
(
おつしや
)
つて下さいまし、女の胸の上、戀人の床の上に
萎
(
しほ
)
れる花の名はみんな存じてをりますから。
わるい花
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
聟よりの言伝とて何一言の口上もなく、無理に笑顔は作りながら底に
萎
(
しほ
)
れし処のあるは何か子細のなくては叶はず、
父親
(
てておや
)
は机の上の置時計を眺めて
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それは
餘
(
あま
)
りに
見
(
み
)
え
透
(
す
)
いた
仕事
(
しごと
)
なので
有繋
(
さすが
)
に
分別盛
(
ふんべつざかり
)
の
主人
(
しゆじん
)
は
出
(
で
)
なかつた。
内儀
(
かみ
)
さんが
出
(
で
)
た。
勘次
(
かんじ
)
は
益
(
ます/\
)
萎
(
しほ
)
れた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
萎
(
しほ
)
れきつて暮した自分たちを、
新
(
あらた
)
に思ひ出させるあの怨み深い父! あの無気味な男が、あのいやなおやぢが、これから「父の王座」に坐つて、自分たちを叱つたりするのか?
父の帰宅
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
▼ もっと見る
祇園精舍の鐘われがねならば、聞くものこれを
厭
(
いと
)
はしとし、われ
鐘
(
がね
)
ならずば
好
(
この
)
ましとせむ。沙羅雙樹の花
萎
(
しほ
)
ればなならば、見る人これより去り、しほれ花ならずばこれに就かむ。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
食物
(
しよくもつ
)
は
春
(
はる
)
、
樹木
(
じゆもく
)
の
若芽
(
わかめ
)
が
出
(
で
)
ると
好
(
この
)
んで
食
(
た
)
べ、また
汁
(
しる
)
の
多
(
おほ
)
い
草
(
くさ
)
も
食
(
た
)
べますが、
夏
(
なつ
)
になつて
草木
(
くさき
)
が
生長
(
せいちよう
)
すると
穀物
(
こくもつ
)
やそば
等
(
など
)
を
食
(
た
)
べ、
寒
(
さむ
)
くなつて
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
や
草
(
くさ
)
が
萎
(
しほ
)
れると
森林内
(
しんりんない
)
でぶな、かし
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
芭蕉の葉は既に
萎
(
しほ
)
れた。
晩秋の頃
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
陋
(
さも
)
しく或は軽浮であらうとも俺にはまた却てその無邪気と痴態とが
萎
(
しほ
)
らしくも亦
憫
(
いぢ
)
らしく思はれたのだつた……そればかりか俺も亦釣られて栗鼠のやうに飛びあるいた……而して
遂
(
おしま
)
ひには二人とも監獄に堕ちて了つた……兎に角……と又右の眼が
熟
(
ぢつ
)
と
霊魂
(
たましひ
)
に喰ひ入るやうに覗き込む……
汝達
(
おまへたち
)
はあまりに夢想家だつた
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
貴君
(
あなた
)
お聞遊しましたかと
良人
(
をつと
)
に向ひて
忌
(
いま
)
はし気にいひける、娘は俄に
萎
(
しほ
)
れかへりし
面
(
おもて
)
に生々とせし色を見せて、あのそれ
一昨年
(
をととし
)
のお花見の時ねと言ひ
出
(
いだ
)
す
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何ゑと受けて聞けば学校の庭は奇麗でしたねへとて面しろさうに笑ふ、あの時
貴君
(
あなた
)
が下すつた花をね、私は今も本の間へ入れてありまする、奇麗な花でしたけれどももう
萎
(
しほ
)
れてしまひました
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
吉ちやんお前にももう
逢
(
あ
)
はれなくなるねえ、とて唯いふ
言
(
こと
)
ながら
萎
(
しほ
)
れて聞ゆれば、どんな出世に成るのか知らぬが其処へ行くのは
廃
(
よ
)
したが
宜
(
よか
)
らう、何もお前女口一つ針仕事で通せない事もなからう
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
稀
(
まれ
)
に
逢
(
あ
)
ひたる
嬉
(
うれ
)
しさに
左
(
さ
)
のみは
心
(
こゝろ
)
も付かざりしが、
聟
(
むこ
)
よりの
言傳
(
ことづて
)
とて
何
(
なに
)
一
言
(
こと
)
の
口上
(
こうじよう
)
もなく、
無理
(
むり
)
に
笑顏
(
ゑがほ
)
は
作
(
つく
)
りながら
底
(
そこ
)
に
萎
(
しほ
)
れし
處
(
ところ
)
のあるは
何
(
なに
)
か
子細
(
しさい
)
のなくては
叶
(
かな
)
はず、
父親
(
てゝおや
)
は
机
(
つくえ
)
の
上
(
うへ
)
の
置時計
(
おきどけい
)
を
眺
(
なが
)
めて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
萎
常用漢字
中学
部首:⾋
11画
“萎”を含む語句
萎縮
萎靡
萎々
打萎
足萎
萎氣
濡萎
萎微
萎気
気萎
萎枯
萎縮腎
凋萎
萎黄病
萎靡凋落
萎靡因循
萎靡振
身萎
萎靡沈滞
萎靡沈衰
...