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『晩秋の頃』
ふりがな文庫
『
晩秋の頃
(
ばんしゅうのころ
)
』
秋は深くなつた。落葉ががら/\と家の周囲を廻つて通る。朝から障子に日が当つて、雀がチヤ/\と鳴いて居る。芭蕉の葉は既に萎れた。 栗の実を拾ひに、競つて朝早く子供等の起きたのはつい此間であつたが、今は落葉が深く積つて、それを掃く音が高く聞える …
著者
田山録弥
著者
田山花袋
初出
「文章世界 第四巻第十五号」1909(明治42)年11月15日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約3分(500文字/分)
朗読目安時間
約5分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
邂逅
(
めぐりあは
)
萎
(
しほ
)
垣
(
かきね
)
家
(
や
)
垣
(
がき
)
彼処
(
あすこ
)
瓦斯
(
がす
)
銀杏
(
いてふ
)
側
(
そば
)
定
(
き
)
欅
(
けやき
)
焼火
(
たきび
)
田畝
(
たんぼ
)
肥
(
ふと
)
貞
(
てい
)
靡
(
なび
)