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潮
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しほ
ふりがな文庫
“
潮
(
しほ
)” の例文
潮
(
しほ
)
の引く時
泥土
(
でいど
)
は目のとゞく限り引続いて、岸近くには古下駄に炭俵、さては皿小鉢や椀のかけらに船虫のうようよと
這寄
(
はひよ
)
るばかり。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
僕の
胃袋
(
ゐぶくろ
)
は
鯨
(
くぢら
)
です。コロムブスの見かけたと云ふ鯨です。時々
潮
(
しほ
)
も吐きかねません。
吼
(
ほ
)
える声を聞くのには飽き飽きしました。
囈語
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
和歌
(
わか
)
の
浦
(
うら
)
に
潮
(
しほ
)
がさして
來
(
く
)
ると、
遠淺
(
とほあさ
)
の
海
(
うみ
)
の
干潟
(
ひがた
)
がなくなるために、ずっと
海岸
(
かいがん
)
近
(
ちか
)
くに
葦
(
あし
)
の
生
(
は
)
えてゐるところをめがけて、
鶴
(
つる
)
が
鳴
(
な
)
いて
渡
(
わた
)
つて
來
(
く
)
る。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
あなたは、凡ゆる人生があなたの青春を此處まで運んで來たやうな靜かな
揚
(
あ
)
げ
潮
(
しほ
)
に乘つて過ぎてゆくものと思ふでせうね。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
水底
(
みづそこ
)
の
其
(
そ
)
の
缺擂鉢
(
かけすりばち
)
、
塵芥
(
ちりあくた
)
、
襤褸切
(
ぼろぎれ
)
、
釘
(
くぎ
)
の
折
(
をれ
)
などは
不殘
(
のこらず
)
形
(
かたち
)
を
消
(
け
)
して、
蒼
(
あを
)
い
潮
(
しほ
)
を
滿々
(
まん/\
)
と
湛
(
たゝ
)
へた
溜池
(
ためいけ
)
の
小波
(
さゝなみ
)
の
上
(
うへ
)
なる
家
(
いへ
)
は、
掃除
(
さうぢ
)
をするでもなしに
美
(
うつく
)
しい。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
この冷氣はオホツク海から寒流がくる
潮
(
しほ
)
の加減だと書いてあつたがと、ウロ覺えの新聞知識で天文學者の卵でもあるかのごとく案じ、さういへば
あるとき
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
貫之
(
つらゆき
)
の哥に「
潮
(
しほ
)
のぼる
越
(
こし
)
の
湖
(
みづうみ
)
近
(
ちか
)
ければ
蛤
(
はまぐり
)
もまたゆられ
来
(
き
)
にけり」又
俊成卿
(
としなりきやう
)
に「
恨
(
うらみ
)
てもなにゝかはせんあはでのみ
越
(
こし
)
の
湖
(
みづうみ
)
みるめなければ」又
為兼卿
(
ためかねきやう
)
「
年
(
とし
)
を ...
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
こたびは
潮
(
しほ
)
の
頭
(
はな
)
の事とて忙しきまで追ひかけ追ひかけて魚の鉤に上り来れば、手も眼も及びかぬるばかりなり。
鼠頭魚釣り
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
私はそれを
潮
(
しほ
)
に何気なく後ろへ退き、皆の注視圏外へ出ると一散に寺の境の木立を目がけて走つた。そこにも誰かゞ見てゐるとは思つたが、思ひ切つて用を足した。
父の死
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
潮
(
しほ
)
満
(
み
)
てば
水沫
(
みなわ
)
に
浮
(
うか
)
ぶ
細砂
(
まなご
)
にも
吾
(
われ
)
は
生
(
い
)
けるか
恋
(
こ
)
ひは
死
(
し
)
なずて 〔巻十一・二七三四〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
地震
(
ぢしん
)
の
場合
(
ばあひ
)
に
於
(
おい
)
て
此
(
この
)
引金
(
ひきがね
)
の
働
(
はたら
)
きに
相當
(
そうとう
)
するものとして、
氣壓
(
きあつ
)
、
潮
(
しほ
)
の
干滿
(
かんまん
)
などいろ/\ある。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
潮
(
しほ
)
の様な虫の音も聞えぬ程、賑かな話声が、十一時過ぐるまでも
戸外
(
そと
)
に洩れた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
橄欖
(
オリワ
)
の林に隱顯せる富人の
別業
(
べつげふ
)
の邊よりは
逈
(
はるか
)
に高く、二塔の巓を摩する古城よりは又逈に低く、
一叢
(
ひとむら
)
の雲は山腹に棚引きたり。われ。彼雲の中に
棲
(
す
)
みて、大海の
潮
(
しほ
)
の
漲落
(
みちひ
)
を觀ばや。夫人。さなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
砂利や
潮
(
しほ
)
みづが、ざら、ざら、ざら、ざら流れてゐる
月に吠える:02 月に吠える
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
海恋し
潮
(
しほ
)
の遠鳴りかぞへては少女となりし
父
(
ちゝ
)
母
(
はゝ
)
の家
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
海恋し
潮
(
しほ
)
の遠鳴り数へては少女となりし父母の家
晶子鑑賞
(新字旧仮名)
/
平野万里
(著)
能々
(
よく/\
)
運
(
うん
)
に
叶
(
かな
)
ひし事かな
然
(
され
)
ど二日二夜海上に
漂
(
たゞよ
)
ひし事なれば
身心
(
しんしん
)
勞
(
つか
)
れ
流石
(
さすが
)
の吉兵衞岩の上に
倒
(
たふ
)
れ
伏
(
ふし
)
歎息
(
たんそく
)
の外は無りしが
衣類
(
いるゐ
)
は殘らず
潮
(
しほ
)
に
濡
(
ぬれ
)
惣身
(
そうしん
)
よりは
雫
(
しづく
)
滴
(
したゝ
)
り未だ
初春
(
しよしゆん
)
の事なれば
餘寒
(
よかん
)
は五體に
染渡
(
しみわた
)
り
針
(
はり
)
にて
刺
(
さゝ
)
れる如くなるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
わがゆくかたは、
八百合
(
やはあひ
)
の
潮
(
しほ
)
ざゐどよむ
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
ああ
南
(
みんなみ
)
の
潮
(
しほ
)
黒く、呼べば
應
(
こた
)
へむ波の涯
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
和
(
なご
)
みたる海にも
潮
(
しほ
)
の
滿干
(
みちひ
)
あり
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
夜
(
よる
)
の
潮
(
しほ
)
みちくるときに
蛇の花嫁
(新字旧仮名)
/
大手拓次
(著)
燃えてはめぐる血の
潮
(
しほ
)
の
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
たゞ大
潮
(
しほ
)
の湧くがごと
天地有情
(旧字旧仮名)
/
土井晩翠
(著)
潮
(
しほ
)
の
和
(
なご
)
みぞはかられぬ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
貫之
(
つらゆき
)
の哥に「
潮
(
しほ
)
のぼる
越
(
こし
)
の
湖
(
みづうみ
)
近
(
ちか
)
ければ
蛤
(
はまぐり
)
もまたゆられ
来
(
き
)
にけり」又
俊成卿
(
としなりきやう
)
に「
恨
(
うらみ
)
てもなにゝかはせんあはでのみ
越
(
こし
)
の
湖
(
みづうみ
)
みるめなければ」又
為兼卿
(
ためかねきやう
)
「
年
(
とし
)
を ...
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
潮
(
しほ
)
のさゝない
中川筋
(
なかがはすぢ
)
へ、
夥
(
おびたゞ
)
しい
鯔
(
ぼら
)
が
上
(
あが
)
つたと
言
(
い
)
ふ。……
横濱
(
よこはま
)
では、
町
(
まち
)
の
小溝
(
こみぞ
)
で
鰯
(
いわし
)
が
掬
(
すく
)
へたと
聞
(
き
)
く。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
定めし少女も小生と同様、桜の花や
花崗岩
(
みかげいし
)
や
潮
(
しほ
)
の
滴
(
したた
)
る海藻を
想
(
おも
)
ひ居りしことと存じ候。これは決して
臆測
(
おくそく
)
には
無之
(
これなく
)
、少女の顔を
一瞥
(
いちべつ
)
致し候はば、誰にも
看取
(
かんしゆ
)
出来ることに御座候。
伊東から
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
英虞
(
あご
)
の
浦
(
うら
)
に
船乗
(
ふなの
)
りすらむをとめ
等
(
ら
)
が
珠裳
(
たまも
)
の
裾
(
すそ
)
に
潮
(
しほ
)
満
(
み
)
つらむか 〔巻一・四〇〕 柿本人麿
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
別れの
淵
(
ふち
)
といふ名は、
海
(
うみ
)
の
潮
(
しほ
)
と
川水
(
かはみづ
)
の相逢ふ場所からの名で、古くから遊女歌舞伎たち、ここに船をうかべて宴を催し、「江戸雀」には、納凉の地といひ、舟遊びの船に、波のつづみ
花火と大川端
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
さくらといふところに、
田
(
た
)
の
作
(
つく
)
つてあるところへ、
鶴
(
つる
)
が
鳴
(
な
)
いて
渡
(
わた
)
つて
行
(
ゆ
)
く。その
手前
(
てまへ
)
にあるあゆち
潟
(
がた
)
。そこは
潮
(
しほ
)
が
退
(
ひ
)
いてゐるに
違
(
ちが
)
ひない。それであゝいふふうに、
鶴
(
つる
)
が
鳴
(
な
)
き
渡
(
わた
)
つて
行
(
ゆ
)
くのだ。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
海凪ぎぬ、朝ぼらけ
潮
(
しほ
)
もかなひぬ
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
みち
潮
(
しほ
)
や風も南のさつき川
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
潮
(
しほ
)
のみちひをおぼゆめり
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
溢れたる
潮
(
しほ
)
を、
逆卷
(
さかま
)
きて
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
和
(
なご
)
みは
潮
(
しほ
)
のそれのみか
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
潮
(
しほ
)
の
音
(
ね
)
遠き朝ぼらけ
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
潮
(
しほ
)
かをる北の
浜辺
(
はまべ
)
の
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
潮
(
しほ
)
は
其
(
そ
)
の
時々
(
とき/″\
)
變
(
かは
)
るのであらうが、
祭
(
まつり
)
の
夜
(
よ
)
は、
思出
(
おもひだ
)
しても、
何年
(
なんねん
)
にも、いつも
暗
(
くら
)
いやうに
思
(
おも
)
はれる。
時候
(
じこう
)
が
丁
(
ちやう
)
ど
梅雨
(
つゆ
)
にかゝるから、
雨
(
あめ
)
の
降
(
ふ
)
らない
年
(
とし
)
の、
月
(
つき
)
ある
頃
(
ころ
)
でも、
曇
(
くも
)
るのであらう。
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
熟田津
(
にぎたづ
)
に
船乗
(
ふなの
)
りせむと
月待
(
つきま
)
てば
潮
(
しほ
)
もかなひぬ
今
(
いま
)
は
榜
(
こ
)
ぎ
出
(
い
)
でな 〔巻一・八〕 額田王
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
和歌
(
わか
)
の
浦
(
うら
)
に
潮
(
しほ
)
みち
來
(
く
)
れば、
潟
(
かた
)
をなみ、
葦
(
あし
)
べをさして
鶴
(
たづ
)
鳴
(
な
)
きわたる
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
海凪ぎぬ、朝ぼらけ
潮
(
しほ
)
もかなひぬ
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
潮
(
しほ
)
にひたりて、その
面
(
おもて
)
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
潮
(
しほ
)
の
音
(
ね
)
遠き朝ぼらけ
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
潮
(
しほ
)
のひきたる
煌砂
(
きらゝずな
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
潮
(
しほ
)
ぐもりかな
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
然
(
さ
)
うして
地
(
つち
)
を
見
(
み
)
てからも、
島
(
しま
)
の
周圍
(
まはり
)
に、
底
(
そこ
)
から
生
(
は
)
えて、
幹
(
みき
)
ばかりも五
丈
(
ぢやう
)
、八
丈
(
ぢやう
)
、すく/\と
水
(
みづ
)
から
出
(
で
)
た、
名
(
な
)
も
知
(
し
)
れない
樹
(
き
)
が
邪魔
(
じやま
)
に
成
(
な
)
つて、
船
(
ふね
)
を
着
(
つ
)
ける
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ないで、
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
の
森
(
もり
)
の
間
(
あひだ
)
を、
潮
(
しほ
)
あかりに
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
海凪ぎぬ、朝ぼらけ
潮
(
しほ
)
もかなひぬ
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
大川
(
おほかは
)
がよひさす
潮
(
しほ
)
の
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
海凪ぎぬ、朝ぼらけ
潮
(
しほ
)
もかなひぬ
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
潮
(
しほ
)
熟
(
う
)
みて浸しぬ
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
“潮”の意味
《名詞》
(しお)海の水、 潮汐、 うしお。
(しお)海面の満ち引き。
(しお)物事をする、やめるのに丁度良いとき。しおどき。
(出典:Wiktionary)
潮
常用漢字
小6
部首:⽔
15画
“潮”を含む語句
紅潮
高潮
潮騒
満潮
海潮
血潮
潮水
潮風
干潮
黒潮
潮吹
滿潮
新潮
潮沫
潮干
退潮
上潮
渦潮
風潮
潮漚
...