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襲
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がさ
ふりがな文庫
“
襲
(
がさ
)” の例文
今度は以前のように下絵などの面倒なこともありませんので、師匠の
差図
(
さしず
)
と自分の考案で、童女の方は十か十一位、
桃割
(
ももわれ
)
に結って三枚
襲
(
がさ
)
ね。
幕末維新懐古談:27 引き続き作に苦心したこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
妙子が着ている衣裳と云うのは、実は本家の姉の鶴子が昔婚礼の時に用いた三枚
襲
(
がさ
)
ねの一番下の一と襲ねなのである。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
十二
単衣
(
ひとへ
)
に於ける色
襲
(
がさ
)
ねの美を見るやうに、一枚の切抜きを又一枚の別のいろ紙の上に
貼
(
は
)
りつけ、その色の調和や対照に妙味尽きないものが出来るやうになつた。
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
お島が、これも当夜の世話をしに昼から来ていた髪結に、黒の三枚
襲
(
がさ
)
ねを着せてもらった頃には、王子の父親も古めかしい羽織袴をつけ、扇子などを帯にはさんで、もうやって来ていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
羽二重
(
はぶたえ
)
の千羽鶴、裾模様の振袖三枚
襲
(
がさ
)
ねの、まだシツケの掛かっているのを逆さに着せて、金銀の地紙を織出した糸錦の、これも
仕立卸
(
したておろ
)
しと見える丸帯でグルグルグルと棒巻にしたまま
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
火近うともしたり、「
母屋
(
もや
)
の中柱にそばめる人や我が心懸くる」と、まづ目とめ給へば、こき
綾
(
あや
)
のひとへ
襲
(
がさ
)
ねなめり、なにかあらん上に着て、かしらつき細やかに、小さき人の物げ無き姿ぞしたる……
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それと云ふのが、私は紋附きの羽織がなかつたものだから、その晩の衣裳として偕楽園から頗る上等の羽織袴縞御召の二枚
襲
(
がさ
)
ね等一切を借用してゐた。
青春物語:02 青春物語
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そうして
愈々
(
いよいよ
)
強直してしまった、
艶
(
なま
)
めかしい姿の白坊主をヤットコサと抱き上げて、寝棺の中にソッと落し込んで、三枚
襲
(
がさ
)
ねの振袖と
裲襠
(
うちかけ
)
を逆さに着せて、
糸錦
(
いとにしき
)
の帯で巻立ててやりますと
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
十畳と八畳の結構な二間に、
備後表
(
びんごおもて
)
が青々して、一間半の畳床には
蝦夷菊
(
えぞぎく
)
を盛上げた青磁の壺が据えてある。その向うに
文晁
(
ぶんちょう
)
の滝の大幅。黒ずんだ狩野派の
銀屏風
(
ぎんびょうぶ
)
の前には二枚
襲
(
がさ
)
ねの座布団。脇息。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“襲(襲の色目)”の解説
襲の色目(かさねのいろめ)は、女房装束の袿の重ね(五衣)に用いられた襲色目の一覧。
狩衣の表裏で表す重ねの色目は「色目」を
当時の絹は非常に薄く裏地の色が表によく透けるため、独特の美しい色調が現れる。
一覧の見方は、各小見出しごとに着用時期を、太字が名称を表し、一番上に重ねる衣から順に表(裏)の色を書いて行き最後が単(ひとえ)の色になる。
(出典:Wikipedia)
襲
常用漢字
中学
部首:⾐
22画
“襲”を含む語句
襲撃
襲衣
世襲
踏襲
夜襲
襲來
逆襲
下襲
襲来
一襲
空襲
襲着
因襲
什襲
因襲的
山吹襲
襲重鱗茎
来襲
御襲
熊襲
...