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襲
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つ
ふりがな文庫
“
襲
(
つ
)” の例文
輪王寺宮慈性親王病
革
(
すみやか
)
なるをもて、能久親王職を
襲
(
つ
)
がせ給ふ。
尋
(
つ
)
いで慈性親王薨ぜさせ給ふ。将軍徳川慶喜政権を朝廷に還しまつる。
能久親王年譜
(新字旧仮名)
/
森鴎外
、
森林太郎
(著)
しかもその修養のうちには、自制とか
克己
(
こっき
)
とかいういわゆる漢学者から受け
襲
(
つ
)
いで、
強
(
し
)
いて
己
(
おのれ
)
を
矯
(
た
)
めた
痕迹
(
こんせき
)
がないと云う事を発見した。
長谷川君と余
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
歌比丘尼が直接に懺悔物語を作つたといふことは言へないが、絵解きや其前の形式を
襲
(
つ
)
いだ者が、次第に作つて行つたものと言へるだらう。
お伽草子の一考察
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
そうして
小三治
(
こさんじ
)
を
襲
(
つ
)
がせたいからとここで師匠燕枝承諾のうえで、あらためて禽語楼小さん師匠の門人となり、柳家小三治を名のりました。
初看板
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
自分はお小夜の歓心を買って小法師の跡を
襲
(
つ
)
いだ上、いろいろ小細工をして、先代と甲子太郎までも遠ざけていたことです。
銭形平次捕物控:093 百物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
ラヴィニアーニ住み居たり、
伯爵
(
コンテ
)
グイード、及びその後貴きベルリンチオーネの名を
襲
(
つ
)
げる者皆これより出づ 九七—九九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
中山氏は北海道
樺太
(
からふと
)
地方に事業を起し、今日では樺太屈指の豪商となっている。で、その弟息子に金谷の家の跡を
襲
(
つ
)
がせることになっております。
幕末維新懐古談:44 東雲師の家の跡のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
木下秀吉が明智を亡ぼし、信長の後を
襲
(
つ
)
いで天下を処理した時の
勢
(
いきおい
)
も万人の耳目を
聳動
(
しょうどう
)
したものであった。秀吉は当時こういうことをいい出した。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
元禄
(
げんろく
)
庚午
(
かうご
)
の冬、しきりに
骸骨
(
がいこつ
)
を乞うて
致仕
(
ちし
)
す。はじめ兄の子を
養
(
やしな
)
うて嗣となし、つひにこれを立て以て
封
(
ほう
)
を
襲
(
つ
)
がしむ。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
現時向島の妓街に夢香荘とよぶ連込宿がある。小野湖山の風流を
襲
(
つ
)
ぐ心であるのかどうか、
未
(
いま
)
だ
詳
(
つまびらか
)
にするを得ない。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
真打
(
しんうち
)
になったら自分の名を
襲
(
つ
)
がせてやろうとまで言われるようになったのに、若いとき身を持ち崩した
祟
(
たた
)
りで、悪い病気がとうとう脳にきて、その頃
同棲
(
どうせい
)
していた
三つの挿話
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
日本派の俳人河東碧梧桐氏も一流奇矯の書体で、これまた書名を馳せ、明治の大家一六居士の息たる巌谷小波山人は父翁の衣鉢は
襲
(
つ
)
がぬが、俳人らしい飄逸の書風である。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
きっと父の跡を
襲
(
つ
)
いで酒屋の店の帳場に坐らされて、そこで老いたに違いなかったろうが、父が早くいなくなったのでその後は何んでも自分の思う通りに通って来たのである。
牧野富太郎自叙伝:02 第二部 混混録
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
旗野の主人果てて
後
(
のち
)
、
代
(
よ
)
を
襲
(
つ
)
ぐ子とても無かりければ、やがて
其
(
その
)
家
(
いへ
)
は
断絶
(
たえ
)
にけり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
森田草平
(
もりたそうへい
)
氏の四十八人目と云うのや、
谷崎潤一郎
(
たにざきじゅんいちろう
)
氏の
卍
(
まんじ
)
、川端康成氏の温泉宿、
野上弥生子
(
のがみやえこ
)
氏の燃ゆる薔薇、
里見弴
(
さとみとん
)
氏の大地、
岩藤雪夫
(
いわとうゆきお
)
氏の闘いを
襲
(
つ
)
ぐもの、この七篇の華々しい小説が
文学的自叙伝
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
ルーコンネットはまた我らのここにこの協会を起こすに至りたるはひっきょう有名なるブルンチュリーの遺志を
襲
(
つ
)
ぎたるものにして我ら博士の功労を追謝せずんばあるべからずといえり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
三桓は、代々大夫の職を
襲
(
つ
)
ぎ、孔子の時代には、相むすんで政治をわたくしし、私財を積み、君主を無視し、あるいはこれを追放するほど、専横のかぎりをつくして、国民怨嗟の的になっていた。
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「海老蔵が団十郎を
襲
(
つ
)
ぐのか、それとも団十郎が海老蔵になるのか」
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
自然その職を
襲
(
つ
)
ぐを忌み、怠り勝ちになったものらしい。
賤民概説
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
うら
若
(
わか
)
き
戀情
(
れんじゃう
)
が
其跡
(
そのあと
)
を
襲
(
つ
)
ぐべく
起出
(
おきい
)
づる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
五百の姉安を
娶
(
めと
)
った長尾宗右衛門は、兄の歿した跡を
襲
(
つ
)
いでから、終日
手杯
(
てさかずき
)
を
釈
(
お
)
かず、
塗物問屋
(
ぬりものどいや
)
の帳場は番頭に任せて顧みなかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
村々の部曲の中で、保護者を失つても、自活の出来るのは、主として手職をうけ
襲
(
つ
)
いだ家である。其以外の者のみじめさは、察しるに十分だ。
国文学の発生(第二稿)
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
襲
(
つ
)
ぐ宗次郎だろうが、その宗次郎に疑いをかけるように仕向けたのは、ちょっと見たところ、五左衛門が死んで一番損をするような人間に違いない
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
由緒ある三遊亭圓太の名跡
襲
(
つ
)
いだは、あの代地河岸へ越してすぐ、手っぴどく小言いわれてずらかってしまった、なんとあの弟子の小勇であったのだった。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
此はリニエールとてカールボリ家の誇また譽なり、彼の力を
襲
(
つ
)
ぐものその後かしこよりいでざりき 八八—九〇
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「うん、どうせ家を
襲
(
つ
)
いだって立ん坊、襲がなくったって立ん坊なんだからいっこう構わない」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
既にして弘庵は土浦侯土屋
相模守彦直
(
さがみのかみよしなお
)
の知遇を
蒙
(
こうむ
)
り、その世子寅直のために経書を講じた。天保九年戊戌十二月世子の封を
襲
(
つ
)
ぐに及んで賓師となって土浦に赴き一藩の政務に
与
(
あずか
)
った。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
(おまえも、わしの弟子となって、侍の子に返った
機
(
しお
)
に、祖先の名を
襲
(
つ
)
いだがよい)
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
是
(
かく
)
の如き才を
草莱
(
さうらい
)
に埋めて置かないで、下総守になり
鎮守府
(
ちんじゆふ
)
将軍になりして其父の後を
襲
(
つ
)
がせ、朝廷の為に用を為させた方が、才に任じ能を挙ぐる
所以
(
ゆゑん
)
の道である、それで或は将門を
薦
(
すゝ
)
むる者もあり
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
錦橋は初め京水を以て嗣子となしてゐて、後にこれを廃し、門人村岡善次郎をして家を
襲
(
つ
)
がしめた。京水は分家して町医者となつた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
だから此点から見れば、短歌の匂いを
襲
(
つ
)
いで、而も釈教歌から展開して来たさびを、凡人生活の上に移して基調とした芭蕉の出た
所以
(
ゆえん
)
も、納得がゆく。
歌の円寂する時
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
天才少年的な逸話はないが、一歩一歩のし上げて行って、三十歳前後から世界の大家の班に列し、ダルベーアの衣鉢を
襲
(
つ
)
いだ第一流のヴァチュオーソである。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
あせってくだらなく名を売りたがったり、むやみに昔の大看板の名を
襲
(
つ
)
いでみたとて、世間は案外に甘くなく、そんなことで売り出せるものじゃありません。実力——やっぱり実力です。
初看板
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「それに一は長男だから、どうしても宗近の家を
襲
(
つ
)
がなくっちゃならずね」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
幽林が晩年の通称九蔵を
襲
(
つ
)
ぎ丹羽村の家を継いだ。その生れた年月は詳でない。四男名は茂、後に基祐、字は某。通称次郎右衛門、号を杉井という。その没した年より考うれば寛政六年の生れである。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「父の職をそのまま
襲
(
つ
)
ぐがよい」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
枳園の
後
(
のち
)
はその子養真の長女おこうさんが
襲
(
つ
)
いだ。おこうさんは女流画家で、浅草
永住町
(
ながすみちょう
)
の上田
政次郎
(
まさじろう
)
という人の
許
(
もと
)
に現存している。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
此が其伝統を
襲
(
つ
)
いだ二条流、其から更に連歌の平凡趣味と混淆して悪化して行つた後世の堂上風を導いたのである。
短歌本質成立の時代:万葉集以後の歌風の見わたし
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
少女お六が
誘拐
(
かどわか
)
されるとき、父親の
鎌井重三郎
(
かまいじゅうざぶろう
)
は人手にかかって非業の死を遂げ、家禄は没収、母親はそれを苦に病んで父の後を追い、その後を
襲
(
つ
)
ぐ者もなく、鎌井家は没落
銭形平次捕物控:082 お局お六
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「藤尾、この
家
(
うち
)
と、
私
(
わたし
)
が
父
(
おとっ
)
さんから受け
襲
(
つ
)
いだ財産はみんな御前にやるよ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
襲
(
つ
)
ぐには今更偉過ぎる人か、偉くなさ過ぎる人たちばかり。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
これに依つて職を免じ、遠江国浜松より棚倉へ徙された。水野左近将監忠邦は唐津より来つて其後を
襲
(
つ
)
ぎ、長昌は又忠邦の後を襲いだ。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
此を
襲
(
つ
)
いだ者は、個人の体験を超えて、而も内的事実である様に、詠む事であつた。其あはれを更に、風物現象に絡めて、えんなる仮象を起さうとした。
女房文学から隠者文学へ:後期王朝文学史
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
そのうちの一人は、三國屋の養子民彌といふ良い息子と一緒にされて、いづれは三國屋の身上を
襲
(
つ
)
ぐことになつて居るのですが、そのうちの一人が今朝喉を突いて死んで居たんで
銭形平次捕物控:187 二人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
兄弟が死に絶えた
後
(
あと
)
、自然健三の生家の跡を
襲
(
つ
)
ぐようになった彼は、父が亡くなるのを待って、家屋敷をすぐ売り払ってしまった。それで元からある借金を
済
(
な
)
して、自分は小さな
宅
(
うち
)
へ
這入
(
はい
)
った。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
嘉永元年八月二十九日に、八十歳で歿したのだから、抽斎がこの二世劇神仙の
後
(
のち
)
を
襲
(
つ
)
いで三世劇神仙となったのは、四十四歳の時である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
五代目が田之助或は先輩の岩井半四郎などの芸をよく見ていたのは、尾上家の伝統を正しく
襲
(
つ
)
ぐ者であった。
役者の一生
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
母親はそれを苦に病んで父の後を追ひ、その後を
襲
(
つ
)
ぐ者もなく、鎌井家は
沒落
(
ぼつらく
)
、お六は再び惡者に引戻され、美貌と器用さを重寶がられて、浮ぶ瀬もなく惡事に
沈淪
(
ちんりん
)
して居たのです。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
藉
(
か
)
りて
襲
(
つ
)
ぎ受く
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
福山志料の町医玄益は此寧成か、或は其父かであらう。順成は其後を
襲
(
つ
)
いで表医師となり、文化九年奥医師に進み、文政十一年に歿した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
“襲(襲の色目)”の解説
襲の色目(かさねのいろめ)は、女房装束の袿の重ね(五衣)に用いられた襲色目の一覧。
狩衣の表裏で表す重ねの色目は「色目」を
当時の絹は非常に薄く裏地の色が表によく透けるため、独特の美しい色調が現れる。
一覧の見方は、各小見出しごとに着用時期を、太字が名称を表し、一番上に重ねる衣から順に表(裏)の色を書いて行き最後が単(ひとえ)の色になる。
(出典:Wikipedia)
襲
常用漢字
中学
部首:⾐
22画
“襲”を含む語句
襲撃
襲衣
世襲
踏襲
夜襲
襲來
逆襲
下襲
襲来
一襲
空襲
襲着
因襲
什襲
因襲的
山吹襲
襲重鱗茎
来襲
御襲
熊襲
...