“手杯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こつぷ33.3%
てさかずき33.3%
てさかづき33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三四郎はじつと其横がほを眺めてゐたが、突然手杯こつぷにある葡萄酒を飲み干して、表へ飛び出した。さうして図書館に帰つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
五百の姉安をめとった長尾宗右衛門は、兄の歿した跡をいでから、終日手杯てさかずきかず、塗物問屋ぬりものどいやの帳場は番頭に任せて顧みなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
家にあるに手杯てさかづきかず、客至れば直に前にならべた下物げぶつを撤せしめて、新に殽核かうかくを命じた。そして吾家に冷羮残炙れいかうざんしやを供すべき賤客は無いと云つたさうである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)