“致仕”の読み方と例文
読み方割合
ちし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一時官吏となって岩手県に赴任したが須臾しゅゆにして致仕ちしした。以後今日にいたるまで幾十年、文豹は世の交を避け閑適かんてきの生涯を送っている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
老齢六十五、何十年来藩政をみて、また天下の枢機すうきにも参じ、いま致仕ちしして、かんにあってもなお、かれはしみじみそうかこたずにはいられない。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
村上源氏の久我家から分れた権大納言師重もろしげの子。すでに一度致仕ちししておったが、建武中興の後再び仕えて、従一位に昇り、北畠准后じゅごうといわれた。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)