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襲
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おそ
ふりがな文庫
“
襲
(
おそ
)” の例文
山
(
やま
)
や、
野
(
の
)
や、
谷
(
たに
)
に
食
(
た
)
べるものがなくなってしまうと、
人間
(
にんげん
)
の
村里
(
むさざと
)
を
襲
(
おそ
)
ってきます。そして、
人間
(
にんげん
)
を
食
(
た
)
べたり、
家畜
(
かちく
)
を
取
(
と
)
ったりします。
おおかみと人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし、嵐は海のうえにばかり吹いたのではなくて、ホテルのこの『社交室』も、
今朝
(
けさ
)
から一種の突風のようなものに
襲
(
おそ
)
われていた。
キャラコさん:01 社交室
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
が、他の緑鬼どもは、いつの間にか起き上り、彗星二号艇のそばに立っている、山岸中尉と山岸少年の方へ
襲
(
おそ
)
いかかろうとしている。
宇宙戦隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
先
(
さき
)
つ年、久秀が室町の
御館
(
おやかた
)
を
襲
(
おそ
)
うて、将軍義輝公を
弑逆
(
しいぎゃく
)
し奉った折なども、坂上主膳の働きは、
傍若
(
ぼうじゃく
)
無人な
戦
(
いくさ
)
ぶりと云われております。
剣の四君子:03 林崎甚助
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
爪長
(
つめなが
)
く、
大
(
おほき
)
さは七
尺
(
しやく
)
乃至
(
ないし
)
一
丈
(
じやう
)
二三
尺
(
じやく
)
位
(
ぐら
)
いの
巨鳥
(
きよてう
)
が、
天日
(
てんじつ
)
も
暗
(
くら
)
くなる
迄
(
まで
)
夥
(
おびたゞ
)
しく
群
(
ぐん
)
をなして、
吾
(
わ
)
が
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
を
目懸
(
めが
)
けて、
襲
(
おそ
)
つて
來
(
き
)
たのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
叔父は人間社会の事に大抵通じているせいか、
万
(
よろず
)
に
高
(
たか
)
を
括
(
くく
)
る癖に、こういう自然界の現象に
襲
(
おそ
)
われるとじき驚ろく
性質
(
たち
)
なのである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
村田銃の方へ差し延した左の手が、二三度銃身を
掴
(
つか
)
み損っていた。勝気な瑠璃子の襟元をも、気味の悪い冷たさが、ぞっと
襲
(
おそ
)
って来た。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
彼
(
かれ
)
は
前年
(
ぜんねん
)
寒
(
さむ
)
さが
急
(
きふ
)
に
襲
(
おそ
)
うた
時
(
とき
)
、
種
(
たね
)
蒔
(
ま
)
く
日
(
ひ
)
が
僅
(
わづか
)
に
二日
(
ふつか
)
の
相違
(
さうゐ
)
で
後
(
おく
)
れた
麥
(
むぎ
)
の
意外
(
いぐわい
)
に
收穫
(
しうくわく
)
の
減少
(
げんせう
)
した
苦
(
にが
)
い
經驗
(
けいけん
)
を
忘
(
わす
)
れ
去
(
さ
)
ることが
出來
(
でき
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
本筋の辻斬は、刄物を持たない、町人を
襲
(
おそ
)
ふのさへ耻とされて居ります。まして、女子供を斬る如きは、殺人鬼の
仕業
(
しわざ
)
としか思へません。
銭形平次捕物控:317 女辻斬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この事件は沖縄人と私たちとをとても親密にさせました。今も私たちは沖縄に行きたくてたまらない想いにしばしば
襲
(
おそ
)
われます。
沖縄の思い出
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
峨峰
(
がほう
)
、
嶮山
(
けんざん
)
に
囲
(
かこ
)
まれた
大湖
(
たいこ
)
だから、
時々
(
とき/″\
)
颯
(
さつ
)
と
霧
(
きり
)
が
襲
(
おそ
)
ふと、この
飛
(
と
)
んでるのが、
方角
(
はうがく
)
に
迷
(
まよ
)
ふうちに
羽
(
はね
)
が
弱
(
よわ
)
つて、
水
(
みづ
)
に
落
(
お
)
ちる
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
いてゐた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
幾年間
(
いくねんかん
)
女の
身一人
(
みひとつ
)
で生活と戦つて来たが、今は
生命
(
いのち
)
に
等
(
ひと
)
しい希望の光も
全
(
まつた
)
く消えてしまつたのかと思ふと
実
(
じつ
)
に
堪
(
た
)
へられぬ
悲愁
(
ひしう
)
に
襲
(
おそ
)
はれる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
では男の身の上に、不慮の大変でも
襲
(
おそ
)
って来たのか、——お蓮はこう想像するのが、恐しくもあれば望ましくもあった。………
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あゝ——お志保だ——お志保の
嗚咽
(
すゝりなき
)
だ——斯う思ひ附くと同時に、言ふに言はれぬ
恐怖
(
おそれ
)
と
哀憐
(
あはれみ
)
とが身を
襲
(
おそ
)
ふやうに感ぜられる。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
百人あまりの
匪賊
(
ひぞく
)
でした。風のように
襲
(
おそ
)
ってきました。十人ばかりの者が、銃や剣をさしつけて、馬車をとりまきました。
金の目銀の目
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そらのなかほどへ来て、よだかはまるで鷲が熊を
襲
(
おそ
)
うときするように、ぶるっとからだをゆすって毛をさかだてました。
よだかの星
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
数日後ニネヴェ・アルベラの地方を
襲
(
おそ
)
った
大地震
(
だいじしん
)
の時、博士は、たまたま自家の書庫の中にいた。彼の家は古かったので、
壁
(
かべ
)
が
崩
(
くず
)
れ
書架
(
しょか
)
が
倒
(
たお
)
れた。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
言寄
(
いひよ
)
る
語
(
ことば
)
に
圍
(
かこ
)
まれても、
戀
(
こひ
)
する
眼
(
まなこ
)
に
襲
(
おそ
)
はれても、いっかな
心
(
こゝろ
)
を
動
(
うご
)
かさぬ、
賢人
(
けんじん
)
を
墮落
(
だらく
)
さする
黄金
(
こがね
)
にも
前垂
(
まへだれ
)
をば
擴
(
ひろ
)
げぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
わかい女が幽霊藻の伝説に囚われて、そんな夢に
襲
(
おそ
)
われたというのは、不思議のようで不思議でない。むしろ当り前の事かも知れないと、僕は思った。
水鬼
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それで
唯
(
ただ
)
氣が悶々して、何等の
踏切
(
ふみきり
)
が付かぬ。そして斷えず何か不安に
襲
(
おそ
)
はれて、自分でも苦しみ、他からは
凋
(
しぼ
)
むだ花のやうに見られてゐるのであツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ただ一つ、叔母の家に連れて来られてから間もなく、何ともいえぬ
寂
(
さび
)
しさに
襲
(
おそ
)
われたことのあるのを覚えている。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
命
(
みこと
)
はそのひょうにお
襲
(
おそ
)
われになるといっしょに、ふらふらとお目まいがして、ちょうどものにお
酔
(
よ
)
いになったように、お気分が遠くおなりになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
流転の力汝に迫らず、無常の
権
(
ちから
)
汝を
襲
(
おそ
)
はず。「自由」汝と共にあり、国家汝と
与
(
とも
)
に
樹
(
た
)
てり、何をか
畏
(
おそ
)
れとせむ。
富嶽の詩神を思ふ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
何んと巧みな白々しい彼女のポオカア・フェス!——橋の向うの彼女を知ろうとする激しい欲望が、嵐のように彼を
襲
(
おそ
)
ってきたのは、あの晩からであった。
橋
(新字新仮名)
/
池谷信三郎
(著)
不思議な悲哀感が、私を
襲
(
おそ
)
った。私は、再び吉良兵曹長の方は見ず、
虚
(
うつ
)
ろな
眼
(
まな
)
ざしを卓の上に投げていた。騒ぎはますます激しくなって行くようであった。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
山城守は、
起
(
た
)
ち上った。あけ放してある縁から
雨滴
(
うてき
)
が
躍
(
おど
)
りこんで来て、畳を濡らし、長
駆
(
く
)
して山城守の膝を
襲
(
おそ
)
いそうにするので、かれはあわて出したのだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
なかなか好い気持です。ただ、すこしぼんやりしていると、まだ生れたての小さな
蚋
(
ぶよ
)
が僕の足を
襲
(
おそ
)
ったり、毛虫が僕の
帽子
(
ぼうし
)
に落ちて来たりするので閉口です。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
≪夕刻のロングビイチは
鉛色
(
なまりいろ
)
のヘイズに
覆
(
おお
)
われ、
競艇
(
レギャッタ
)
コオスは夏に似ぬ冷気に
襲
(
おそ
)
われ、一種
凄壮
(
せいそう
)
の気
漲
(
みなぎ
)
る時
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
私に
襲
(
おそ
)
ひかゝつた考へを——形を表はし、見る間に強い確實な可能性を
具
(
そな
)
へて來た考へを、懷かうとする自分を信じなかつた。まして、云ひ表はすことなど。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
すると、参木は煙草を
銜
(
くわ
)
えたまま、突然夢のような悲しさに
襲
(
おそ
)
われた。競子が彼に別れを告げたとき、彼女のように彼を見降ろして行ってしまったからである。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
要
(
よう
)
するに
地震學
(
ぢしんがく
)
進歩
(
しんぽ
)
の
現状
(
げんじよう
)
に
於
(
おい
)
ては、
何時
(
いつ
)
地震
(
ぢしん
)
に
襲
(
おそ
)
はれても
差支
(
さしつか
)
へないように
平常
(
へいじよう
)
の
心懸
(
こゝろが
)
けが
必要
(
ひつよう
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
さて
只今
(
ただいま
)
申上
(
もうしあ
)
げました
不図
(
ふと
)
とした
動機
(
どうき
)
というのは、
或
(
あ
)
る
年
(
とし
)
三浦
(
みうら
)
の
海岸
(
かいがん
)
を
襲
(
おそ
)
った
大海嘯
(
おおつなみ
)
なのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
西の方へ
瞳
(
ひとみ
)
を落すと
鈍
(
にぶ
)
い
焔
(
ほのお
)
が
燻
(
いぶ
)
って来るように、都会の中央から市街の
瓦
(
かわら
)
屋根の
氾濫
(
はんらん
)
が眼を
襲
(
おそ
)
って来る。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ある年の秋
飯豊村
(
いいでむら
)
の者ども萱を苅るとて、岩穴の中より狼の子三匹を見出し、その二つを殺し一つを持ち帰りしに、その日より狼の
飯豊衆
(
いいでし
)
の馬を
襲
(
おそ
)
うことやまず。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「まあ待て。打ち立つてからの順序は、
只
(
たゞ
)
第一段を除いて、すぐに第二段に掛かるまでぢや。」第一段とは朝岡の家を
襲
(
おそ
)
ふことで、第二段とは
北船場
(
きたせんば
)
へ進むことである。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その
平生
(
へいぜい
)
涵養
(
かんよう
)
停蓄
(
ていちく
)
する所の智識と精神とに
因
(
よ
)
るべきは
勿論
(
もちろん
)
なれども、妾らを以てこれを考うれば、むしろ
飢寒
(
きかん
)
困窮
(
こんきゅう
)
のその身を
襲
(
おそ
)
うなく、
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
のその心を痛むるなく
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
署長
(
しょちょう
)
はケンプ
博士
(
はくし
)
からピストルを
借
(
か
)
りて、外にでた。ところが、アダイ署長が
芝生
(
しばふ
)
の上を門に近づいて、中ほどにきたときである。目に見えない
怪物
(
かいぶつ
)
が、署長を
襲
(
おそ
)
った。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
平常の
鍛錬
(
たんれん
)
が成ればたまたま大々的の
煩悶
(
はんもん
)
の
襲
(
おそ
)
い来る時にあたっても解決が
案外
(
あんがい
)
容易
(
ようい
)
に出来る。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
昭和八年三月三日午前二時三十分ごろ、三陸地方はまたもや大津浪の
襲
(
おそ
)
うところとなった。この時にも発光が観察されたと言う情報が相次いで筆者のもとに送られて来た。
地震なまず
(新字新仮名)
/
武者金吉
(著)
がいったん
襲
(
おそ
)
いきたった
睡魔
(
すいま
)
はなかなかしりぞかない、ぐらりぐらりと左右に首を動かしたかと思うと障子に頭をこつんと打った、はっと目をさまして庭へ出て顔を洗った
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
彼は裸のまま、いつの間にか門の方へ廻って、子供たちの群に
襲
(
おそ
)
いかかっていたのである。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
大きなプリマウス種の
雄鶏
(
おんどり
)
が、鶏舎の外で死んで居た。羽毛が
其処
(
そこ
)
此処
(
ここ
)
にちらかって居る。昨夜鶏舎の戸をしめる時
誤
(
あやま
)
って雄鶏をしめ出したので、夜中
鼬
(
いたち
)
に
襲
(
おそ
)
われたのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
N
原
(
はら
)
の
行手
(
ゆくて
)
はまだ
遠
(
とほ
)
かつた。
私
(
わたし
)
が
濡
(
ぬ
)
れしよびれた
中根
(
なかね
)
の
姿
(
すがた
)
を
想像
(
さうぞう
)
して
時時
(
ときどき
)
可笑
(
をか
)
しくなつたり、
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
になつたりした。が、
何時
(
いつ
)
か
私
(
わたし
)
も
襲
(
おそ
)
つてくる
睡魔
(
すゐま
)
を
堪
(
こら
)
へきれなくなつてゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
さまよい出したのは、何かしら不安に
襲
(
おそ
)
われて、堪え難かったからであろうと思います。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
忍辱
(
にんにく
)
の衣も主家興亡の夢に
襲
(
おそ
)
はれては、今にも
掃魔
(
さうま
)
の
堅甲
(
けんかふ
)
となりかねまじき
風情
(
ふぜい
)
なり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
廼
(
すなは
)
ち
關其思
(
くわんきし
)
を
戮
(
りく
)
して
曰
(
いは
)
く、「
胡
(
こ
)
は
(一〇三)
兄弟
(
けいてい
)
の
國
(
くに
)
也
(
なり
)
、
子
(
し
)
之
(
これ
)
を
伐
(
う
)
てと
言
(
い
)
ふは
何
(
なん
)
ぞや」と。
胡君
(
こくん
)
之
(
これ
)
を
聞
(
き
)
いて、
鄭
(
てい
)
を
以
(
もつ
)
て
己
(
おのれ
)
に
親
(
した
)
しむと
爲
(
な
)
して、
鄭
(
てい
)
に
備
(
そな
)
へず。
鄭人
(
ていひと
)
胡
(
こ
)
を
襲
(
おそ
)
うて
之
(
これ
)
を
取
(
と
)
れり。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
なぜそう
辛
(
つら
)
いのか
合点
(
がてん
)
がゆかぬながらも、それでいて、彼女がにわかに
堪
(
た
)
えがたい悲哀の
発作
(
ほっさ
)
に
襲
(
おそ
)
われて、庭へ出てきて、ばったり地面に
倒
(
たお
)
れた
有様
(
ありさま
)
を、まざまざと心に
描
(
えが
)
いていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
何分激しい業務の
余暇
(
よか
)
に
睡眠
(
すいみん
)
時間を
盗
(
ぬす
)
んでは稽古するのであるから次第に寝不足が
溜
(
たま
)
って来て暖い所だとつい
居睡
(
いねむ
)
りが
襲
(
おそ
)
って来るので、秋の末頃から夜な夜なそっと
物干台
(
ものほしだい
)
に出て弾いた。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
私
(
わたくし
)
は
人並
(
ひとなみ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
を
好
(
この
)
みます、
實
(
じつ
)
に、
私
(
わたくし
)
は
恁云
(
かうい
)
ふ
窘逐狂
(
きんちくきやう
)
に
罹
(
かゝ
)
つてゐて、
始終
(
しゞゆう
)
苦
(
くる
)
しい
恐怖
(
おそれ
)
に
襲
(
おそ
)
はれてゐますが、
或時
(
あるとき
)
は
生活
(
せいくわつ
)
の
渇望
(
かつばう
)
に
心
(
こゝろ
)
を
燃
(
も
)
やされるです、
非常
(
ひじやう
)
に
人並
(
ひとなみ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
を
望
(
のぞ
)
みます、
非常
(
ひじやう
)
に
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
一枝は、「オッパイ」という言葉をやっとおぼえた。この愛すべき
唇
(
くちびる
)
が恋愛の嘆きのために
濡
(
ぬ
)
れるころまで私は生きているであろうか。過去の
悪業
(
あくごう
)
への罪の意識は夢にまでも私に
襲
(
おそ
)
いかかる。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
“襲(襲の色目)”の解説
襲の色目(かさねのいろめ)は、女房装束の袿の重ね(五衣)に用いられた襲色目の一覧。
狩衣の表裏で表す重ねの色目は「色目」を
当時の絹は非常に薄く裏地の色が表によく透けるため、独特の美しい色調が現れる。
一覧の見方は、各小見出しごとに着用時期を、太字が名称を表し、一番上に重ねる衣から順に表(裏)の色を書いて行き最後が単(ひとえ)の色になる。
(出典:Wikipedia)
襲
常用漢字
中学
部首:⾐
22画
“襲”を含む語句
襲撃
襲衣
世襲
踏襲
夜襲
襲來
逆襲
下襲
襲来
一襲
空襲
襲着
因襲
什襲
因襲的
山吹襲
襲重鱗茎
来襲
御襲
熊襲
...