“憎態”の読み方と例文
読み方割合
にくてい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と大円房は憎態にくていな嘲笑を泛かべながら下知した。と、ばらばらと立ち上がった柿山伏の門輩どもは、一人の新九郎の手を取り足をすくって玄関口より引き摺りだして
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ちぇっ、『ミーチェンカてば!』だとよ」と彼は、奧さんの金切聲を憎態にくていに眞似ながら、くってかかった、「それも人なかでよ、いけ圖々しいったらありゃしねえ!」
腰には今にも輪のまゝにすつぽりとずり落ちさうな太い黒色のメリンスの兵児帯を憎態にくていに巻きつけ、おまけに棒のやうに貧弱な脚の先きには、武骨な庭下駄を突ツかけてゐたのである。
環魚洞風景 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)