にっく)” の例文
『多年、領主の御庇護ごひごによって、安穏あんのん生業たつきを立てて参ったのに、御恩も忘れ、殿の凶事に際して、すぐ損徳を考え、藩札の取付けにけるなどとはにっくい行為だ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
畢竟ひっきょう村童們さとのこら悪戯いたずらならんと、その矢をくちひ止めつつ、矢の来しかたを打見やれば。こは人間と思ひのほか、おおいなる猿なりければ。にっくき奴めとにらまへしに、そのまま這奴しゃつは逃げせぬ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
にっくい気がする。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
にっく振舞ふるまい
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「うーむにっくい奴——」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
にっくい奴等」
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)