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憎
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に
ふりがな文庫
“
憎
(
に
)” の例文
其樣
(
そん
)
なものに
鼻毛
(
はなげ
)
よまれて
果
(
はて
)
は
跡
(
あと
)
あしの
砂
(
すな
)
の
御用心
(
ごようじん
)
さりとてはお
笑止
(
しようし
)
やなどヽ
憎
(
に
)
くまれ
口
(
ぐち
)
いひちらせど
眞
(
しん
)
の
處
(
ところ
)
は
妬
(
ねた
)
し
妬
(
ねた
)
しの
積
(
つも
)
り
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
隅の方で時折大きく
団扇
(
うちわ
)
を
遣
(
つか
)
う音がする。専務車掌がよろめきながら、荷物を並べた狭い通路を歩き
憎
(
に
)
くそうに通って行った。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
(と云い
憎
(
に
)
く気に)あの、今度館へ参られた女子と、度々人のいない場所でお話しなされておらるるのをお見受け申しました。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
其妾と云う
髪
(
かみ
)
を
乱
(
みだ
)
した女は、都の女等を
憎
(
に
)
くさげに
睨
(
にら
)
んで居た。彼等は先住の出で去るを待って、畑の枯草の上に
憩
(
いこ
)
うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
静かに鬼三郎の云ふ事を聞き給へ、義理の娘が
憎
(
に
)
くさの余り、
生家方
(
さとかた
)
の威光を借りて、かゝる縁談を作り上げ、吾を辱かしめ給ひしに相違あるまじ。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
スルと
憎
(
に
)
くらしいぢやありませんか、道時が
揶揄
(
からかい
)
半分に、
仮令
(
たとへ
)
梅子さんからの御報知は無くとも、松島の口から出たのだから
仕様
(
しやう
)
が
在
(
あ
)
るまい
抔
(
など
)
と言ひますからネ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
いまさら、なんとお
詫
(
わ
)
びも、面目もございませんが、
憎
(
に
)
ッくき
下郎
(
げろう
)
は、お手飼いの
青面獣
(
せいめんじゅう
)
楊志
(
ようし
)
。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僕
(
ぼく
)
は
戀
(
こひ
)
して
居
(
ゐ
)
たのだらうけれども、
夢
(
ゆめ
)
に、
實
(
じつ
)
に
夢
(
ゆめ
)
にもお
絹
(
きぬ
)
をどうしやうといふ
事
(
こと
)
はなかつた、お
絹
(
きぬ
)
も
亦
(
ま
)
た、
僕
(
ぼく
)
を
憎
(
に
)
くからず
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
たらう、
決
(
けつ
)
して
其
(
それ
)
以上
(
いじやう
)
のことは
思
(
おも
)
はなかつたに
違
(
ちが
)
ひない。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
朝日
(
あさひ
)
影
(
かげ
)
窓に
眩
(
まばゆ
)
き頃、ふらふらと
縁前
(
えんさき
)
に出づれば、
憎
(
に
)
くや、
檐端
(
のきば
)
に歌ふ鳥の聲さへ、
己
(
おの
)
が心の迷ひから、『
汝
(
そなた
)
ゆゑ/\』と聞ゆるに、覺えず顏を
反向
(
そむ
)
けて、あゝと
溜息
(
ためいき
)
つけば、驚きて
起
(
た
)
つ
群雀
(
むらすゞめ
)
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「
憎
(
に
)
つくき蝦蟇めが、己れはまだ主殿頭を知らないと見えるな。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
憎
(
に
)
くい町人共、眼に物見せてくれよう」
礫心中
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
憎
(
に
)
つくき僧徒の振舞」と
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
本
(
ほん
)
に
商賣人
(
しようばいにん
)
とて
憎
(
に
)
くらしい
物
(
もの
)
と
次第
(
しだい
)
におもふ
事
(
こと
)
の
多
(
おほ
)
くなれば、いよ/\
寢
(
ね
)
かねて
奧方
(
おくがた
)
は
縮緬
(
ちりめん
)
の
抱卷
(
かいまき
)
打
(
うち
)
はふりて
郡内
(
ぐんない
)
の
蒲團
(
ふとん
)
の
上
(
うへ
)
に
起上
(
おきあが
)
り
給
(
たま
)
ひぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
伊那丸は、なおも
憎
(
に
)
ッくき
賊
(
ぞく
)
を追おうとするふたりを
止
(
と
)
めて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
憎
(
に
)
くしと
思
(
おも
)
へど
流石
(
さすが
)
に
義理
(
ぎり
)
は
愁
(
つ
)
らき
物
(
もの
)
かや、
母親
(
はゝおや
)
かげの
毒舌
(
どくぜつ
)
をかくして
風
(
かぜ
)
引
(
ひ
)
かぬやうに
小抱卷
(
こかいまき
)
何
(
なに
)
くれと
枕
(
まくら
)
まで
宛
(
あて
)
がひて、
明日
(
あす
)
の
支度
(
したく
)
のむしり
田作
(
ごまめ
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
憎
(
に
)
っくい
猿面
(
さるめん
)
、ウーム、一あわふかしてくれねばならぬ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
散々
(
さん/″\
)
のお
民
(
たみ
)
が
異見
(
いけん
)
に
少
(
すこ
)
し
我
(
わ
)
が
非
(
ひ
)
を
知
(
し
)
り
初
(
そめ
)
し
揚句
(
あげく
)
、その
人
(
ひと
)
は
俄
(
にわ
)
かに
別
(
わか
)
れといふ、
幼
(
おさ
)
なき
心
(
こヽろ
)
には
我
(
わ
)
が
失禮
(
ひつれい
)
の
我
(
わが
)
まヽを
憎
(
に
)
くみて
夫故
(
それゆゑ
)
に
遠國
(
ゑんごく
)
へでも
行
(
ゆ
)
かれるやうに
悲
(
かな
)
しく
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
物言
(
ものい
)
へば
頓
(
やが
)
て
爭
(
あらそ
)
ひの
糸口
(
いとくち
)
を
引出
(
ひきいだ
)
し、
泣
(
な
)
いて
恨
(
うら
)
んで
摺
(
す
)
れ/\の
中
(
なか
)
に、さりとも
憎
(
に
)
くからぬ
夫婦
(
めをと
)
は
折
(
おり
)
ふしの
仕
(
し
)
こなし
忘
(
わす
)
れがたく、
貴郎
(
あなた
)
斯
(
か
)
うなされ、
彼
(
あ
)
あなされと
言
(
い
)
へば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御自分
(
ごじぶん
)
はかくし
給
(
たま
)
へども、
他所行着
(
よそゆきぎ
)
のお
袂
(
たも
)
より
縫
(
ぬひ
)
とりべりの
手巾
(
はんけち
)
を
見
(
み
)
つけ
出
(
だ
)
したる
時
(
とき
)
の
憎
(
に
)
くさ、
散々
(
さん/″\
)
といぢめていぢめて、
困
(
いぢ
)
め
拔
(
ぬ
)
いて、
最
(
も
)
う
是
(
こ
)
れからは
決
(
けつ
)
して
行
(
ゆ
)
かぬ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
友達
(
ともだち
)
いやしがりて
萬年町
(
まんねんちやう
)
の
呼名
(
よびな
)
今
(
いま
)
に
殘
(
のこ
)
れども、三五
郎
(
らう
)
といへば
滑稽者
(
おどけもの
)
と
承知
(
しやうち
)
して
憎
(
に
)
くむ
者
(
もの
)
の
無
(
なき
)
きも一
徳
(
とく
)
なりし、
田中屋
(
たなかや
)
は
我
(
わ
)
が
命
(
いのち
)
の
綱
(
つな
)
、
親子
(
おやこ
)
が
蒙
(
かう
)
むる
御恩
(
ごおん
)
すくなからず
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたし
)
は
憎
(
に
)
くかろうと
此子
(
このこ
)
に
免
(
めん
)
じて
置
(
お
)
いて
下
(
くだ
)
され、
謝
(
あやま
)
りますとて
手
(
て
)
を
突
(
つ
)
いて
泣
(
な
)
けども、イヤ
何
(
ど
)
うしても
置
(
お
)
かれぬとて
其後
(
そのご
)
は
物
(
もの
)
言
(
い
)
はず
壁
(
かべ
)
に
向
(
むか
)
ひてお
初
(
はつ
)
が
言葉
(
ことば
)
は
耳
(
みゝ
)
に
入
(
い
)
らぬ
體
(
てい
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いよいよ
胸
(
むね
)
わるく
憎
(
に
)
くらしく
思
(
おも
)
ひ、
然
(
しか
)
るべき
縁
(
えん
)
にもつけず
生殺
(
なまごろ
)
しにして、
他處目
(
よそめ
)
ばかりは
何處
(
どこ
)
までも
我儘
(
わがまヽ
)
らしき
氣隨
(
きずゐ
)
ものに
言
(
い
)
ひ
立
(
た
)
て、
其長
(
そのなが
)
き
舌
(
した
)
に
父君
(
ちヽぎみ
)
をも
卷
(
ま
)
き
込
(
こ
)
みしか
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
文
(
ふみ
)
を
投出
(
なげだ
)
して
嘆息
(
たんそく
)
しけるが、
甚
(
じん
)
之
助
(
すけ
)
に
向
(
むか
)
ひては
猶
(
なほ
)
さら
悲
(
かな
)
しげに、
姉樣
(
ねえさま
)
はあくまで
吾助
(
ごすけ
)
を
憎
(
に
)
くみて、あれほど
御覽
(
ごらん
)
に
入
(
い
)
れし
歌
(
うた
)
に一
度
(
たび
)
のお
返歌
(
へんか
)
もなく、あまつさへ
貴君
(
あなた
)
にまで
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
可愛
(
かわい
)
らしき四つ
計
(
ばかり
)
の、
彼子
(
あれ
)
が
先刻
(
さつき
)
の
人
(
ひと
)
のでござんす、あの
小
(
ちい
)
さな
子心
(
こゞゝろ
)
にもよく/\
憎
(
に
)
くいと
思
(
おも
)
ふと
見
(
み
)
えて
私
(
わたし
)
の
事
(
こと
)
をば
鬼々
(
おに/\
)
といひまする、まあ
其樣
(
そん
)
な
惡者
(
わるもの
)
に
見
(
み
)
えまするかとて
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
返
(
かへ
)
す
團扇
(
うちは
)
に
思
(
おも
)
ひを
寄
(
よ
)
せし
時
(
とき
)
憎
(
に
)
くからず
打笑
(
うちゑ
)
みし
口元
(
くちもと
)
なんど、
只
(
たゞ
)
眼
(
め
)
の
先
(
さき
)
に
沸
(
わ
)
き
來
(
き
)
たりて、
我
(
わ
)
れ
知
(
し
)
らず
沈思瞑目
(
ちんしめいもく
)
することもあり、さるにても
何人
(
なにびと
)
の
住家
(
すまゐ
)
にや、
人品
(
ひとがら
)
の
高尚
(
けだか
)
かりしは
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さりとて
是
(
こ
)
れにも
隨
(
した
)
がひがたきを、
何
(
なに
)
として
何
(
な
)
にとせば
松野
(
まつの
)
が
心
(
こゝろ
)
の
迷
(
まよ
)
ひも
覺
(
さ
)
め、
竹村
(
たけむら
)
の
君
(
きみ
)
へ
我
(
わ
)
が
潔白
(
けつぱく
)
をも
顯
(
あか
)
されん、
何方
(
いづれ
)
にまれ
憎
(
に
)
くき
人
(
ひと
)
一人
(
ひとり
)
あらば、
斯
(
か
)
くまで
胸
(
むね
)
はなやまじを
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
學校
(
がくかう
)
にての
出來
(
でき
)
ぶりといひ
身分
(
みぶん
)
がらの
卑
(
いや
)
しからぬにつけても
然
(
さ
)
る
弱虫
(
よわむし
)
とは
知
(
し
)
る
物
(
もの
)
なく、
龍華寺
(
りうげじ
)
の
藤本
(
ふぢもと
)
は
生煮
(
なまに
)
えの
餠
(
もち
)
のやうに
眞
(
しん
)
があつて
氣
(
き
)
に
成
(
な
)
る
奴
(
やつ
)
と
憎
(
に
)
くがるものも
有
(
あ
)
りけらし。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
面白
(
おもしろ
)
くもない
女郎
(
めらう
)
めと
叱
(
しか
)
りつけられて、
夫
(
そ
)
れはお
前
(
まへ
)
無理
(
むり
)
だ、
邪推
(
じやすい
)
が
過
(
すぎ
)
る、
何
(
なに
)
しにお
前
(
まへ
)
に
當
(
あて
)
つけよう、この
子
(
こ
)
が
餘
(
あんま
)
り
分
(
わか
)
らぬと、お
力
(
りき
)
の
仕方
(
しかた
)
が
憎
(
に
)
くらしさに
思
(
おも
)
ひあまつて
言
(
い
)
つた
事
(
こと
)
を
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
厭
(
いや
)
やな
正太
(
しようた
)
さんだと
憎
(
に
)
くらしげに
言
(
い
)
はれて、
夫
(
そ
)
れならば
歸
(
かへ
)
るよ、お
邪魔
(
じやま
)
さまで
御座
(
ござ
)
いましたとて、
風呂塲
(
ふろば
)
に
加减
(
かげん
)
見
(
み
)
る
母親
(
はゝおや
)
には
挨拶
(
あいさつ
)
もせず、ふいと
立
(
た
)
つて
正太
(
しようた
)
は
庭先
(
にはさき
)
よりかけ
出
(
いだ
)
しぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いとヾしき
思
(
おも
)
ひに
身
(
み
)
を
苦
(
く
)
るしむれど、
吾助
(
ごすけ
)
のことも
忘
(
わす
)
れがたし、
免
(
ゆ
)
るせよ
吾助
(
ごすけ
)
、
夢
(
ゆめ
)
さらさら
憎
(
に
)
くからねばこそ、
戀
(
こひ
)
すまじとて
退
(
の
)
く
身
(
み
)
ぞかし、うつせみの
世
(
よ
)
に
斯
(
か
)
かる
身
(
み
)
の
例
(
ため
)
し
又
(
また
)
ありや
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
虫
(
むし
)
づのはしるほど
嫌
(
い
)
やがる
事
(
こと
)
うたがひなしと
苦笑
(
にがわら
)
ひして
仰
(
おほ
)
せられしが『ある
時
(
とき
)
はありのすさびに
憎
(
に
)
くかりき、
無
(
な
)
くてぞ
人
(
ひと
)
は
戀
(
こひ
)
しかりける』とにも
角
(
かく
)
にも
意地
(
いぢ
)
わるの
世
(
よ
)
や
意地惡
(
いぢわ
)
るの
世
(
よ
)
や。
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
思
(
おも
)
ひ
給
(
たま
)
ふぞとさしのぞかれ
君様
(
きみさま
)
ゆゑと
口元
(
くちもと
)
まで
現
(
うつゝ
)
の
折
(
をり
)
の
心
(
こゝろ
)
ならひにいひも
出
(
い
)
でずしてうつむけば
隠
(
かく
)
し
給
(
たま
)
ふは
隔
(
へだ
)
てがまし
大方
(
おほかた
)
は
見
(
み
)
て
知
(
し
)
りぬ
誰
(
た
)
れゆゑの
恋
(
こひ
)
ぞうら
山
(
やま
)
しと
憎
(
に
)
くや
知
(
し
)
らず
顔
(
がほ
)
のかこち
事
(
ごと
)
余
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
恋
(
こ
)
ふるほどならば
思
(
おも
)
ひに
身
(
み
)
の
痩
(
や
)
せもせじ
御覧
(
ごらん
)
ぜよやとさし
出
(
だ
)
す
手
(
て
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
憎
常用漢字
中学
部首:⼼
14画
“憎”を含む語句
憎悪
生憎
愛憎
可憎
心憎
面憎
憎々
小憎
相憎
憎惡
合憎
憎気
憎體
居憎
憎怨
憎体
小面憎
生憎様
憎態
言憎
...