さか)” の例文
此の山すべて旅人に一夜をかす事なしとかたる。いかがはせん。さすがにも老の身のさかしき山路をしがうへに、事のよしを聞きて大きに心二二みつかれぬ。作之治がいふ。
我里は木曾の谷の、名に負ふ神坂みさかの村の、さかしき里にはあれど、見霽みはらしのよろしき里、美濃の山近江おうみの山、はろばろに見えくる里、恵那えなの山近くそびえて、胆吹山いぶきやま髣髴ほのかにも見ゆ。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
道のゆくてのさかしきに一六なづみて、おもはずも日かたぶきぬ。