さか)” の例文
新字:
本當に、あのさかんな精力せいりよくが肉體的の弱さに征服されたのを見ることは悲しいことであつた。彼は自分の椅子に腰掛けてゐた——靜かに、しかしそれは休息の爲めではなく——明らかに期待して。
四十五六のさかんな年頃ですが、ひどい跛者びつこで蒼白くて、二本差としてモノの役に立ちさうもありませんが、雜俳ざつぱい席畫せきぐわ得手えてで、散らしを描いたり、配り物、刷り物の圖案をしたり、代作、代筆
見んとして見えず何となく氣さかんになりて身に膓胃ある事を忘れたり此山路このやまぢ秋は左こそと青葉をくれなゐに默想し雪はいかにと又萬山を枯し盡して忽ち突兀とつこつ天際に聳ゆるしろがねの山を瞑思すつひに身ある事を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
『兎も角さかんにやらうや。』と楠野君は胸を張る。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
知れよ、なれが兄は命さかんなる日にもなほ且つ
佐藤春夫詩集 (旧字旧仮名) / 佐藤春夫(著)