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忤
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さか
ふりがな文庫
“
忤
(
さか
)” の例文
この時
根津
(
ねづ
)
に
茗荷屋
(
みょうがや
)
という
旅店
(
りょてん
)
があった。その主人
稲垣清蔵
(
いながきせいぞう
)
は
鳥羽
(
とば
)
稲垣家の重臣で、
君
(
きみ
)
を
諌
(
いさ
)
めて
旨
(
むね
)
に
忤
(
さか
)
い、
遁
(
のが
)
れて商人となったのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
一に
曰
(
いは
)
く、
和
(
やはらぎ
)
を以て貴しと
為
(
な
)
し、
忤
(
さか
)
ふこと無きを
宗
(
むね
)
と為せ。人皆
党
(
たむら
)
有り、
亦
(
また
)
達
(
さと
)
れる者少し。
是
(
これ
)
を以て、或は
君父
(
きみかぞ
)
に
順
(
したが
)
はずして
乍
(
ま
)
た
隣里
(
さととなり
)
に
違
(
たが
)
ふ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
そこで
忤
(
さか
)
らわずに付いてゆくと、役人はやがてまた、着物をぬぎ、帽子をぬぐという始末で、山へ登る頃にはほとんど
赤裸
(
あかはだか
)
になってしまいました。
中国怪奇小説集:09 稽神録(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
何
(
ど
)
うでも
可
(
い
)
いわ」と
半分
(
はんぶん
)
夫
(
をつと
)
の
意
(
い
)
に
忤
(
さか
)
らはない
樣
(
やう
)
な
挨拶
(
あいさつ
)
をした。
宗助
(
そうすけ
)
は
折角
(
せつかく
)
連
(
つ
)
れて
來
(
き
)
た
御米
(
およね
)
に
對
(
たい
)
して、
却
(
かへ
)
つて
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な
心
(
こゝろ
)
が
起
(
おこ
)
つた。とう/\
仕舞
(
しまひ
)
迄
(
まで
)
辛抱
(
しんばう
)
して
坐
(
すわ
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
否、おん身に
忤
(
さか
)
ふには似たれど、己れなどはアヌンチヤタを得ば、名譽此上なしとおもへり。されば人も
然
(
しか
)
ならんとおもふなり。そは兎まれ角まれ、アントニオの君、今宵の即興を聞せ給へ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
〔譯〕
寛懷
(
かんくわい
)
俗情
(
ぞくじやう
)
に
忤
(
さか
)
はざるは、
和
(
わ
)
なり。
立脚
(
りつきやく
)
俗情に
墜
(
お
)
ちざるは、
介
(
かい
)
なり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
先生決して汽船にお乗なさるな。若し旨に
忤
(
さか
)
つて職を免ぜられると云ふことになつたら、野に下つて漢医方の興隆をお
謀
(
はかり
)
なさるが宜しいと云つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
然れども
同
(
おなじき
)
異
(
ことなること
)
を別たずして、倶に天皇の
勅
(
みことのり
)
の
随
(
まま
)
に、相
扶
(
たす
)
けて
忤
(
さか
)
ふること無からむ。
若
(
も
)
し今より
以後
(
のち
)
、
此
(
こ
)
の
盟
(
ちかひ
)
の如くならずば、
身命
(
いのち
)
亡
(
ほろ
)
び、
子孫
(
うみのこ
)
絶えむ。忘れじ
失
(
あやま
)
たじ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
しかも彼にとっては苦手の伯母御の意見といい、それに
忤
(
さか
)
らってはよくないという十太夫の
諫言
(
かんげん
)
もあるので、播磨も渋々納得して、申訳ばかりに二人の女子を置くことになった。
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「どうでもいいわ」と半分夫の意に
忤
(
さか
)
らわないような
挨拶
(
あいさつ
)
をした。宗助はせっかく連れて来た御米に対して、かえって気の毒な心が起った。とうとうしまいまで
辛抱
(
しんぼう
)
して坐っていた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
源吾は天保中津軽
信順
(
のぶゆき
)
がいまだ致仕せざる時、側用人を勤めていたが、
旨
(
むね
)
に
忤
(
さか
)
って
永
(
なが
)
の
暇
(
いとま
)
になった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「そんなことかも知れませんよ」と、半七老人は
忤
(
さか
)
らわずにうなずいた。
半七捕物帳:08 帯取りの池
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
登の子四郎右衛門は
物奉行
(
ものぶぎょう
)
を勤めているうちに、寛延三年に旨に
忤
(
さか
)
って知行宅地を没収せられた。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
小野は丹後国にて祖父
今安太郎左衛門
(
いまやすたろざえもん
)
の
代
(
だい
)
に召し出されしものなるが、父田中
甚左衛門
(
じんざえもん
)
御旨
(
おんむね
)
に
忤
(
さか
)
い、江戸御邸より
逐電
(
ちくてん
)
したる時、
御近習
(
ごきんじゅ
)
を勤めいたる伝兵衛に、父を尋ね出して参れ
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
頼
(
よ
)
るべきものがない以上は、古い道徳に
頼
(
よ
)
らなくてはならない、
古
(
むかし
)
に
復
(
かえ
)
るが即ち
醒覚
(
せいかく
)
であると云っている人だから、容貌も道学先生らしく窮屈に出来ていて、それに幾分か世と
忤
(
さか
)
っている
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
忤
漢検1級
部首:⼼
7画
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忤逆
相忤