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坂
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さか
ふりがな文庫
“
坂
(
さか
)” の例文
ちょうどこのとき、
馬
(
うま
)
に
車
(
くるま
)
を
引
(
ひ
)
かせ、
石
(
いし
)
を
積
(
つ
)
んで
坂
(
さか
)
を
上
(
のぼ
)
りかけている
男
(
おとこ
)
を
見
(
み
)
ました。どこからきたものか、
人
(
ひと
)
も
馬
(
うま
)
も
疲
(
つか
)
れていました。
石をのせた車
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
の
煙草屋
(
たばこや
)
にて
北八
(
きたはち
)
嗜
(
たし
)
む
處
(
ところ
)
のパイレートを
購
(
あがな
)
ふ。
勿論
(
もちろん
)
身錢
(
みぜに
)
なり。
此
(
こ
)
の
舶來
(
はくらい
)
煙草
(
たばこ
)
此邊
(
このへん
)
には
未
(
いま
)
だ
之
(
こ
)
れあり。
但
(
たゞ
)
し
濕
(
しめ
)
つて
味
(
あじはひ
)
可
(
か
)
ならず。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
といって、かまわず
臼
(
うす
)
を
坂
(
さか
)
の上からころがしました。
臼
(
うす
)
はころころころがって行きました。
猿
(
さる
)
もいっしょに
追
(
お
)
っかけて行きます。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
坂
(
さか
)
の上の
朝臣
(
あそん
)
のはからいで、
鞍馬
(
くらま
)
の夜叉王のことは、すっかり顔長の長彦にまかせられ、京の大臣の馬は、顔丸の丸彦がもらいうけました。
長彦と丸彦
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
座敷
(
ざしき
)
で
見
(
み
)
ればすぐ
崖
(
がけ
)
の
上
(
うへ
)
だが、
表
(
おもて
)
から
廻
(
まは
)
ると、
通
(
とほ
)
りを
半町
(
はんちやう
)
許
(
ばかり
)
來
(
き
)
て、
坂
(
さか
)
を
上
(
のぼ
)
つて、
又
(
また
)
半町
(
はんちやう
)
程
(
ほど
)
逆
(
ぎやく
)
に
戻
(
もど
)
らなければ、
坂井
(
さかゐ
)
の
門前
(
もんぜん
)
へは
出
(
で
)
られなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
父
(
とう
)
さんがお
家
(
うち
)
の
表
(
おもて
)
に
出
(
で
)
て
遊
(
あそ
)
んで
居
(
を
)
りますと、
何時
(
いつ
)
でも
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
から
降
(
お
)
りて
來
(
き
)
て一
緒
(
しよ
)
に
成
(
な
)
るのは、この三
郎
(
らう
)
さんでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ジョバンニは、
口笛
(
くちぶえ
)
を
吹
(
ふ
)
いているようなさびしい口つきで、
檜
(
ひのき
)
のまっ黒にならんだ町の
坂
(
さか
)
をおりて来たのでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、
海蔵
(
かいぞう
)
さんは
誰
(
だれ
)
でも、とっつかまえていいたい
気持
(
きも
)
ちでした。しかし、そんなことはいわないで、ただにこにこしながら、
町
(
まち
)
の
方
(
ほう
)
へ
坂
(
さか
)
をのぼって
行
(
い
)
きました。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
それから
横手
(
よこて
)
の
坂
(
さか
)
の
方
(
はう
)
へ
掛
(
かゝ
)
つて
見
(
み
)
ると、
有
(
あ
)
るわ/\、
打石斧
(
だせきふ
)
が、
宛然
(
ちやうど
)
、
砂利
(
じやり
)
を
敷
(
し
)
いた
樣
(
やう
)
に
散布
(
さんぷ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
が、高氏は「大事ない、大事ない」としているように、振向きもせず、駒は、
老
(
おい
)
ノ
坂
(
さか
)
へかかっていた。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
皆
(
みんな
)
おつかげばかし
喰
(
く
)
つ
附
(
つ
)
いてたの
引
(
ひ
)
つ
放
(
ぱな
)
して
來
(
く
)
んだから
足
(
あし
)
が
不揃
(
ふぞろ
)
ひだなどうしても、それに
坂
(
さか
)
が
急
(
きふ
)
だつちと
倒旋毛
(
さかさつむじ
)
おつ
立
(
た
)
てる
樣
(
やう
)
だから
畜生
(
ちきしやう
)
なんぼにも
足
(
あし
)
が
出
(
で
)
ねえな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
また
宇陀
(
うだ
)
の
墨坂
(
すみさか
)
八
の神に、赤色の
楯矛
(
たてほこ
)
を祭り
九
、また
大坂
(
おほさか
)
の神
一〇
に、墨色の楯矛を祭り、また
坂
(
さか
)
の
御尾
(
みを
)
の神、
河
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
の神までに、悉に
遺忘
(
おつ
)
ることなく
幣帛
(
ぬさ
)
まつりたまひき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
五月山
(
さつきやま
)
の
木
(
き
)
が一
本
(
ぽん
)
々々
(
/\
)
數
(
かぞ
)
へられるやうになると、
池田
(
いけだ
)
の
町
(
まち
)
は
直
(
す
)
ぐ
長
(
なが
)
い
坂
(
さか
)
の
下
(
した
)
に
見
(
み
)
おろされた。
此處
(
ここ
)
からはもう
多田院
(
ただのゐん
)
へ一
里
(
り
)
、
開帳
(
かいちやう
)
の
賑
(
にぎは
)
ひは、この
小都會
(
せうとくわい
)
をもざわつかしてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ひなぐもり
碓日
(
うすひ
)
の
坂
(
さか
)
を
越
(
こ
)
えしだに
妹
(
いも
)
が
恋
(
こひ
)
しく
忘
(
わす
)
らえぬかも 〔巻二十・四四〇七〕 防人
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
間
(
ま
)
もなく一つの
険
(
けわ
)
しい
坂
(
さか
)
を
登
(
のぼ
)
りつめると、
其処
(
そこ
)
はやや
平坦
(
へいたん
)
な
崖地
(
がけち
)
になっていました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
あそこに
千代
(
ちよ
)
ヶ
坂
(
さか
)
というのがありましてな、
八石平
(
はっこくだいら
)
からあちらは、女は
忌
(
い
)
んで、通ってはならぬことになっているのを、千代という若い女の方が
強
(
し
)
いて通りましたところ、翌日になると
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
僕
(
ぼく
)
は今も
壯
(
そう
)
者に
伍
(
ご
)
していさぎよく
戰
(
たゝか
)
ふ
關根
(
せきね
)
名人の
磊落性
(
らいらくせい
)
を
寧
(
むし
)
ろ
愛敬
(
あいけい
)
し、一方自
負
(
ふ
)
しつつ出でざる
坂
(
さか
)
田三吉八
段
(
だん
)
に或る
憐憫
(
れんみん
)
さへ
感
(
かん
)
じてゐる者だが、
將棋
(
せうき
)
だけは
若
(
わか
)
い者には
勝
(
か
)
てないものらしい。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
其方
(
そなた
)
に
有
(
あ
)
らば
重疊
(
ちようでう
)
の
喜
(
よろこ
)
びなれど
萬一
(
もし
)
いよ/\
出來
(
でき
)
ぬ
物
(
もの
)
ならば、
今
(
いま
)
より
貰
(
もら
)
うて
心
(
こゝろ
)
に
任
(
まか
)
せし
教育
(
きやういく
)
をしたらばと
是
(
こ
)
れを
明
(
あけ
)
くれ
心
(
こゝろ
)
がくれども、
未
(
いま
)
だに
良
(
よ
)
きも
見當
(
みあた
)
らず、
年
(
とし
)
たてば
我
(
わ
)
れも
初老
(
はつおひ
)
の四十の
坂
(
さか
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
七
里
(
り
)
の
途
(
みち
)
はたゞ
山
(
やま
)
ばかり、
坂
(
さか
)
あり、
谷
(
たに
)
あり、
溪流
(
けいりう
)
あり、
淵
(
ふち
)
あり、
瀧
(
たき
)
あり、
村落
(
そんらく
)
あり、
兒童
(
じどう
)
あり、
林
(
はやし
)
あり、
森
(
もり
)
あり、
寄宿舍
(
きしゆくしや
)
の
門
(
もん
)
を
朝早
(
あさはや
)
く
出
(
で
)
て
日
(
ひ
)
の
暮
(
くれ
)
に
家
(
うち
)
に
着
(
つ
)
くまでの
間
(
あひだ
)
、
自分
(
じぶん
)
は
此等
(
これら
)
の
形
(
かたち
)
、
色
(
いろ
)
、
光
(
ひかり
)
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
洗ひ
嗽
(
うがひ
)
などして
暑
(
あつさ
)
を
凌
(
しの
)
ぎ
休
(
やす
)
らひ居たり此處は景色もよく後ろは
須走
(
すはし
)
り前は
山中
(
やまなか
)
の湖水と
打眺
(
うちなが
)
め居る彼方の
坂
(
さか
)
より
行衣
(
ぎやうい
)
に
襷
(
たすき
)
を
懸
(
かけ
)
て
金剛杖
(
こんがうづゑ
)
を突ながら
鈴
(
すゞ
)
の
音
(
ね
)
と
倶
(
とも
)
に來る富士同者あり
渠
(
かれ
)
も此處に休み水を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
なつかしいだらだら
坂
(
さか
)
の
下
(
した
)
の
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
少年
(
しょうねん
)
は
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
に
思
(
おも
)
って、
坂
(
さか
)
を
上
(
のぼ
)
るときに、その
車
(
くるま
)
の
後
(
あと
)
を
押
(
お
)
してやりました。すると
車
(
くるま
)
の
上
(
うえ
)
から、
小
(
ちい
)
さな
石
(
いし
)
ころが一つ
転
(
ころ
)
げ
落
(
お
)
ちました。
石をのせた車
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
跫音
(
あしおと
)
も
聞
(
きこ
)
えぬばかり——
四谷
(
よツや
)
の
通
(
とほ
)
りから
穴
(
あな
)
の
横町
(
よこちやう
)
へ
續
(
つゞ
)
く、
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
から、しよな/\
下
(
お
)
りて
來
(
き
)
て、
擦違
(
すれちが
)
つたと
思
(
おも
)
ふ、と
其
(
そ
)
の
聲
(
こゑ
)
。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
坂
(
さか
)
の
下
(
した
)
に
石橋
(
いしばし
)
がある。渡らなければ真直に理科大学の方へ出る。渡れば
水際
(
みづぎは
)
を
伝
(
つた
)
つて
此方
(
こつち
)
へ来る。
二人
(
ふたり
)
は石橋を渡つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
父
(
とう
)
さんがお
隣
(
となり
)
の
酒屋
(
さかや
)
の
方
(
はう
)
へ
上
(
のぼ
)
つて
行
(
ゆ
)
くにも
坂
(
さか
)
、お
忠
(
ちう
)
婆
(
ばあ
)
さんといふ
人
(
ひと
)
の
住
(
す
)
む
家
(
うち
)
の
方
(
はう
)
へ
降
(
お
)
りて
行
(
ゆ
)
くにも
坂
(
さか
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
蟹
(
かに
)
は
坂
(
さか
)
の上まで行って、
猿
(
さる
)
の
来
(
く
)
るのを
待
(
ま
)
っていますと、
猿
(
さる
)
は大きな
臼
(
うす
)
をころがしながらやって
来
(
き
)
ました。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
十九
日
(
にち
)
、
雨中
(
うちう
)
を、
余
(
よ
)
は
行
(
ゆ
)
つて
見
(
み
)
て、
驚
(
おどろ
)
いた。
今
(
いま
)
までの
貝塚發掘
(
かひづかはつくつ
)
は
臺地
(
だいち
)
東部
(
とうぶ
)
の
坂
(
さか
)
の
上部
(
じやうぶ
)
左側
(
さそく
)
であつたが、
臺地
(
だいち
)
南側
(
なんそく
)
の
下部
(
かぶ
)
、
菱沼鐵五郎
(
ひしぬまてつごらう
)
宅地
(
たくち
)
前
(
まえ
)
の
畑
(
はたけ
)
を、
大發掘
(
だいはつくつ
)
してある。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
京の都の大臣の所から盗んできた馬を、顔丸の丸彦にうばいとられてしまいましたし、その馬のことをよく知っている
坂
(
さか
)
の
上
(
うえ
)
の
朝臣
(
あそん
)
が、
堅田
(
かただ
)
にやって来られるそうでした。
長彦と丸彦
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「ぱか/\ぱか/\となあ
斯
(
か
)
う、廿三
坂
(
さか
)
越
(
こ
)
えて
引
(
ひ
)
く
處
(
とこ
)
だぜ、
畜生
(
ちきしやう
)
あばさけんなえ」と
彼
(
かれ
)
は
更
(
さら
)
に
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
さあ、ではみんなでこいつを
下台
(
しただい
)
の麦ばたけまで
持
(
も
)
って行こう、こっちの
崖
(
がけ
)
はあんまり
急
(
きゅう
)
ですからやっぱり女学校の
裏
(
うら
)
をまわって
楊
(
やなぎ
)
の木のあるとこの
坂
(
さか
)
をおりて行きましょう。
イーハトーボ農学校の春
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
試合場
(
しあいじょう
)
の
城戸
(
きど
)
から、八
町
(
ちょう
)
参道
(
さんどう
)
とよぶ
広
(
ひろ
)
い
平坦
(
へいたん
)
な
坂
(
さか
)
をかけおりてゆくうちに、燕作の
小粒
(
こつぶ
)
なからだはみるみるうちに
追
(
お
)
い
越
(
こ
)
されて、とてもこれは、
比較
(
ひかく
)
にはならないと思われるほど
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
爺
(
じい
)
さんの
方
(
ほう
)
では、
何処
(
どこ
)
に
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
くと
言
(
い
)
った
面持
(
おももち
)
で、
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
きもせず、ずんずん
先
(
さ
)
きへ
立
(
た
)
って
歩
(
あ
)
るき
出
(
だ
)
されましたので、
私
(
わたくし
)
も
黙
(
だま
)
ってその
後
(
あと
)
に
跟
(
つ
)
いてまいりますと、いつしか
道
(
みち
)
が
下
(
くだ
)
り
坂
(
さか
)
になり
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
このあたり、だらだらの
坂
(
さか
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
町
(
まち
)
の
裏
(
うら
)
は、
坂
(
さか
)
になって、
細
(
ほそ
)
い
道
(
みち
)
がつづいていました。
道
(
みち
)
の
両側
(
りょうがわ
)
はやぶになっていましたので、そこに、かえるはすんでいたのであります。
お母さんのひきがえる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
鐵
(
てつ
)
づくりの
門
(
もん
)
の
柱
(
はしら
)
の、やがて
平地
(
へいち
)
と
同
(
おな
)
じに
埋
(
うづ
)
まつた
眞中
(
まんなか
)
を、
犬
(
いぬ
)
は
山
(
やま
)
を
乘
(
の
)
るやうに
入
(
はひ
)
ります。
私
(
わたし
)
は
坂
(
さか
)
を
越
(
こ
)
すやうに
續
(
つゞ
)
きました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
月
(
つき
)
のない
坂
(
さか
)
を
上
(
のぼ
)
つて、
瓦斯燈
(
ガスとう
)
に
照
(
て
)
らされた
砂利
(
じやり
)
を
鳴
(
な
)
らしながら
潛戸
(
くゞりど
)
を
開
(
あ
)
けた
時
(
とき
)
、
彼
(
かれ
)
は
今夜
(
こんや
)
此所
(
こゝ
)
で
安井
(
やすゐ
)
に
落
(
お
)
ち
合
(
あ
)
ふ
樣
(
やう
)
な
萬一
(
まんいち
)
はまづ
起
(
おこ
)
らないだらうと
度胸
(
どきよう
)
を
据
(
す
)
ゑた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
八幡屋
(
やはたや
)
、
和泉屋
(
いづみや
)
、
丸龜屋
(
まるかめや
)
、まだその
他
(
ほか
)
にも
伯父
(
をぢ
)
さんの
挨拶
(
あいさつ
)
に
寄
(
よ
)
つた
家
(
うち
)
は
澤山
(
たくさん
)
ありましたが、その
度
(
たび
)
に
父
(
とう
)
さん
達
(
たち
)
は
坂
(
さか
)
になつた
村
(
むら
)
の
道
(
みち
)
を
峠
(
たうげ
)
の
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
へ
登
(
のぼ
)
つて
行
(
い
)
きました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「つきたての
餅
(
もち
)
が
坂
(
さか
)
をころがるものか。
今
(
いま
)
に
堅
(
かた
)
くなってお
鏡餅
(
かがみもち
)
になったら、ころがしてやろう。」
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
けれどもこれは
必要
(
ひつよう
)
がない。
却
(
かえ
)
って
混雑
(
こんざつ
)
するだけだ。とにかくひどく
坂
(
さか
)
になった。こんな
工合
(
ぐあい
)
で
丁度
(
ちょうど
)
よく
釜淵
(
かまぶち
)
に下りるんだ。遠くで鳥も鳴いているし。下の方で
渓
(
たに
)
がひどく鳴っている。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それについて、顔長の長彦の話を聞かれて、
坂
(
さか
)
の
上
(
うえ
)
の
朝臣
(
あそん
)
が満足されたことは、申すまでもありません。そしてこれから先のことについても、ことごとく、長彦の考えに賛成されました。
長彦と丸彦
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
見物のなかから一本の
紅
(
あか
)
い
杖
(
つえ
)
がスッと
伸
(
の
)
びて、落ちてくる独楽をその
尖端
(
せんたん
)
で受けとめたかと思うと、紅い
棒
(
ぼう
)
を
坂
(
さか
)
にしてたくみに独楽を手もとへすべらせ、ひょいとふところへしまいこんで
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
奧
(
おく
)
の
博勞
(
ばくらう
)
さん
何處
(
どこ
)
で
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けた、廿三
坂
(
さか
)
七つ
目
(
め
)
で」と
愉快
(
ゆくわい
)
な
聲
(
こゑ
)
で
唄
(
うた
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
深大寺
(
じんだいじ
)
の
青渭神社
(
あをなみじんじや
)
前
(
まへ
)
の
坂
(
さか
)
まで
來
(
く
)
ると、
半磨製
(
はんませい
)
の
小石斧
(
せうせきふ
)
を
得
(
え
)
た。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
やがて、リヤカーは、
坂
(
さか
)
を
下
(
くだ
)
ると、
道
(
みち
)
をまがって、
二人
(
ふたり
)
の
少年
(
しょうねん
)
と
犬
(
いぬ
)
を
乗
(
の
)
せながら、
自分
(
じぶん
)
たちの
家
(
いえ
)
のある
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
へ
入
(
はい
)
ったのでした。
さか立ち小僧さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
煙
(
けむり
)
が
立
(
た
)
つて、づん/\とあがる
坂
(
さか
)
一筋
(
ひとすぢ
)
、やがて、
其
(
そ
)
の
煙
(
けむり
)
の
裙
(
すそ
)
が
下伏
(
したぶ
)
せに、ぱつと
拡
(
ひろ
)
がつたやうな
野末
(
のずゑ
)
の
処
(
ところ
)
へ
掛
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其内
(
そのうち
)
二人
(
ふたり
)
は
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
へ
出
(
で
)
た。
坂井
(
さかゐ
)
は
其所
(
そこ
)
を
右
(
みぎ
)
へ
曲
(
まが
)
る、
宗助
(
そうすけ
)
は
其所
(
そこ
)
を
下
(
した
)
へ
下
(
お
)
りなければならなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは
丁度
(
ちょうど
)
奇麗
(
きれい
)
に光る青い
坂
(
さか
)
の上のように見えました。一人は闇の中に、ありありうかぶ
豹
(
ひょう
)
の
毛皮
(
けがわ
)
のだぶだぶの着物をつけ、一人は
烏
(
からす
)
の王のように、まっ黒くなめらかによそおっていました。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
しかし——一せいにとはゆかないが、どうやらこうやら、ほど
経
(
へ
)
て、上に登ることは登りついた。そしてはじめて、ようすいかに——と
坂
(
さか
)
になった屋根の
端
(
はし
)
から首をだして打ちあおいで見ると
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
以上
(
いじやう
)
三
點
(
てん
)
は
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
の
貝塚
(
かひづか
)
から
出
(
で
)
たといふのである。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
兄弟
(
きょうだい
)
は、きたときとちがった
道
(
みち
)
を
歩
(
ある
)
いていくと、
坂
(
さか
)
のところでおじいさんが、
重
(
おも
)
い
荷物
(
にもつ
)
をつけた
車
(
くるま
)
を
引
(
ひ
)
きあぐんでいました。
昼のお月さま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“坂”の意味
《名詞》
(さか)一方が高く、一方が低く傾斜して勾配のある道。さかみち。
(さか)難渋して進みがたい過程。
(出典:Wiktionary)
“坂”の解説
坂(さか、en: slope)は、一方は高く一方は低い(つまり)傾斜のある道(坂道)。また傾斜のある場所(傾斜地、坂地)。またその傾斜。
(出典:Wikipedia)
坂
常用漢字
小3
部首:⼟
7画
“坂”を含む語句
坂下
胸突坂
下坂
坂上
忍坂
相坂
大坂町
逢坂
逢坂山
坂路
大坂
上坂
飯坂
黄泉比良坂
小坂
香坂
九段坂上
神楽坂
御坂
坂東
...