トップ
>
盛
>
さか
ふりがな文庫
“
盛
(
さか
)” の例文
なぜなら、
彼
(
かれ
)
は
大
(
おお
)
きな
都会
(
とかい
)
ほど、
文化
(
ぶんか
)
が
発達
(
はったつ
)
し、
芸術
(
げいじゅつ
)
が
盛
(
さか
)
んであり、それによって
自分
(
じぶん
)
を
成長
(
せいちょう
)
させることができると
考
(
かんが
)
えたからです。
しいたげられた天才
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これで
病附
(
やみつ
)
いた
東皐子
(
とうくわうし
)
は、
翌日
(
よくじつ
)
徒弟
(
とてい
)
及
(
およ
)
び
穴掘
(
あなほり
)
の
老爺
(
おやぢ
)
を
同行
(
どうかう
)
して、
盛
(
さか
)
んに
發掘
(
はつくつ
)
し、
朝貌形完全土器
(
あさがほがたくわんぜんどき
)
を
出
(
だ
)
したなどは、
茶氣
(
ちやき
)
滿々
(
まん/\
)
である。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
磐梯山破裂
(
ばんだいざんはれつ
)
の
跡
(
あと
)
には
大
(
おほ
)
きな
蒸氣孔
(
じようきこう
)
を
殘
(
のこ
)
し、
火山作用
(
かざんさよう
)
は
今
(
いま
)
もなほ
盛
(
さか
)
んであるが、
眉山
(
まゆやま
)
の
場合
(
ばあひ
)
には
毫
(
ごう
)
も
右樣
(
みぎよう
)
の
痕跡
(
こんせき
)
を
止
(
とゞ
)
めなかつたのである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
南滿洲
(
みなみまんしゆう
)
には、やはり
石器時代頃
(
せつきじだいころ
)
からすでに
人間
(
にんげん
)
が
住
(
す
)
んでをりましたが、
周
(
しゆう
)
の
末
(
すゑ
)
から
漢
(
かん
)
の
初
(
はじ
)
めに
支那人
(
しなじん
)
が
盛
(
さか
)
んに
植民
(
しよくみん
)
してゐたのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
明けがたには、ひと
盛
(
さか
)
り
鯔
(
ぼら
)
が釣れる。すこし陽が出てからは、
鱚
(
きす
)
釣り舟が、笹の葉を
撒
(
ま
)
いたように、釣竿をならべて、糸をあげていた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
また牡丹の牡は、春に根上からその芽が
雄々
(
おお
)
しく出るから、その字を用いたとある。つまり牡は、
盛
(
さか
)
んな意味として書いたものであろう。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
人の
盛
(
さか
)
る処へ行ってあの侍を見付けて、亭主の
敵
(
かたき
)
を強いお
上
(
かみ
)
に取って貰わなければならないから、何うぞ
私
(
わたくし
)
を吉原へ女郎に売って下さい
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
唯
(
たゞ
)
皆
(
みな
)
あまり
仲間
(
なかま
)
づきあひが
盛
(
さか
)
んに
行
(
おこな
)
はれたゝめに、
歌
(
うた
)
は、お
互
(
たが
)
ひによい
影響
(
えいきよう
)
ばかりでなく、わるい
流行
(
りゆうこう
)
を
起
(
おこ
)
すことになりました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
盛
(
さか
)
りと
咲亂
(
さきみだ
)
れ晝と雖も
花明
(
はなあか
)
りまばゆきまでの
別世界
(
べつせかい
)
兩側
(
りやうがは
)
の引手茶屋も
水道尻
(
すゐだうじり
)
まで
花染
(
はなぞめ
)
の
暖簾
(
のれん
)
提灯
(
ちやうちん
)
軒を揃へて
掛列
(
かけつら
)
ね萬客の出入袖を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私はこう言いながら、両手のカフスをまくり上げて、暖炉の中に燃え
盛
(
さか
)
っている石炭を、
無造作
(
むぞうさ
)
に掌の上へすくい上げました。
魔術
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
次の日の夕方、湖畔の
焚火
(
たきび
)
を囲んで
盛
(
さか
)
んな
饗宴
(
きょうえん
)
が開かれた。
大鍋
(
おおなべ
)
の中では、羊や馬の肉に交って、哀れなシャクの肉もふつふつ
煮
(
に
)
えていた。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
其
(
その
)
頃いつも八重さくらが
盛
(
さか
)
りで、兄はその
爛熳
(
らんまん
)
たる花に
山吹
(
やまぶき
)
を
二枝
(
ふたえだ
)
ほど
交
(
ま
)
ぜて
瓶
(
かめ
)
にさして供へた。
伯母
(
おば
)
は
其
(
その
)
日は
屹度
(
きつと
)
筍
(
たけのこ
)
を
土産
(
みやげ
)
に持つて来た。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
インケツの
松
(
まつ
)
と名乗って
京極
(
きょうごく
)
や千本の
盛
(
さか
)
り
場
(
ば
)
を荒しているうちに、だんだんに顔が売れ、随分男も泣かしたが、女も泣かした。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
四方
(
よも
)
の
波風
(
なみかぜ
)
靜
(
しづか
)
にして、世は
盛
(
さか
)
りとこそは見ゆれども、入道相國が多年の非道によりて、天下の望み
已
(
すで
)
に離れ、敗亡の機はや熟してぞ見えし。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
要吉
(
ようきち
)
は、東京の
山
(
やま
)
の
手
(
て
)
にある、ある
盛
(
さか
)
り
場
(
ば
)
の
水菓子屋
(
みずがしや
)
の
小僧
(
こぞう
)
さんです。要吉は、
半年
(
はんねん
)
ばかり前にいなかからでてきたのです。
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
『絵のない絵本』は、一八三九年から四〇年ごろを中心にアンデルセンの創作意欲の最も
盛
(
さか
)
んなときに書かれたものである。
絵のない絵本:02 解説
(新字新仮名)
/
矢崎源九郎
(著)
並木の
鈴懸
(
すずかけ
)
の間を夏の
遊蝶花
(
ゆうちょうげ
)
の咲き
盛
(
さか
)
った円形花壇と緑の芝生に添って、たどたどと帰ってゆく幼年紳士の歌声がきこえる。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
『絵のない絵本』は、一八三九年から四〇年ごろを中心にアンデルセンの創作意欲の最も
盛
(
さか
)
んなときに書かれたものである。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「文戦はやはり
盛
(
さか
)
んにやっていますか」ときいてみると、「えッ」と
吃驚
(
びっくり
)
したように問い返してから、「いや、ぼくは
左翼
(
さよく
)
は嫌いだから——」
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
野球
(
ボール
)
は
其樣
(
そん
)
な
災難
(
さいなん
)
が
無
(
な
)
いから、
毎日
(
まいにち
)
/\
盛
(
さか
)
んなものだ、
丁度
(
ちやうど
)
海岸
(
かいがん
)
の
家
(
いへ
)
から一
町
(
ちやう
)
程
(
ほど
)
離
(
はな
)
れて、
不思議
(
ふしぎ
)
な
程
(
ほど
)
平坦
(
たいらか
)
な
芝原
(
しばはら
)
の「ゲラウンド」があるので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
浜はいま人の出
盛
(
さか
)
りらしく、此砂道には真弓のうしろに、道の長さに平行してくつきりと彫まれてゐる彼女自身の影のほかに、人影もなかつた。
水と砂
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
ところ/″\に
温帶林
(
おんたいりん
)
の
特徴樹
(
とくちようじゆ
)
であるぶなの
巨木
(
きよぼく
)
が
茂
(
しげ
)
り、
木
(
き
)
の
下
(
した
)
には
種々
(
しゆ/″\
)
な
灌木
(
かんぼく
)
、
草本
(
そうほん
)
、
蔓生植物
(
まんせいしよくぶつ
)
が
盛
(
さか
)
んに
生
(
は
)
えてゐるのを
見
(
み
)
ることが
出來
(
でき
)
ます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
一方に名などどうでもよいではないかという人があれば、また一方には人は名によりて
吉凶
(
きっきょう
)
ありとて、ことに近ごろ姓名判断など
盛
(
さか
)
んに
流行
(
はや
)
る。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
まん中の大きな
釜
(
かま
)
からは
湯気
(
ゆげ
)
が
盛
(
さか
)
んにたち、農夫たちはもう
食事
(
しょくじ
)
もすんで、
脚絆
(
きゃはん
)
を
巻
(
ま
)
いたり
藁沓
(
わらぐつ
)
をはいたり、はたらきに出る
支度
(
したく
)
をしていました。
耕耘部の時計
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
川塲を
発
(
はつ
)
して沼田に
帰
(
かへ
)
れば、郡役所、警察署、収税署等の諸員及有志者等、一行の安着を
歓迎
(
くわんげい
)
し、
直
(
たた
)
ちに三好屋に於て
盛
(
さか
)
んなる
慰労会
(
ゐらうくわい
)
を
催
(
もよふ
)
されたり。
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
頃は三月、桃の花の時節で、大阪の城の東に
桃山
(
ももやま
)
と云う処があって、
盛
(
さか
)
りだと云うから花見に行こうと相談が出来た。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
やっぱりイギリス製のウィスキーだけありますねえ。これは
英帝国
(
えいていこく
)
盛
(
さか
)
んなりし時代の
生一本
(
きいっぽん
)
ですよ。間違いなしです
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
サア
其
(
そ
)
の
翌日
(
よくじつ
)
から
教頭
(
けうとう
)
の
宅
(
たく
)
に
葉書
(
はがき
)
が
盛
(
さか
)
んに
舞
(
ま
)
ひこむ。
初
(
はじめ
)
は二十
枚
(
まい
)
か三十
枚
(
まい
)
だつたが、
追々
(
おひ/\
)
五十
枚
(
まい
)
となり、百
枚
(
まい
)
となり、二百
枚
(
まい
)
となり、三百
枚
(
まい
)
となつた。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
黄いろいフランス
菊
(
ぎく
)
がいまを
盛
(
さか
)
りに咲きみだれている中庭のずっと向うにある、その
日光室
(
サン・ルウム
)
を彼女に指して見せた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
しかもその下級将校が、単純な頭で、勇ましく鉄砲をぶっ欲しさえすれば国力はいくらでも増進するように考えて、
盛
(
さか
)
んに政治・外交・経済を論ずる。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
寒夜火を焚いて
暖
(
だん
)
を取る。作者は何も
委
(
くわ
)
しいことを叙しておらぬが、屋外の光景らしく思われる。燃え
盛
(
さか
)
る赤い
燄
(
ほのお
)
が人の顔を照して、面上に明暗を作る。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
そこは近くに
安待合
(
やすまちあい
)
や、貧民窟がかたまってい、河一つ越せば
浅草
(
あさくさ
)
公園という
盛
(
さか
)
り
場
(
ば
)
をひかえているにも
拘
(
かかわ
)
らず、思いもかけぬ所に、広い
草原
(
くさはら
)
があったり
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
明治の初年に於ては
此処
(
ここ
)
に着眼して、学問の研究、ことに西欧の学問を研究することの急務を自覚して、国民教育、中学、大学などが
盛
(
さか
)
んに起ることとなった。
東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
此前
暑
(
あつ
)
い
盛
(
さか
)
りに、神楽坂へ買物に出た序に、代助の所へ寄つた
明日
(
あくるひ
)
の
朝
(
あさ
)
、三千代は平岡の社へ
出掛
(
でか
)
ける世話をしてゐながら、
突
(
とつ
)
然
夫
(
おつと
)
の
襟飾
(
えりかざり
)
を持つた儘卒倒した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
……
更
(
あらた
)
めて
言
(
い
)
ふまでもないが、
車賃
(
くるまちん
)
なしの
兵兒帶
(
へこおび
)
でも、
辻
(
つじ
)
、
巷
(
ちまた
)
の
盛
(
さか
)
り
場
(
ば
)
は
申
(
まを
)
すまでもない
事
(
こと
)
、
待俥
(
まちぐるま
)
の、
旦那
(
だんな
)
御都合
(
ごつがふ
)
で、を
切拔
(
きりぬ
)
けるのが、てくの
身
(
み
)
に
取
(
と
)
り
大苦勞
(
だいくらう
)
で。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この
辺
(
へん
)
、
楓
(
かえで
)
が割合いに少く、かつひと所にかたまっていないけれども、
紅葉
(
こうよう
)
は今が
真
(
ま
)
っ
盛
(
さか
)
りで、
蔦
(
つた
)
、
櫨
(
はぜ
)
、
山漆
(
やまうるし
)
などが、
杉
(
すぎ
)
の木の多い峰のここかしこに点々として
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
まず
町
(
まち
)
の
盛
(
さか
)
り
場
(
ば
)
に一
軒
(
けん
)
見世物小屋
(
みせものごや
)
をこしらえて、
文福
(
ぶんぶく
)
茶
(
ちゃ
)
がまの
綱渡
(
つなわた
)
りと
浮
(
う
)
かれ
踊
(
おど
)
りの
絵
(
え
)
をかいた
大看板
(
おおかんばん
)
を
上
(
あ
)
げ、
太夫元
(
たゆうもと
)
と
木戸番
(
きどばん
)
と
口上
(
こうじょう
)
言
(
い
)
いを
自分
(
じぶん
)
一人
(
ひとり
)
で
兼
(
か
)
ねました。
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
二十七八の出来
盛
(
さか
)
りだ。これ程の男前の
気取屋
(
きどりや
)
が、コンナ片田舎のチャチな床屋に
燻
(
くす
)
ぼり返っている。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
おつぎは
今
(
いま
)
が
遊
(
あそ
)
びたい
盛
(
さか
)
りに
這入
(
はひ
)
つたのであるが、
勘次
(
かんじ
)
からは
一日
(
いちにち
)
でも
唯
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
で
放
(
はな
)
されたことがない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「春花のにほえ
盛
(
さか
)
えて、秋の葉のにほひに照れる」(巻十九・四二一一)などと云って、美麗な人を形容したのがあるが、此歌は帝都の盛大を
謳歌
(
おうか
)
したのであるから
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
病人は
蒲団
(
ふとん
)
の上に寐たきり腹や腰の痛さに堪へかねて時々わめく、熱が出
盛
(
さか
)
ると全体が苦しいから絶えずうなる、蚊なんどは四方八方から全軍をこぞつて刺しに来る。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
これからの季節には、あの辺の海岸も
盛
(
さか
)
るころで、あのホテルに若い人たちも集まるはずであった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
道子
(
みちこ
)
はふと
松戸
(
まつど
)
の
寺
(
てら
)
に
葬
(
はうむ
)
られた
母親
(
はゝおや
)
の
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ひ
起
(
おこ
)
した。その
当時
(
たうじ
)
は
小岩
(
こいは
)
の
盛
(
さか
)
り
場
(
ば
)
に
働
(
はたら
)
いてゐたゝめ、
主人持
(
しゆじんもち
)
の
身
(
み
)
の
自由
(
じいう
)
がきかず、
暇
(
ひま
)
を
貰
(
もら
)
つてやつと
葬式
(
とむらひ
)
に
行
(
い
)
つたばかり。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
三日月
(
みかづき
)
の
淡
(
あわ
)
い
光
(
ひかり
)
が
青
(
あお
)
い
波紋
(
はもん
)
を
大
(
おお
)
きく
投
(
な
)
げて、
白珊瑚
(
しろさんご
)
を
想
(
おも
)
わせる
肌
(
はだ
)
に、
吸
(
す
)
い
着
(
つ
)
くように
冴
(
さ
)
えてゆく
滑
(
なめ
)
らかさが、
秋草
(
あきぐさ
)
の
上
(
うえ
)
にまで
映
(
は
)
え
盛
(
さか
)
ったその
刹那
(
せつな
)
、ふと
立上
(
たちあが
)
ったおせんは
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
縁から見るこの
谷窪
(
たにくぼ
)
の新緑は今が
盛
(
さか
)
りだった。木の葉ともいえない
華
(
はな
)
やかさで、
梢
(
こずえ
)
は新緑を基調とした紅茶系統からやや
紫
(
むらさき
)
がかった若葉の五色の染め分けを
振
(
ふ
)
り
捌
(
さば
)
いている。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
廿歳
(
はたち
)
といふも
今
(
いま
)
の
間
(
ま
)
なるを、
盛
(
さか
)
りすぎては
花
(
はな
)
も
甲斐
(
かひ
)
なし、
適當
(
てきたう
)
の
聟君
(
むこぎみ
)
おむかへ申し
度
(
たき
)
ものと、一
意
(
い
)
專心
(
せんしん
)
主
(
しう
)
おもふ
外
(
ほか
)
なにも
無
(
な
)
し、
主人
(
しゆじん
)
大事
(
だいじ
)
の
心
(
こゝろ
)
に
比
(
く
)
らべて
世上
(
せじやう
)
の
人
(
ひと
)
の
浮薄
(
ふはく
)
浮佻
(
ふてう
)
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
同時代に生れ出た詩集の、一は
盛
(
さか
)
へ他は忘れ去られた。「若菜集」と「抒情詩」。「若菜集」は忽ちにして版を重ねたが、「抒情詩」は花の如く開いて音もなく落ちて了つた。
新しき声
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
先生のみか
世人
(
よのひと
)
を
驚
(
おどろ
)
かすも
安
(
やす
)
かるべしと、
門外
(
もんぐわい
)
に
躊躇
(
ちうちよ
)
してつひに
入
(
い
)
らず、
道
(
みち
)
引
(
ひき
)
かへて百
花園
(
くわゑん
)
へと
赴
(
おもむ
)
きぬ、
新
(
しん
)
梅屋敷
(
うめやしき
)
百
花園
(
くわゑん
)
は梅の
盛
(
さか
)
りなり、
御大祭日
(
ごたいさいび
)
なれば
群集
(
ぐんしふ
)
も
其筈
(
そのはず
)
の
事
(
こと
)
ながら
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
くだらない情事が
盛
(
さか
)
ったことがありますが、卑しい恋愛にふけった人間は、どんな卑しい顔になるものか、私はよく知っている……愛一郎があなたに熱中するようになってから
あなたも私も
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そして、おかげで、大都会と開港場の恋の市場が
空
(
から
)
になるほど
盛
(
さか
)
るのだ。
亜米利加
(
アメリカ
)
人の・いぎりす人の・仏蘭西人の・ぎりしあ人の・日本人の、好奇な恋の観光団の襲来によって。
踊る地平線:11 白い謝肉祭
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
“盛”の意味
《名詞》
(もり)盛ること。また、その分量。
(出典:Wiktionary)
盛
常用漢字
小6
部首:⽫
11画
“盛”を含む語句
真盛
繁盛
悪戯盛
隆盛
盛装
盛粧
眞盛
旺盛
花盛
殷盛
熾盛
盛上
血気盛
腕白盛
娘盛
盛切
盛宴
盛行
日盛
酒盛
...