“爛熳”の読み方と例文
読み方割合
らんまん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その頃いつも八重さくらがさかりで、兄はその爛熳らんまんたる花に山吹やまぶき二枝ふたえだほどぜてかめにさして供へた。伯母おばその日は屹度きつとたけのこ土産みやげに持つて来た。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
西洋人は日本一の御馳走といって悦ぶそうだが冬の寒い日に百花爛熳らんまんたる温室内で天下の珍味を御馳走になったらそれほど愉快な事はあるまい。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
父親は云う事を聴かないと、うちを追出して古井戸の柳へ縛りつけるぞと怒鳴どなって、爛熳らんまんたる児童の天真てんしんを損う事をばかえりみなかった。ああ、恐しい幼少の記念。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)