“爛然”の読み方と例文
読み方割合
らんぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしながら、姫柚子の一滴は、爛然らんぜんとして鍋のなかに佳饌の趣を呼び、時しも窓外の細雨に、二人は秋声の調べを心に聞いた。かなえ中のあつものに沸く魚菜の漿、姫柚子の酸。
姫柚子の讃 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
こういうとただ華麗かれいな画のようですが、布置ふちも雄大を尽していれば、筆墨ひつぼく渾厚こんこうきわめている、——いわば爛然らんぜんとした色彩のうちに、空霊澹蕩くうれいたんとうの古趣がおのずかみなぎっているような画なのです。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
友人山崎久卿モマタここニ見ルトコロアリ博ク江戸ノ詩ヲ採リ、命ジテ『江都名家詩選』トイフ。来ツテ余ガ冕言べんげんヲ徴ス。余ベテコレヲ観ルニ一集ノ中、各体具備シ光彩爛然らんぜんトシテほとんど遺珠ナシ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)