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別世界
読み方 | 割合 |
べつせかい | 66.7% |
べっせかい | 33.3% |
盛りと
咲亂れ晝と雖も
花明りまばゆきまでの
別世界兩側の引手茶屋も
水道尻まで
花染の
暖簾提灯軒を揃へて
掛列ね萬客の出入袖を
最初から
二人對坐で、
人交もせぬで
何か
睦まじさうに
話をして
居たが、
皆がわい/\
言つて
立騷ぐのを
見ようともせず、まるで
別世界に
居るといふ
顏色での。
が、もともと
竜宮は
理想の
別世界なのであるから、
造ろうと
思えば
海の
底にでも、
又その
他の
何処にでも
造れる。そこが
現世の
造りつけの
世界と
大へんに
異う
点じゃ……。
竜神界、
天狗界と、まるきり
人間には
見当のとれそうもない、
別世界のお
話を
致した
序でに、
一つ
思い
切ってもっと
見当のとれない
或る
世界の
物語をさせていただきましょう。