さか)” の例文
徳望もとよりさかんにして、一時の倚重きちょうするところとなり、政治より学問に及ぶまで、帝の咨詢しじゅんくることほとんひま無く、翌二年文学博士となる。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
朝飯前あさめしまへ仕事しごとにして天下てんかをどろかす事虎列刺コレラよりもはなはだしく天下てんか評判ひやうばんさる〻事蜘蛛くもをとこよりもさかんなるは唯其れ文学者あるのみ、文学者あるのみ。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
同年八月に法然の命を受けて、伊予に下りて又帰洛し一宗の奥を極め、元久元年八月上旬に吉水の禅室を辞して、鎮西の故郷に帰り、浄土宗をさかんにした。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
万葉集はもとより、以後益さかんになって、短歌に於ける理想的な形さえ考えられる様になった。
歌の円寂する時 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
すなわち漢室のさかんなる、日をかぞえて待つべき也。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九族を敦睦とんぼくし、親しきを親しむの恩をさかんにすることを知り、諸子たるものは、王室を夾翼きょうよくし、君臣の義を尽すことを知らん、と評論したりとなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
されば日本の百姓たるものは、自らが天皇の大御宝おほみたからたることをかしこみ、もつぱらこの道をつとめ、国に三年の蓄へあり、人に三年のかてあり、而して後に四方経営をさかんにすべきなり。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
官辺よりは、寺院や民間にさかんであつたのである。
日本書と日本紀と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
し大王首計しゅけいの者をりたまい、護衛の兵を解き、子孫をしちにし、骨肉猜忌さいきうたがいき、残賊離間の口をふさぎたまわば、周公とさかんなることを比すべきにあらずや。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)