さか)” の例文
その常にぢかつくゆる一事を責められては、えざるきずをもさかるる心地して、彼は苦しげにかたちをさめ、声をもいださでゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かの妨げられし恋は、破鏡の再び合ふを得て楽み、吾がさかれし愛は落花のかへる無くしてをはらんのみ! いで、吾はかくて空くうづもるべきか、風にりて飛ぶべきか、水に落ちて流るべきか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)