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胷
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むね
ふりがな文庫
“
胷
(
むね
)” の例文
額を破り
胷
(
むね
)
を傷つけるのを
憚
(
はば
)
からずに敢て突進するの勇気を欠くものは、皆此の関所前で歩を横にしてぶらぶらして
終
(
しま
)
うのである。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
谷間の
途極
(
ゆきとまり
)
にて
甕
(
かめ
)
に落たる
鼠
(
ねずみ
)
のごとくいかんともせんすべなく
惘然
(
ばうぜん
)
として
胷
(
むね
)
せまり、いかゞせんといふ
思案
(
しあん
)
さヘ出ざりき。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
日本でも大安寺の
勝業
(
しょうごう
)
上人が水観を
成
(
じょう
)
じた時同じく石を投げ入れられて、これは
胷
(
むね
)
が痛んだという談があって、何も
希有
(
けう
)
な談でも何でもない。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
こは
何事
(
なにごと
)
やらんと
胷
(
むね
)
もをどりて
臥
(
ふし
)
たる
一間
(
ひとま
)
をはせいでければ、
家
(
いへ
)
の
主
(
あるじ
)
両手
(
りやうて
)
に
物
(
もの
)
を
提
(
さげ
)
、水あがり也とく/\
裏
(
うら
)
の
掘揚
(
ほりあげ
)
へ
立退
(
たちのき
)
給へ、といひすてゝ持たる物を二階へ
運
(
はこ
)
びゆく。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
自ら責めるよりほかは無かったが、自ら責めるばかりで済むことでは無い、という思が直に
胷
(
むね
)
の奥から
逼
(
せま
)
り
上
(
のぼ
)
って
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
愕然
(
びつくり
)
して
胷
(
むね
)
も
裂
(
さけ
)
るやう也しが
逃
(
にげる
)
に道なく、とても命の
期
(
きは
)
なり
死
(
しぬ
)
も
生
(
いきる
)
も神仏にまかすべしと
覚悟
(
かくご
)
をきはめ、いかに熊どの
我
(
わし
)
は
薪
(
たきゞ
)
とりに来り谷へ
落
(
おち
)
たるもの也、
皈
(
かへる
)
には道がなく
生
(
いき
)
て
居
(
をる
)
には
喰
(
くひ
)
物がなし
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
事情が何も分った訳ではないが、女の
魂魄
(
たましい
)
とする鏡を売ろうとするに臨みての女の心や其事情がまざまざと
胷
(
むね
)
に浮んで来て、定基は闇然として眼を
瞑
(
つむ
)
って打仰いで、堪えがたい哀れを催した。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
胷
10画
“胷”を含む語句
胷中
胷形
胷乳
胷底
胷裏