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心
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むね
ふりがな文庫
“
心
(
むね
)” の例文
……ここをいうのだ、茶屋の女房の浅黄縮緬のちらちらなぞは、突っくるみものの
寄切
(
よせぎれ
)
だよ、……目も覚め、
心
(
むね
)
に
沁
(
し
)
みようじゃないか。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
われは
心
(
むね
)
の跳るを覺えて、そと人々に遠ざかり、身を長き
幌
(
とばり
)
の蔭に隱して、窓の外なる涼しき空氣を呼吸したり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ロミオ なに、
戀
(
こひ
)
を
温柔
(
やさ
)
しい?
温柔
(
やさ
)
しいどころか、
粗暴
(
がさつ
)
な
殘忍
(
あらけな
)
い
者
(
もの
)
ぢゃ。
荊棘
(
いばら
)
のやうに
人
(
ひと
)
の
心
(
むね
)
を
刺
(
さ
)
すわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
此日放牧場の西端に立って遙に
斗満
(
とまむ
)
上流の
山谷
(
さんこく
)
を望んだ時、余は翁が
心絃
(
しんげん
)
の
震
(
ふる
)
えを
切
(
せつ
)
ないほど吾
心
(
むね
)
に感じた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
秦進忠は若い時、なにかの事で立腹して、小さい
奴
(
しもべ
)
を殺しました。
刃
(
やいば
)
をその
心
(
むね
)
に突き透したのでした。
中国怪奇小説集:09 稽神録(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
孫子
(
そんし
)
曰
(
いは
)
く、『
前
(
まへ
)
は
則
(
すなは
)
ち
心
(
むね
)
を
視
(
み
)
、
左
(
ひだり
)
は
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
を
視
(
み
)
、
右
(
みぎ
)
は
右
(
みぎ
)
の
手
(
て
)
を
視
(
み
)
、
後
(
うしろ
)
は
即
(
すなは
)
ち
背
(
せ
)
を
視
(
み
)
よ』と。
婦人
(
ふじん
)
曰
(
いは
)
く、『
諾
(
だく
)
』と。
約束
(
やくそく
)
既
(
すで
)
に
布
(
し
)
き、
乃
(
すなは
)
ち
(五)
鈇鉞
(
ふゑつ
)
を
設
(
まう
)
け、
即
(
すなは
)
ち
之
(
これ
)
に
(六)
三
令
(
れい
)
五
申
(
しん
)
す。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
私
(
わたし
)
は
畢生
(
ひつせい
)
の
幸福
(
かうふく
)
の
影
(
かげ
)
が
消
(
き
)
えて
了
(
しま
)
つたかのやうに
心
(
むね
)
を
騒
(
さは
)
がせ、
急
(
いそ
)
いで
引出
(
ひきだ
)
して
見
(
み
)
た。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
斯
(
かゝ
)
る
曲物
(
くせもの
)
を置きたりとて何の
障
(
さは
)
りにもなるまじけれど、その
芥
(
あくた
)
ある処に集り、
穢物
(
ゑぶつ
)
あるところに群がるの性あるを見ては、人間の往々之に類するもの多きを想ひ至りて
聊
(
いさゝ
)
か
心
(
むね
)
悪くなりたれば
秋窓雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
幽宮
(
かくりみや
)
の幽趣たとしへもなき
調
(
しらべ
)
、月光ほのかに
心
(
むね
)
に沁みわたるにも似て、この君ならではと思はるゝ優しさ、桂の枝に
背
(
せな
)
うちまゐらせむのたはぶれも、ゆめねたみ心にはあらずと知り玉へかし。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
心一たびその
姑
(
しゅうと
)
の上に及ぶごとに、われながら恐ろしく苦き一念の
抑
(
おさ
)
うれどむらむらと
心
(
むね
)
にわき来たりて、気の怪しく乱れんとするを、浪子はふりはらいふりはらいて、心を他に転ぜしなり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
御空の日の
円影
(
まるかげ
)
も白らんでゐる。
衣
(
ころも
)
も白い、涸れたわが
心
(
むね
)
は清い。君が御掟に従つて言上し奉るのみ。世に大なる犯がある、極めて大なる犯がある。世に大なる異端がある、極めて大なる異端がある。
法王の祈祷
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
誰
(
たれ
)
もひとしき
嚴
(
おごそか
)
の
念
(
おもひ
)
、
胎
(
たい
)
を
溢
(
あふ
)
れて
心
(
むね
)
に滿つるを……
母
(旧字旧仮名)
/
アダ・ネグリ
(著)
曲終つて
撥
(
ばち
)
ををさめ
心
(
むね
)
に当てて
画
(
くわく
)
す
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白糸の胸中は沸くがごとく、
焚
(
も
)
ゆるがごとく、万感の
心
(
むね
)
を
衝
(
つ
)
くに任せて、無念
已
(
や
)
む
方
(
かた
)
なき松の
下蔭
(
したかげ
)
に立ち尽くして、夜の
更
(
ふ
)
くるをも知らざりき。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人々は遠距離にありてだに
心
(
むね
)
に
傷
(
て
)
を負へるを、君は敵の陣地に入ることなれば、注意して自ら
護
(
まも
)
り給へといふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「それはいわゆる『
報寃蛇
(
ほうえんだ
)
』です。人がそれに手出しをすれば、百里の遠くまでも追って来て、かならず其の人の
心
(
むね
)
を
噬
(
か
)
みます。その蛇は今夜きっと来るでしょう」
中国怪奇小説集:11 異聞総録・其他(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
売るとなれば一寸の土も残らず渡して去らねばならぬので、最初から非常に
憂惧
(
ゆうぐ
)
し、
殆
(
ほとん
)
ど仕事も手につかず、昨日
訪
(
た
)
ずねて来た時もオド/\した斯老人の容子は余の
心
(
むね
)
を
傷
(
いた
)
ましめた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
孫子
(
そんし
)
分
(
わか
)
つて二
隊
(
たい
)
と
爲
(
な
)
し、
王
(
わう
)
の
寵姫
(
ちようき
)
二
人
(
にん
)
を
以
(
もつ
)
て
各〻
(
おのおの
)
隊長
(
たいちやう
)
と
爲
(
な
)
し、
皆
(
みな
)
戟
(
げき
)
を
持
(
も
)
たしむ。
之
(
これ
)
に
令
(
れい
)
して
曰
(
いは
)
く、『
汝
(
なんぢ
)
、
而
(
なんぢ
)
の
(三)
心
(
むね
)
と
(四)
左右
(
さいう
)
の
手
(
て
)
と
背
(
せ
)
とを
知
(
し
)
るか』と。
婦人
(
ふじん
)
曰
(
いは
)
く、『
之
(
これ
)
を
知
(
し
)
る』と。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
撥
(
ばち
)
を収めて
心
(
むね
)
に当りて
画
(
えが
)
く
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
軒下の
垂氷
(
つらゝ
)
と共に
心
(
むね
)
凍
(
こほ
)
り
北村透谷詩集
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
彼は
蹶張
(
けっちょう
)
を得意とし、熊や虎や
豹
(
ひょう
)
が、その
弦音
(
つるおと
)
に応じて
斃
(
たお
)
れた。蹶張というのは片足で弓を踏ん張って射るのである。その
鏃
(
やじり
)
をあらためると、皆その獣の
心
(
むね
)
をつらぬいていた。
中国怪奇小説集:07 白猿伝・其他(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
我家のとは違ひて、この卓には
毯
(
かも
)
を被ひたり。われはよその子供の如く、
諳
(
そらん
)
じたるまゝの説教をなしき。聖母の
心
(
むね
)
より血汐出でたる、穉き基督のめでたさなど、説教のたねなりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
咄嗟
(
とっさ
)
に
心
(
むね
)
で思ううちに、
框
(
かまち
)
の障子の、そこに立ったお京の、あでやかに何だか寂しい姿が、褄さきが冷いように、畳をしとしと運ぶのが見えて、縁の敷居際で、すんなりと
撓
(
しな
)
うばかり
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
西も東も南も北も勇ましい歓喜の
勝鬨
(
かちどき
)
。聞くからに
心
(
むね
)
が
躍
(
おど
)
る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「これから⁈」と白糸はさすがに
心
(
むね
)
を
轟
(
とどろ
)
かせり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“心”の解説
心(こころ)は、非常に多義的・抽象的な概念であり文脈に応じて多様な意味をもつ言葉であり、人間(や生き物)の精神的な作用や、それのもとになるものなどを指し、感情、意志、知識、思いやり、情などを含みつつ指している。
(出典:Wikipedia)
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
“心”を含む語句
焦心
中心
心付
心配
心情
心地
心懸
心持
心臓
心中
心得違
心細
心掛
御心
真心
心遣
心附
心象
心底
下心
...