ごゝろ)” の例文
中の巻の発端に「かゝる親には似ぬ娘、お夏は深きぬれゆゑに、菩提ごゝろと意地ばりて、嫁入もせいものび/\の」………と書出かきいだして、お夏に既に恋ある事を示せり
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
人事ひとごと我事わがこと分別ふんべつをいふはまだはやし、おさなごゝろまへはなのみはしるく、もちまへのけじ氣性ぎせう勝手かつてまわりてくものやうなかたちをこしらへぬ、氣違きちが街道かいだうぼけみち
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
鏡の前へ一寸ちよつと嘘坐うそずわりして中をのぞくと、今の紫の襟が黒くなつた顔の傍に、見得みえを切つた役者のやうに光つて居た。良人をつとが居ないのだからと鏡子は不快ななげやりごゝろおこして立つた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
この日の夕飯は食堂のも日本料理なれば彼処かしこで給へとの人の言葉をそむくも少し憎げなりと思ひさふらふうへ、物ごゝろも進みさふらひけん、私は船にさふらうてのち初めての洋装を致して下へ参りさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
おほみごゝろむすびえて、よみがへる
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
子供ごゝろのはかなさは
どんたく:絵入り小唄集 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
肥えたるあご二重ふたへなるなど、かかる人さへある身にて、我れはごゝろを持ちて済むべきや。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ふくろごゝろおくぶかにかくるとせしが
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
そとことといふとすこしもかせてくださらぬ、それはおへだごゝろだとつてうらみますると、なにそんな水臭みづくさことはしない、なにかせるではないかとおつしやつて相手あひてにせずにわらつていらつしやるのです
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
をとめごゝろはありわびぬ。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
假初かりそめならぬ三えんおなじ乳房ちぶさりしなり山川さんせんとほへだたりし故郷こきやうりしさへひがしかたあしけそけし御恩ごおん斯々此々かく/\しか/″\はゝにてはおくりもあえぬに和女そなたわすれてなるまいぞとものがたりかされをさごゝろ最初そも/\よりむねきざみしおしゆうことましてやつゞ不仕合ふしあはせかたもなき浮草うきくさ孤子みなしご流浪るらうちからたのむは
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)