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渠
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みぞ
ふりがな文庫
“
渠
(
みぞ
)” の例文
地の上の足もとを見ると、彼の足場である土橋の下を、
渠
(
みぞ
)
の水が夕映の空を反映して太い朱線になつて光り、流れて居た。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
そこで、与八の仕事場が、同時に学校になって行くのも、水いたって
渠
(
みぞ
)
の成るが如く、極めて自然なものでありました。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そしてかの骸骨を手に取ると、今までに気づかなかった不思議なことが眼に止まった。それは骸骨の後頭部の下の方に、広く、嶮しい
渠
(
みぞ
)
のついていることであった。
誰?
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
その上には一鳥の足を留むるなく、一莖の草の萌え出づるなし。沼澤の中に、深き
渠
(
みぞ
)
を穿ちて、杭を立て泥を支ふるあり。是れ舟を
行
(
や
)
る道なり。われは始て「ゴンドラ」といふ小舟を見き。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
決して再び溶けないほどな、対立的な
渠
(
みぞ
)
を深めて来つつあることは
否
(
いな
)
み難い。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
時計の音をとめると、今度は庭の前を流れる
渠
(
みぞ
)
のせせらぎが、彼には気になり初めた。さうして今度はそれが彼の就眠を妨げるやうに感じられた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
それから、彼はその
序
(
ついで
)
にあの
渠
(
みぞ
)
の上へ冠さつて居る
猫楊
(
ねこやなぎ
)
の枝ぶりを
繕
(
つくろ
)
うても見た。その夕方、彼は珍らしく大食した。夜は夜で快い熟睡を
貪
(
むさぼ
)
り得た。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
渠
漢検準1級
部首:⽔
12画
“渠”を含む語句
溝渠
船渠
渠奴
暗渠
張横渠
大溝渠
小渠
大渠
渠女
渠等
出渠
泥渠
車渠
入渠
溝渠鼠
渠門
集合溝渠
渠槽
渠輩
渠水
...