“渠女”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かれ50.0%
あれ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で、聞く一言一言が、渠女かれの身に取ると、胸に釘を打たるる思ひ。その場へ昏倒するのではないかと思はれた事も幾度かであつた。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
渠女かれは始終、涙と太息ためいきとで聞いてしまつて、さて心の糸のもつれもつれて、なつかしさと切なさとに胸裡は張り裂けんばかり、銀が今の身の上最愛いとしと思ひつめては、ほとんど前後不覚。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
有繋さすが渠女あれは約束の妻とも云ひかねて当座のがれの安請合をしたが其後間もなく御当人が第一に失恋を歌ふやうになつてからはプイと何所どこへか隠れて了つた。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)