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渠
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かの
手に
懸たる者なれば
解放せしとて
直音羽へ
返さば如何なる
災禍起らんも計られず又
渠親子も家主を
付しは
大方弟なる此家主の庄兵衞めに頼れての
業なる可し
渠庄兵衞は
日頃よりお光さんには深く
戀慕し度々
口説ど云う事を
肯ぬ所より遺恨を
含み元益坊主を頼込み此婚姻を
邪魔を
垂れ
考へ見れば長三郎が云に違はず
渠お光の病氣といふは何處の者やら
譯らぬ醫師が云し
耳にて
實際見たる譯ならねば今に成ては其病の有無とても
計れずと
少迷ひの
晴來れば晴る程なほ面目なきは
初よりしてお光が上を