あしなへ)” の例文
そして蘭軒が一目ひとつめ小僧に遭つたと云ふ伝説がこれに伴つてゐる。事は未だあしなへにならぬ前にあるから、文化癸酉三十七歳より前でなくてはならない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
若し途中で、或はあしなへ、或は盲人めくら、或は癩を病む者、などに逢つたら、(その前に能く催眠術の奧義を究めて置いて、)
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
若し途中で、或はあしなへ、或は盲目めくら、或は癩を病む者、などに逢つたら、(その前に能く催眠術の奥義を究めて置いて、)其奴そいつの頭に手が触つた丈で癒してやる。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あしなへである。これに応ずるに忍辱にんにくを以てし、レジニアシヨンを以てするより外無い。偶成に云く。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
足疾は少壮の時よりあつて、あしなへとなつてからも既に十七年を経てゐる。しかし此人の性命を奪つたのは何の病であらうか。口碑の伝ふる所のものもなく、記載の徴すべきものもない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)