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軒
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けん
ふりがな文庫
“
軒
(
けん
)” の例文
その当日は数十
軒
(
けん
)
の「筋目の者」たちは十六の
菊
(
きく
)
のご
紋章
(
もんしょう
)
の附いた
裃
(
かみしも
)
を着ることを許され、知事代理や郡長等の上席に
就
(
つ
)
くのである。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ただいま。
叔母
(
おば
)
さんの
家
(
いえ
)
からだいぶ
離
(
はな
)
れていましたから、いきませんでした。三
軒
(
けん
)
ばかり
焼
(
や
)
けて、やっといましがた
消
(
き
)
えました。」
火事
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そのとき、一
軒
(
けん
)
だけ、ぽつんと立っている
百姓家
(
ひゃくしょうや
)
が見えてきました。見れば、荒れはてているうえに、人は住んでいないようすです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
さんざん歩いたすえ、女の子はようやく一
軒
(
けん
)
の小さな家のまえにきました。家のなかからは、ひとりのおばあさんがのぞいていました。
ホレおばあさん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
とうとう山がつきて
谷
(
たに
)
のような
所
(
ところ
)
へ出ました。ひょいと
見
(
み
)
ると、そこに一
軒
(
けん
)
うちらしいものの
形
(
かたち
)
が、
夜目
(
よめ
)
にもぼんやり
見
(
み
)
えました。
山姥の話
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
大臣
(
だいじん
)
は林をまわりました。林の
陰
(
かげ
)
に一
軒
(
けん
)
の大きなうちがありました。日がまっ白に
照
(
て
)
って家は
半分
(
はんぶん
)
あかるく
夢
(
ゆめ
)
のように見えました。
四又の百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その
得意先
(
とくいさき
)
の一
軒
(
けん
)
で
橋場
(
はしば
)
の
妾宅
(
せふたく
)
にゐる
御新造
(
ごしんぞ
)
がお
糸
(
いと
)
の
姿
(
すがた
)
を見て
是非
(
ぜひ
)
娘分
(
むすめぶん
)
にして
行末
(
ゆくすゑ
)
は
立派
(
りつぱ
)
な芸者にしたてたいと
云出
(
いひだ
)
した事からである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
たちまち
姿
(
すがた
)
は見えずなって、四五
軒
(
けん
)
先の
鍛冶屋
(
かじや
)
が
鎚
(
つち
)
の音ばかりトンケンコン、トンケンコンと残る。亭主はちょっと考えしが
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
また二階借りから、一
軒
(
けん
)
の所帯へと
伸
(
の
)
びて行く、——それはまるで、果てしのない
沙漠
(
さばく
)
へでも出発するかのように私をひどく不安がらせた。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
勿論
(
もちろん
)
飛騨越
(
ひだごゑ
)
と
銘
(
めい
)
を
打
(
う
)
つた
日
(
ひ
)
には、七
里
(
り
)
に一
軒
(
けん
)
十
里
(
り
)
に五
軒
(
けん
)
といふ
相場
(
さうば
)
、
其処
(
そこ
)
で
粟
(
あは
)
の
飯
(
めし
)
にありつけば
都合
(
つがふ
)
も
上
(
じやう
)
の
方
(
はう
)
といふことになつて
居
(
を
)
ります。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「あ、そんなら、きっとお客さんの口にあうおいしい料理を作る家へご案内しましょう。それはヒマワリ
軒
(
けん
)
といって、僕の姉の家なんです」
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
こんな
看板
(
かんばん
)
を
掛
(
か
)
けた
家
(
うち
)
が一
軒
(
けん
)
しかない
程
(
ほど
)
、
峠
(
たうげ
)
は
小
(
ちい
)
さな
村
(
むら
)
でした。そこに
住
(
す
)
む
人達
(
ひとたち
)
はいづれも
山
(
やま
)
の
上
(
うへ
)
を
耕
(
たがや
)
すお
百姓
(
ひやくしやう
)
ばかりでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
一
軒
(
けん
)
にて
住居
(
ぢうきよ
)
なし
此近邊
(
このきんぺん
)
の
大身代
(
おほしんだい
)
なり主は
入聟
(
いりむこ
)
にて
庄
(
しやう
)
三郎と云
今年
(
ことし
)
六十
歳
(
さい
)
妻
(
つま
)
は此家の
娘
(
むすめ
)
にて名をお
常
(
つね
)
と
呼
(
よ
)
び四十
歳
(
さい
)
なれども
生得
(
しやうとく
)
派手
(
はで
)
なる事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
やがて人通りの餘りない、片側に工場の黒
板
(
いた
)
塀が
續
(
つゞ
)
き、片側は畑を間にさしはさんで
住宅
(
じうたく
)
が數
軒
(
けん
)
ならんでゐる、町で一番長い坂道の上に出た。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
間
(
ま
)
もなく
小六
(
ころく
)
が
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て、
醫者
(
いしや
)
は
丁度
(
ちやうど
)
徃診
(
わうしん
)
に
出掛
(
でか
)
ける
所
(
ところ
)
であつた、
譯
(
わけ
)
を
話
(
はな
)
したら、では
今
(
いま
)
から一二
軒
(
けん
)
寄
(
よ
)
つてすぐ
行
(
い
)
かうと
答
(
こた
)
へた、と
告
(
つ
)
げた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
門徒寺
(
もんとでら
)
と
云
(
い
)
つても
檀家
(
だんか
)
が一
軒
(
けん
)
あるで
無
(
な
)
い、
西本願寺派
(
にしほんぐわんじは
)
の
別院並
(
べつゐんなみ
)
で、京都の岡崎にあるから普通には岡崎御坊で通つて居る。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
王子は、
狩
(
かり
)
をしているうち、森の中で道にまよって、一
軒
(
けん
)
の炭焼小屋にとまって、チーズや黒パンをたべさせてもらったことなどを話しました。
眠る森のお姫さま
(新字新仮名)
/
シャルル・ペロー
(著)
そのとき天皇は、山の上から四方の村々をお見わたしになりますと、向こうの方に、一
軒
(
けん
)
、むねにかつお木をとりつけているうちがありました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「でまかせをこけ。この村には、ここともう一
軒
(
けん
)
鍛冶屋
(
かじや
)
よりほかに人はいやしない。そんなことは
承知
(
しょうち
)
のうえで、
柿泥棒
(
かきどろぼう
)
にきやがったくせにして」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところがちょうど十二日の晩ですがそこに居る四、五
軒
(
けん
)
の遊牧民が私に請うて
説教
(
せっきょう
)
をしてくれということがあった。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
ただ
海
(
うみ
)
に一
艘
(
そう
)
の
漁船
(
ぎょせん
)
もなく、
又
(
また
)
陸
(
おか
)
に一
軒
(
けん
)
の
人家
(
じんか
)
も
見
(
み
)
えないのが
現世
(
げんせ
)
と
異
(
ちが
)
っている
点
(
てん
)
で、それが
為
(
た
)
めに
何
(
なに
)
やら
全体
(
ぜんたい
)
の
景色
(
けしき
)
に
夢幻
(
ゆめまぼろし
)
に
近
(
ちか
)
い
感
(
かん
)
じを
与
(
あた
)
えました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
新世界に二
軒
(
けん
)
、千日前に一軒、道頓堀に中座の向いと、相合橋東詰にそれぞれ一軒ずつある都合五軒の出雲屋の中でまむしのうまいのは相合橋東詰の
奴
(
やつ
)
や
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
火の見の立っている町の四つ角の、いちじくの葉が黒いかげをおとしているところに、一
軒
(
けん
)
の
鍛冶屋
(
かじや
)
があります。ここに
新吉
(
しんきち
)
という十一になる
丁稚
(
でっち
)
がいます。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
そんな角度から見た一
軒
(
けん
)
の花屋の屋根とその花畑を、彼女は或る日から五十号のカンバスに
描
(
えが
)
き出した……。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
頭腦
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
を
此樣
(
こん
)
な
事
(
こと
)
にこしらへて一
軒
(
けん
)
ごとの
格子
(
かうし
)
に
烟草
(
たばこ
)
の
無理
(
むり
)
どり
鼻紙
(
はながみ
)
の
無心
(
むしん
)
、
打
(
う
)
ちつ
打
(
う
)
たれつ
是
(
こ
)
れを一
世
(
せ
)
の
譽
(
ほまれ
)
と
心得
(
こゝろゑ
)
れば、
堅氣
(
かたぎ
)
の
家
(
いゑ
)
の
相續息子
(
そうぞくむすこ
)
地廻
(
ぢまわ
)
りと
改名
(
かいめい
)
して
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お前はこうまんな、いばったこどもらが住んでいる家を一
軒
(
けん
)
、一軒と踊りまわらねばならん。
赤いくつ
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
車がとまると、小林君と緑ちゃんとは、ふたりのインド人のために、
有無
(
うむ
)
をいわせず、客席から引きだされて、そこに建っていた一
軒
(
けん
)
の小さい洋館の中へつれこまれました。
少年探偵団
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
きっさ
店
(
てん
)
や、カフェーや、マージャンクラブなどがのきなみにならんでいて、
少年
(
しょうねん
)
は、その中のオリオン
軒
(
けん
)
というミルクホールに
働
(
はたら
)
いていた。
少年
(
しょうねん
)
の名は、いのきちといった。
ラクダイ横町
(新字新仮名)
/
岡本良雄
(著)
下谷
(
したや
)
谷中
(
やなか
)
の
片
(
かた
)
ほとり、
笠森稲荷
(
かさもりいなり
)
の
境内
(
けいだい
)
に、
行燈
(
あんどん
)
懸
(
か
)
けた十一
軒
(
けん
)
の
水茶屋娘
(
みずちゃやむすめ
)
が、三十
余人
(
よにん
)
束
(
たば
)
になろうが、
縹緻
(
きりょう
)
はおろか、
眉
(
まゆ
)
一つ
及
(
およ
)
ぶ
者
(
もの
)
がないという、
当時
(
とうじ
)
鈴木春信
(
すずきはるのぶ
)
が一
枚刷
(
まいずり
)
の
錦絵
(
にしきえ
)
から
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
軌道
(
レール
)
と
直角
(
ちよくかく
)
に
細長
(
ほそなが
)
い
茅葺
(
くさぶき
)
の
農家
(
のうか
)
が一
軒
(
けん
)
ある
其
(
そ
)
の
裏
(
うら
)
は
直
(
す
)
ぐ
山
(
やま
)
の
畑
(
はたけ
)
に
續
(
つゞ
)
いて
居
(
ゐ
)
るらしい。
家
(
いへ
)
の
前
(
まへ
)
は
廣庭
(
ひろには
)
で
麥
(
むぎ
)
などを
乾
(
ほ
)
す
所
(
ところ
)
だらう、
廣庭
(
ひろには
)
の
突
(
つ
)
きあたりに
物置
(
ものおき
)
らしい
屋根
(
やね
)
の
低
(
ひく
)
い
茅屋
(
くさや
)
がある。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
二十
軒
(
けん
)
ぐらいもそうやってどなって歩いたら、自分の家からずいぶん遠くに来てしまっていた。すこし気味が悪くなってぼくは立ちどまってしまった。そしてもう一度家の方を見た。
火事とポチ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
どこからかそら豆を
茹
(
ゆで
)
る青い
匂
(
におい
)
がした。古風な紅白の棒の看板を立てた
理髪店
(
りはつてん
)
がある。
妖艶
(
ようえん
)
な
柳
(
やなぎ
)
が地上にとどくまで
枝垂
(
しだ
)
れている。それから五六
軒
(
けん
)
置いて
錆
(
さび
)
朽
(
く
)
ちた洋館作りの写真館が在る。
みちのく
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
彼が一
軒
(
けん
)
の家をじっと見ている中に、その家は、彼の眼と頭の中で、木材と石と
煉瓦
(
れんが
)
と
漆喰
(
しっくい
)
との意味もない集合に化けてしまう。これがどうして人間の住む所でなければならぬか、判らなくなる。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
お
品
(
しな
)
は二三
軒
(
けん
)
そつちこつちと
歩
(
ある
)
いて
見
(
み
)
てから
隣
(
となり
)
の
門
(
もん
)
を
潜
(
くゞ
)
つたのであつた。
傭人
(
やとひにん
)
は
大釜
(
おほがま
)
の
下
(
した
)
にぽつぽと
火
(
ひ
)
を
焚
(
た
)
いてあたつて
居
(
ゐ
)
る。
風呂
(
ふろ
)
から
出
(
で
)
ても
彼等
(
かれら
)
は
茹
(
ゆだ
)
つたやうな
赤
(
あか
)
い
腿
(
もゝ
)
を
出
(
だ
)
して
火
(
ひ
)
の
側
(
そば
)
へ
寄
(
よ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
一夜北国にありて月明に乗じ独り郊外を散歩し、一
軒
(
けん
)
立ての
藁家
(
わらや
)
の前を通過せんとした。ふと
隙漏
(
すきまも
)
る光に屋内を
覗
(
うかが
)
うと、
炉
(
ろ
)
を囲める親子四、五人、一言だも
交
(
かわ
)
さずぼんやりとして
安
(
あん
)
を
貪
(
むさぼ
)
っていた。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
然
(
さ
)
う
仰
(
おつし
)
やられては
実
(
じつ
)
に胸が一
杯
(
ぱい
)
になります……お菓子か
何
(
なに
)
かあるだらう……
最
(
も
)
う
皆
(
み
)
な
賓客
(
きやく
)
に
持
(
も
)
たして
遣
(
や
)
つてしまつたか……困つたなア……
何
(
なに
)
かないかなア……ンー一
軒
(
けん
)
おいて
隣家
(
となり
)
の
大仏餅
(
だいぶつもち
)
でも
宜
(
よ
)
い
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ある
草
(
くさ
)
に包まれた
丘
(
をか
)
の上に、
私達
(
わたしたち
)
は一
軒
(
けん
)
の家を
見
(
み
)
つけ出した。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
十九
軒
(
けん
)
の八幡山でも、各自に
自家
(
うち
)
の祭をせねば気が
済
(
す
)
まぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
一
軒
(
けん
)
一
朱
(
しゆ
)
の
割
(
わり
)
を
以
(
もつ
)
て配つた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そこには小さな家が一
軒
(
けん
)
たっていて、おかみさんは戸口のベンチにこしかけていました。おかみさんは
漁師
(
りょうし
)
の手をとって、いいました。
漁師とそのおかみさんの話
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
この
村
(
むら
)
に、一
軒
(
けん
)
の
金持
(
かねも
)
ちが
住
(
す
)
んでいました。その
家
(
うち
)
はすぎの
木
(
き
)
や、
葉
(
は
)
の
色
(
いろ
)
の
黒
(
くろ
)
ずんだ、かしの
木
(
き
)
などで
取
(
と
)
り
囲
(
かこ
)
まれていました。
女の魚売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そこ
此処
(
こゝ
)
に二三
軒
(
けん
)
今戸焼
(
いまどやき
)
を売る店にわづかな特徴を見るばかり、
何処
(
いづこ
)
の
場末
(
ばすゑ
)
にもよくあるやうな低い
人家
(
じんか
)
つゞきの
横町
(
よこちやう
)
である。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
また
彼方此方
(
あつちこち
)
五六
軒
(
けん
)
立場茶屋
(
たてばぢやや
)
もござりますが、
美
(
うつく
)
しい
貴女
(
あなた
)
さま、
唯
(
たつた
)
お
一人
(
ひとり
)
、
預
(
あづ
)
けまして、
安心
(
あんしん
)
なは、
此
(
こ
)
の
外
(
ほか
)
にござりませぬ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
父
(
とう
)
さんのお
家
(
うち
)
へ
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
くのもあれば、お
隣
(
となり
)
の
大黒屋
(
だいこくや
)
へ
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
くのもあれば、そのまた一
軒
(
けん
)
置
(
お
)
いてお
隣
(
となり
)
の
八幡屋
(
やはたや
)
の
方
(
はう
)
へ
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
くのもあります。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
七、八
軒
(
けん
)
さきの
横町
(
よこちょう
)
から、
地蔵行者
(
じぞうぎょうじゃ
)
の
菊村宮内
(
きくむらくない
)
が、れいの
地蔵尊
(
じぞうそん
)
の
笈摺
(
おいずる
)
を
背負
(
せお
)
って、こっちへ向かってくるのが見える。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
晩
(
ばん
)
は
宇治
(
うじ
)
の
近
(
ちか
)
くで日が
暮
(
く
)
れました。
若者
(
わかもの
)
はゆうべのようにまた
布
(
ぬの
)
一
反
(
たん
)
を
出
(
だ
)
して、一
軒
(
けん
)
の
家
(
いえ
)
に
泊
(
と
)
めてもらいました。
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ニールス・ホルゲルッソンがガンたちといっしょに旅をしていたときは、そこには一
軒
(
けん
)
の小屋があって、そのまわりの土地は、すこし
耕
(
たがや
)
されていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
魚勝
(
うをかつ
)
と
云
(
い
)
ふ
肴屋
(
さかなや
)
の
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
り
越
(
こ
)
して、
其
(
その
)
五六
軒先
(
けんさき
)
の
露次
(
ろじ
)
とも
横丁
(
よこちやう
)
とも
付
(
つ
)
かない
所
(
ところ
)
を
曲
(
まが
)
ると、
行
(
い
)
き
當
(
あた
)
りが
高
(
たか
)
い
崖
(
がけ
)
で、
其
(
その
)
左右
(
さいう
)
に四五
軒
(
けん
)
同
(
おな
)
じ
構
(
かまへ
)
の
貸家
(
かしや
)
が
並
(
なら
)
んでゐる。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
順に廻り今日は
好
(
よき
)
天氣
(
てんき
)
とか又は
惡
(
わる
)
い風とか
御寒
(
おさむ
)
いとか
御暑
(
おあつい
)
とか云て
未
(
まだ
)
くづは
溜
(
たま
)
りませんかと一
軒
(
けん
)
づつ聞て
歩行
(
あるく
)
が宜しからん其の中には心安くなり人にも
顏
(
かほ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その
代
(
かわ
)
りしゅっこは、そこら中を、一
軒
(
けん
)
ごとにさそって歩いて、いいことをして見せるからあつまれと
云
(
い
)
って、まるで小さなこどもらまで、たくさん
集
(
あつ
)
めた。
さいかち淵
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“軒”の意味
《名詞》
(のき)屋根の端で壁などから張り出した部分。
(出典:Wiktionary)
軒
常用漢字
中学
部首:⾞
10画
“軒”を含む語句
軒燈
軒端
一軒
軒蛇腹
軒庇
軒先
軒昂
軒並
十軒店
軒別
一軒立
軒行燈
軒前
精養軒
軒提灯
志道軒
幾軒
安井息軒
一軒家
軒目
...