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軒目
旅亭の
禿頭に
教へられた
樣に、
人馬の
徃來繁き
街道を
西へ/\と
凡そ四五
町、
唯ある
十字街を
左へ
曲つて、三
軒目の
立派な
煉瓦造りの
一構
其小高い
所々に、
下から
石段を
疊んで、
寺らしい
門を
高く
構へたのが二三
軒目に
着いた。
平地に
垣を
繞らして、
點在してゐるのは、
幾多もあつた。
向うて
筋違、
角から二
軒目に
小さな
柳の
樹が一
本、
其の
低い
枝のしなやかに
垂れた
葉隱れに、一
間口二
枚の
腰障子があつて、一
枚には
假名、一
枚には
眞名で
豆腐と
書いてある。