げん)” の例文
同月どうげつ二十三にちにはげんぼうほか玄川子げんせんしくはへて四にんつた。今度こんどは、小徑こみち左方さはう緩斜面くわんしやめん芋畑いもばたけである。
東海の黄公少時げんを能くし蛇や虎を制するに赤金刀をぶ、衰老の後飲酒度を過ぐ、白虎が東海にあらわれたので例の赤刀を持ちまじないに行きしも術行われず虎に食われた
おお、それは、げんじんをしいて鳴りをしずめていた咲耶子さくやこが、かねて手はずをあわせてある合図あいずの笛。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるいは黙然もくねん遊動して谷より谷に移るもの、往々にして動かざる自然を動かし、変わらざる景色を変え、塊然たる物象を化して夢となし、げんとなし、霊となし、怪となし
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
竹童ちくどうがあいずの狼煙のろしをみて、この地方に敵ありと知った武田伊那丸たけだいなまるは、白旗しらはたもり軍旅ぐんりょをととのえ、裾野陣すそのじん降兵こうへいをくわえた約千余の人数を、せいりゅうはくげんの五段にわかち、木隠こがくれたつみ山県やまがた
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)