げん)” の例文
みん代もげんの後をけて、小説戯曲類は盛んに出て居ります。小説では西遊記さいゆうき金瓶梅きんぺいばいのたぐいは、どなたもよく御承知でございます。
げんの末には天下大いに乱れて、一時は群雄割拠の時代を現出したが、そのうちで方谷孫ほうこくそんというのは浙東せきとうの地方を占領していた。
世界怪談名作集:18 牡丹灯記 (新字新仮名) / 瞿佑(著)
隣邦の中国では、大同だいどうに兵乱があり、遼東りょうとうが騒いだりしていたが、げんの国号をあらためてみんとしてから、朱氏しゅし数百年の治世はまだゆるぎもしなかった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中將は南洲のげんて曰ふ、しいかな、天下の一勇將を失へりと、流涕りうていすること之を久しうせり。あゝ公私情盡せり。
かのそう朝が絶対平和主義を持して北方の強たるきん及びげんに苦しめられ、胡澹庵こたんあんをして慷慨こうがいのあまり、秦檜しんかい王倫おうりん斬るべしと絶叫せしめた上奏文を見ても
世界平和の趨勢 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
淇園は人の皆知る所なればしばらく置く。文台、名はげんあざな子長しちやう、伊賀の人である。渉筆に霞亭の自記と、韓凹巷かんあふこうの文とがあつて、此人の事がつくしてある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そして、月々きまつてもらふお小つかひをすこしづゝ郵便ゆうびんちよ金にしはじめ、いつも母がくれるお中げんお歳の金も今までのやうに無駄むたには使つかはないことにした。
文貞はすなわ秉忠へいちゅうにして、袁珙えんこうの評せしが如く、道衍のえんけるは、秉忠のげんに於けるが如く、其のはじめの僧たる、其の世に立って功を成せる、皆あいたり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
また、げんの時代のかの地の三弦一名コフジ、一名コフシ、一名クヮフシ、一名コハシなど称するものと関係があるような、またないようなことも書いてある。
日本楽器の名称 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
探偵小説は、エドガー・アラン・ポーに始まると思われているが、中国には早くもげん代に『棠蔭とういん比事』があり、日本には三百年前の井原西鶴に『桜蔭比事』がある。
げんの末に方国珍ほうこくちんと云う者が浙東せっとうの地に割拠すると、毎年まいねん正月十五日の上元じょうげんから五日間、明州みんしゅうで燈籠をけさしたので、城内じょうないの者はそれをて一晩中遊び戯れた。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
どうして、こんなところへ、こんな作物が舞い込んだかと思われるほど、支那のげんみんあたりの名家へ持って行きたい軸物も、時おり現われて来ることに感心しました。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
横と縦と高さとがある世界が三次元の世界だと分っていますが、もう一つのげんは何だか、さっぱり分りませんね。それは時間をいうのだと説いている人もありますね。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして、今はまたこの像は未曾有みぞうの国難を見ているのだ。げん兵が九州を犯した国難も知っていれば、法華堂の執金剛神しつこんごうしんはちになって救いに出たという将門まさかどの乱も知っている。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
支那しなでは北京ペキン政府が二十万げんを支出して送金して来た外、これまで米殻輸出を禁じていたのを、とくに日本のために、その禁令をといたり、全国の海関税かいかんぜいを今後一か年間一割ひき上げて
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
いつでも坊ばと云う——元禄が濡れたのを見て「げんどこがべたい」と云って泣き出した。元禄が冷たくては大変だから、御三が台所から飛び出して来て、雑巾を取上げて着物をいてやる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
げん李※りかん文湖州ぶんこしうの竹を見る数十ふくことごとく意に満たず。東坡とうば山谷等さんこくらの評を読むもまた思ふらく、その交親にわたくしするならんと。たまたま友人王子慶わうしけいと遇ひ、話次わじ文湖州の竹に及ぶ。子慶いはく、君いまだ真蹟を見ざるのみ。
各時代の歴史はそれぞれの偉大な王侯や、英雄を有ち、また重く強い民衆をひかえているのであります。しゅうしんや漢や六朝りくちょう、つづいてとうそうげんみんしんの各時代は、それぞれ巨大な歴史を有って居ります。
北支の民芸(放送講演) (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
一個五十げんの卵が一躍六百元にはね上ったそうである。
立春の卵 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
世界呑吐のげんの野望
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
げんの大軍
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
げんの末には天下大いに乱れて、一時は群雄割拠の時代を現じましたが、そのうちで方谷孫ほうこくそんというのは浙東せっとうの地方を占領していました。
こんどは細ながいはこからこれもげんの舶載らしい水墨画を解き出して、壁にかけ、脇息にって、ながめ入った。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
且つげんえいなお存して、時に塞下さいかに出没するを以て、辺に接せる諸王をして、国中こくちゅうに専制し、三護衛の重兵ちょうへいを擁するを得せしめ、将をりて諸路の兵をすにも
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いわゆる支那北部の旧族、いわゆる支那の歴史あって以来周狄しゅうてきの後に匈奴きょうどとなり、それから種々の変遷を経てりょうきん、またげんとなり、ついに愛新覚羅あいしんかくら氏が起った。
東亜の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
私は、非常袋の中へ手を入れて、五千げん法幣ほうへいつかみだした。それをそっと、役人に握らせると
「この床の間ぢやよ、——見事な大幅での、げん時代のものにしては大した損傷いたみもなく、目の覺めるやうな極彩色ごくさいしよくぢや。五人の唐子からこ牡丹ぼたんの咲き亂れる庭で、遊んでゐる圖ぢや」
これはげん成宗せいそう大徳だいとく十一年梅渓ばいけい書院の刊本を以て底本としたものである。いで手にったのが『千金要方』の宋版である。これは毎巻金沢文庫かなざわぶんこの印があって、北条顕時ほうじょうあきときの旧蔵本である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
文政のげん、十一月
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そういうわけで、身代しんだいもだんだんに衰えて来ましたので、げん天暦てんれき年間、李は自分の郷里を立ち退いて、桂州へ行きました。
げん忽必烈フビライが数度の使節を派遣し、これに次ぐに数十万の軍兵を以てしたのは、あながち彼の功名心から出たのでなく、また蓬莱を求めて神仙に会せんと望んだのであろう。
日本の文明 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
また密奏して曰く、燕王は智慮人に過ぐ、而して其の拠る所の北平ほくへいは、形勝の地にして、士馬しば精強に、きんげんの由って興るところなり、今よろしくほう南昌なんしょううつしたもうべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
つまりげんとの交易を官営して、その利益で、一切の工事をまかなうというものだった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あはは、あの味のわるいウィスキーが一壜五百げんとは、べら棒な値段じゃ。その昔、重慶相場じゅうけいそうばというのがあったがその上をいく暴価ぼうかじゃ。同じ五百元でも、こっちのペパミントがいい。
「おみくじだよ、げん大師だいしの有難い御神籤さ。六十三番のきよう
「あれが真実ほんとうの掘出物と云うのだろう。僕も県史や飛騨誌などを調査した結果、飛騨判官朝高という人物の伝記も大抵判った。𤢖はいよいげんの蒙古に疑い無しだ。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
また、新定しんていというものがあるが、それはくだってげんの頃に出来たもので、ほんとの定窯ではない。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
書画骨董がすきと知ればあらそってそうげんの名品だの、雨過天晴うかてんせいの佳品やらを。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もう一つげんをふやせばいいことが分っています。三を四に考えればいいのです。それはかんたんですが、さて一つふやす元は、どんなものにしたらいいかと考えると、分らなくなりますね」
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
窟の内に彫ってあった文字もんじまさしく蒙古の字で、自分等はげんたみであるが捕われてこの国にきたった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
げんの大徳二年の春、潮が塩官えんかん州をおかして、氾濫すること百余里、その損害は実におびただしく、潮は城市にせまって久しく退かないので、土地の有力者は前にいった宋代の例を引いて
今から六百余年ぜん弘安年中こうあんねんじゅうに、げん蒙古もうこ大軍だいぐんが我が九州に襲って来た。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
げんの至元年間の或る夜である。一人の盗賊が浙省の丞相府じょうしょうふに忍び込んだ。
姚忠粛ちょうちゅうしゅくげん至元しげん二十年に遼東りょうとう按察使あんさつしとなった。
わたくしはきんげんを割り当てられました。