“減(げん)” の例文
彼(かれ)は絶(た)えず或(ある)物(もの)を探(さが)すやうな然(しか)も隱蔽(いんぺい)した心裏(しんり)の或(ある)物(もの)を知(し)られまいといふやうな、不見目(みじめ)な容貌(ようばう)を村落(むら)の内(うち)に曝(さら)す必要(ひつえう)が漸(やうや)く減(げん)じて來(き)た。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それ故(ゆゑ)に日本(にほん)の經濟(けいざい)は立直(たてなほ)す必要(ひつえう)があるのであるが、經濟(けいざい)の立直(たてなほ)しが出來(でき)て累年(るゐねん)續(つゞ)く輸入超過(ゆにふてうくわ)が減(げん)じ國際貸借(こくさいたいしやく)が改善(かいぜん)せられて初(はじめ)て金(きん)の解禁(かいきん)が出來(でき)
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
企は失敗して、彼らは擒(とら)えられ、さばかれ、十二名は政略のために死一等を減(げん)ぜられ、重立(おもだち)たる余の十二名は天の恩寵によって立派に絞台の露と消えた。
謀叛論(草稿) (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
其方儀松五郎尋(たづ)ねの所未だ行衞(ゆくゑ)相知れざる趣き空(うつ)せみ事千代存命(ぞんめい)も是れ有らば入牢の上屹度(きつと)被仰付之處當人(たうにん)空(うつ)せみ相果候上は一等を減(げん)じられ江戸構(えどかま)へ申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
壺は少し勢(いきおい)を減(げん)じたと思われたが、それでも昨日と同じ様に、ときどきカタカタと滑稽(こっけい)な身振(みぶり)で揺らいだ。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ベンヺ 馬鹿(ばか)な! そこがそれ、火(ひ)は火(ひ)で壓(おさ)へられ、苦(く)は苦(く)で減(げん)ぜられる例(ためし)ぢゃ。逆(ぎゃく)に囘轉(まは)ると目(め)が眩(ま)うたのが癒(なほ)り、死(し)ぬる程(ほど)の哀愁(かなしみ)も別(べつ)の哀愁(かなしみ)があると忘(わす)れらるゝ。
今までの悲哀(ひあい)や苦痛は固(もと)より其によツて少しも減(げん)ぜられたといふ譯(わけ)ではないが、蔽重(おつかさ)なツた雲(くも)の間(あひだ)から突然(とつぜん)日の光(ひかり)が映(さ)したやうに、前途(ぜんと)に一抹(いちまつ)の光明(くわうめう)が認(みと)められたやうに感じて
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
今日(けふ)は三十人(にん)の患者(くわんじや)を受(う)ければ、明日(あす)は三十五人(にん)來(く)る、明後日(あさつて)は四十人(にん)に成(な)つて行(ゆ)く、恁(か)く毎日(まいにち)、毎月(まいげつ)同事(おなじこと)を繰返(くりかへ)し、打續(うちつゞ)けては行(ゆ)くものゝ、市中(まち)の死亡者(しばうしや)の數(すう)は决(けつ)して減(げん)じぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ジャワ島(とう)のパパンダヤング火山(かざん)は西暦(せいれき)千七百七十二年(せんしちひやくしちじゆうにねん)の噴火(ふんか)に於(おい)て、僅(わづか)に一夜(いちや)の間(あひだ)に二千七百米(にせんしちひやくめーとる)の高(たか)さから千五百米(せんごひやくめーとる)に減(げん)じ、噴(ふ)き飛(と)ばしたものによつて四十箇村(しじつかそん)を埋沒(まいぼつ)したといふ。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
時(とき)がたつと、人(ひと)の往来(おうらい)も減(げん)じてゆきました。そして、まわりに立(た)つ人影(ひとかげ)も少(すく)なくなった。けれど、二人(ふたり)は、明日(あした)の生活(せいかつ)のためには、まだ、その晩(ばん)の稼(かせ)ぎをつづけなければなりません。
街の幸福 (新字新仮名) / 小川未明(著)
傷(きづゝ)き斃(たを)れたのも少(すくな)くない樣子(やうす)で、此(この)日(ひ)も既(すで)に十二三里(り)許(ばかり)進(すゝ)みて、海岸(かいがん)なる櫻木大佐(さくらぎたいさ)の住家(すみか)からは、確(たし)かに三十里(り)以上(いじやう)距(へだゝ)つたと思(おも)はるゝ一(ある)高山(かうざん)の絶頂(ぜつてう)に達(たつ)した時(とき)には、其(その)數(かず)も餘程(よほど)減(げん)じて
ふたりはようやくそれをつかんで、下から四、五尺までの高さに帆桁(ほげた)をおろし、帆の上端を甲板(かんぱん)にむすびつけた。これで船は風に対する抵抗力(ていこうりょく)が減(げん)じ、動揺(どうよう)もいくぶんか減ずるようになった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
往來(わうらい)で煙草(たばこ)を吸(す)つたもの、込(こ)み合(あ)ふ中(なか)で人(ひと)を押(お)し退(の)けて進(すゝ)まうとしたもの、そんなのまでを直(す)ぐ引(ひ)つ捕(とら)へて、打首(うちくび)にするならば、火事(くわじ)は半分(はんぶん)に減(げん)ずるし、世(よ)の中(なか)の風儀(ふうぎ)は忽(たちま)ち改(あらた)まるであらうと思(おも)つた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
死(し)一等(いっとう)を減(げん)じてこれを放免(ほうめん)したるは文明の寛典(かんてん)というべし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
懶(ものう)さに堪(た)へぬ樣(やう)に成(な)つたがそれでも其(そ)の休養(きうやう)の爲(ため)に幾(いく)らづゝでも持病(ぢびやう)の苦(くる)しみを減(げん)じたので、さういふ理由(わけ)を知(し)らない彼(かれ)は
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それで一般(ぱん)會計(くわいけい)には國債(こくさい)を計上(けいじやう)しない、特別會計(とくべつくわいけい)では國債(こくさい)を豫定(よてい)の半額(はんがく)に減(げん)ずる、斯(か)う云(い)ふ方針(はうしん)を立(た)てたのであつた。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
今日(きょう)は三十人(にん)の患者(かんじゃ)を受(う)ければ、明日(あす)は三十五人(にん)来(く)る、明後日(あさって)は四十人(にん)に成(な)って行(ゆ)く、かく毎日(まいにち)、毎月(まいげつ)同事(おなじこと)を繰返(くりかえ)し、打続(うちつづ)けては行(ゆ)くものの、市中(まち)の死亡者(しぼうしゃ)の数(すう)は决(けっ)して減(げん)じぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
仏壇(ぶつだん)に、ささげられたさかずきの酒(さけ)は、ほんとうに一滴(てき)も減(げん)じはしなかったのです。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今(いま)から穀(こく)の用意(ようい)もしなくては成(な)らぬと思(おも)ふと自分(じぶん)の身上(しんしやう)から一俵(ぺう)の米(こめ)を減(げん)じては到底(たうてい)立(た)ち行(ゆ)けぬことを深(ふか)く思案(しあん)して彼(かれ)は眠(ねむ)らないこともあつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
新(あらた)に減債基金(げんさいききん)に充當(じうたう)することにしたから來年度(らいねんど)には減債基金(げんさいききん)の總額(そうがく)は九千萬圓(まんゑん)餘(よ)に上(のぼ)るのであるから三千五百萬圓(まんゑん)だけが六十億圓(おくゑん)の國債(こくさい)から減(げん)ずることになる。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)