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嚴
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げん
貴樣等は書物の
蠧に成つてはならぬぞ。
春日は至つて
直な人で、從つて平生も
嚴な人である。貴樣等修業に
丁度宜しい。
『えい、ふざけたり/\、
海賊共、
眼に
物見せて
呉れんづ。』と
矢庭に
左舷八
吋速射砲の
方へ
馳せたが、
忽ち
心付いた、
夫れ
海軍々律は
嚴として
泰山の
如し
警官を
出張さして
嚴に
取締を
付けたのであるが、それでも
參詣人は一
向减じ
無い。
取りつ
慰めつ
一方は
心を
浮かせんと
力め
一方は
見張りを
嚴にして
細ひも
一筋小刀一挺お
高が
眼に
觸れさせるな
夜は
別して
氣をつけよと
氣配り
眼配り
大方ならねば
召使ひの
者も
心を
得て
風の
音を
難有く、せめて
報恩の
萬分の
一には、
此軍艦の
水兵等と
同じ
樣に
働きたいと、
頻りに
心を
焦立てたが、
海軍の
軍律は
嚴として
動かす
可からず、
本艦在役の
軍人ならねば
檣樓に
昇る
事も
叶はず