“醸成”の読み方と例文
読み方割合
じょうせい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この、あやしい部下の心理を醸成じょうせいしたものは、万余の大軍はあっても、そこにげんたる統率がなかったという、ただ一事に尽きる。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其処に面白からぬ夫婦関係が醸成じょうせいされつつあった事は、何人なんぴとも想像し得るじゃないか。事実、博士はひそかに妾宅しょうたくを構えて何とかいう芸妓げいしゃ上りの女を溺愛できあいしているんだ。
一枚の切符 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
彼はその宣言の中に人々間の精神交渉(それを彼はやさしいなつかしさをもって望見している)を根柢的に打ちくずしたものは実にブルジョア文化を醸成じょうせいした資本主義の経済生活だと断言している。
想片 (新字新仮名) / 有島武郎(著)