“紙背”の読み方と例文
読み方割合
しはい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
読返す程、紙背しはいからにじみ出して来る不気味さ。いくら年寄りでも、こんな場合には、少々神経過敏にならないではいられぬ。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
紙背しはいとおすようなまなざしで、万吉が、その手紙、またほかの四、五通、残らず読んでみた時に、すべての疑雲は晴れていた。かれの想像は当っていた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
眼力がんりき紙背しはいを貫くというのだから、たいへんである。いい気なものである。鋭さとか、青白さとか、どんなに甘い通俗的な概念であるか、知らなければならぬ。
一歩前進二歩退却 (新字新仮名) / 太宰治(著)