しし)” の例文
古語拾遺に『大地主神、田を営るの日、牛のししを田人に食はせ』たことや、さらに、『宜しく牛の宍を以て、溝の口に置かせた』ことがあり
この太子ひつぎのみこの御名、大鞆和氣おほともわけの命と負はせる所以ゆゑは、初め生れましし時に、鞆なすしし御腕みただむきに生ひき。かれその御名に著けまつりき。ここを以ちて腹ぬちにましまして國知らしめしき。
かくて肉食の徒は神罰を蒙るが為に、「しし喰った報い」という俗諺までが出来た。
賤民概説 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
主としてしし鹿ししであった、かくてその称呼が世人の口に、耳に親しくなった結果として、遂にそれがただちに猪または鹿そのものの名称の如くに用いられる様になったのである。
死をナホル 病をナヲス 泣くを塩垂しおたる 血を汗 ししくさびら 打つを撫づ 墓をつちくれ
肉食ははなはだしく罪悪で、これを犯す者は神罰たちまち到ると教えたのであります。これがために何か不慮の災難にでも遭いますと、たちまち「ししった報い」だという諺までができました。